日別アーカイブ: 2008年4月12日

天然酵母パン





食工房のパンは、基本的に一種類の酵母、
自家培養の阿武隈・飯豊酵母を使用しています。


もうすでに多くの方がご存知のはずですが、改めて申し上げます。
食工房のパンは、100%天然酵母だけを使用して焼いています。
そしてその酵母は、完全自家培養です。
今から20年ほど前、阿武隈山中で山暮らしを始めた時に、山の沢水から起こしたパン種を、以来14年間、その沢水と小麦粉と少量の砂糖を養分に、繰り返し掛け継ぎしながら培養して来ました。
その後会津に移ってからは、飯豊の水で養い続けている、正真正銘の天然酵母です。




培養完了して、使用可能な状態の酵母種


通算すれば、もう1000回近くも掛け継ぎを繰り返し、永久無限に増殖し続ける我が酵母に、私は「阿武隈・飯豊酵母」と命名しています。
最近は、この酵母の純粋性を保つことと、安定した活力を維持するために、作業場にはイーストはもちろん、その他の酵母を含む食品類を持ち込まないようにしています。
そしてパンづくりの一番の材料である小麦粉は、これも100%国内産の小麦の粉です。
岩手県産の「南部」という品種と、もう一つ「ゆきちから」という品種を、用途に応じてミックスあるいは単品で使用しています。
もう一つ、一部のパンに使用するライ麦全粒粉は、カナダ産オーガニック(無農薬有機栽培)原穀を自家製粉しています。
食工房では、それぞれのパンの特質に合わせ、生地の最適な温度と醗酵時間を管理しています。
また、国産小麦の穀物としてのおいしさや天然酵母の醸し出す風味を最大限生かすために、食事用のパンには、粉と酵母と水を基本材料に少量の砂糖と塩以外の余計な材料を使いません。(油脂分も排除しています。)
一方、菓子パンやサワードゥビスケットなどには、油脂分として菜種サラダ油とバターのみを使用しています。
乳化剤を含むマーガリンやショートニングなどは使用していません。
食工房の天然酵母パンは、食べることと料理することが好きな方に、特に心底パンが好き!という方に喜んでいただけるようなパンを目指しています。
皆さまの、率直なご感想やご意見を糧に、これからますますおいしいパンが焼けるようになりたいと思っています。