月別アーカイブ: 2009年1月

バタビー、復活



連れ合いが手描きした昔のラベルを、PCで作り直しました。
原材料表示は、以前のものです。
正式のものを裏側に別に貼っています。


 


バタビーこと「バタービスケット」復活再開いたしました。
バター不足のためずっとお休みしていましたが、シュトレンシーズンも終わり、その後バターの入荷も安定して来ましたので、製造を再開いたしました。
サクサクと軽い口当たりと塩味が心地良い、スティック状のビスケットです。



塩味のみ、砂糖の甘さはありません。
サクサク、ポリポリ、いくらでも口に入ってしまいます。


それで、再開前と少し内容が変更になりました。
変わった点は、植物油の併用を止めてバターのみにしたこと、水分は牛乳(会津のべこの乳)のみにしたことの2点です。
文句なく美味しくなってます!



バタービスケット 1袋 100g以上・約10本 340円


 


   本日の食工房

今日はこの他に新しい試作品も造りました。
干し柿とクルミ入りの全粒粉パン、名称は決まっていません。



 干し柿が、もっともっと沢山入っているといいのに、という感じです。


「みのりのパン」の干し柿入りバージョンを二回試してみましたが、今一つ干し柿の印象が弱くもっと沢山入れるとなるとコストが見合わないなど、課題が出ましたので別なものを造ってみようということになりました。

どうせならということで、将来的に原材料全てを地元産で調達出来ることを念頭において、ライ麦全粒粉、小麦全粒粉、小麦粉・ゆきちから、干し柿、クルミという構成でやってみました。
形状としては、プンパニッケルと同じ型を使い、酵母はザワータイクを入れるのを止めて酸味が出ないようにしました。

第一回目の印象としては、まだまだ干し柿のインパクトが弱い点が課題ですね。
干し柿は、そのまま食べるととても味わい深くておいしいものですが、パン生地の中に入れると意外に主張の弱い素材だということが分かります。
比べてレーズンやカレンツがいかにパフォーマンスの強い素材であるかを、逆に再確認することになりました。



 こちらはいつもの「みのりのパン」、やはり納得の行く味わい。
今日はまた、会心の焼き上がりでした。



袋に入れる前に写真を撮りたかったところ。
いつかきっと、フィンランド人に食べてもらおうと思っています。


  みのりのパンとカネリプッラ

今回から、「みのりのパン」はいつものように、カレンツ、レーズン、クルミ、松の実入りバージョンに戻りました。
これはこれで、大変納得の行く美味しさです。
定番品として続けて行きたいと思っています。
そして今日は、カネリプッラがいつもに増していい感じに焼けました。


これからお天気が荒れ模様だとか・・・、でもよろしかったらぜひご来店ください。
ポイント2倍は、多分間違いなし。
試作品の試食もしていただこうと思っています。

スコーン、好評御礼


焼き上げたもの全部がきれいに割れると、本当に気持ちいいです。
焼いている最中はもっと大きく口が開いています。


食工房のスコーン、このところ毎週150個くらい焼いています。
5個入りで30袋になります。

水分は、会津のべこの乳だけを使い、バターを加えて生地を練ります。

生地を膨らませるために重曹を、重曹のアクを中和するためにりんご酢を使っています。
その他一切無添加です。
型に入れて焼くわけではありませんが、焼き方でちゃんと上が平らになり、側面にパツクリと口が開いて割れ目が入ります。
上下に二つに割れるのが、スコーンにとって大事なところなんだそうで、イギリスやアイルランドでは、間にクリームやマーマレードなどをたっぷりはさんで食べるのだそうです。

食工房では、極初めの頃何度か試行錯誤がありましたが、もうずいぶん長い間レシピも焼き方も変えることなく、寒い時期には尚一層出来が良くなっています。
今日も75個ずつ2回戦で焼き上げました。

最近は、どこのパン屋さんお菓子屋さんでもスコーンを焼いて売っていますが、食工房のスコーンの味と食感は他のお店のとはちょっと違っていると、あるお客さまが仰っていました。
曰く「イギリスに旅した時に食べたのと同じ。」だそうです。

実際にはどうか知りませんが、多分スコーンにも幾つかスタイルがあって、日本国内で流行っているスタイルと食工房のスコーンが、たまたま同じじゃないということなのでしょうね。
福島県には、「ブリティッシュヒルズ」という有名な観光施設がありますが、そこのスコーンを食べた時の印象は、私の焼いているスコーンとは全然違うものでした。

もし以前に、かのショーン・ライアン<参照>から、「いつもアイルランドで食べているスコーンと同じだよ!」と言われてなかったら、自分のスコーンは何か別物だと疑ったかも知れません。
いずれにしても最近では、お客さまの評価も固まって来たようで、時々うれしいレスポンスをいただいています。

余り生地の悩み

先日、余り生地でヒットが出ていることを取り上げましたが、今回は少し悩みもあると言うお話です。

余り生地とはその名の如く、定番商品を作る際計量した後に残った生地のことを指します。
材料を仕込む時、いつでもぴったりというわけには行きませんから、少し余裕を見ておきます。
計量のキリの良さの都合で材料を計る場合もあり、必ず残りが出ます。
余った分だけ、その時都合の良いものを造って、たまたまお店に並べて売れたというのが一番いいわけですが、それがお客さまのお気に召していつも欲しいと言われると、応えないわけには行かないのが商売ですね。
それはそれでうれしいことなんです。

ところが、余り生地メニューもついに3種類にもなって、全部定番にしたものですから大変なことになりました。
決まった数でご注文が入るようになり、今度はどのくらい余らせるかが先に決まって、仕込み量を逆算しなくてはならなくなったのです。

食パンは3種類ありますので、それぞれの注文数と店売り分の数を確保しつつ、余り生地の量も不足がないようにしなくてはなりません。
そうかと言ってそれぞれ専用に仕込みをすると、今度は本当に余り生地の行く先がなくなってしまいますので、このシステムは一方ではとても重宝なのです。

で、この計算が結構込み入っていて、今日は勘違いも手伝ってとんでもない計算ミスをしてしまいました。
おかげで生地が足りなくなり、ご注文が入っていたナンとピザクラストが一つも出来ませんでした。
納品先の方々には、ご迷惑をかけましたこと、この場を借りて謹んでお詫び申し上げます。

まあいくら何でも今日みたいなことは滅多にないと思いますが、逆にいつぞやのように余り生地の余りが沢山出たのでピザクラストになった時のように、また余り生地メニューが増えることはもう避けたいと思っています。
今後、重々注意いたします。


 



新・飯豊山食パン、ご好評いただいています。



地元山都町、沼の平産のアオバ小麦全粒粉配合になった新・飯豊山食パン、風味食感共にご好評いただいています。
モッチリとした食感、同じ1斤でも使っている生地量が多いので、食べ応えがあります。

日数を経過するにつれそのままでは硬くなりますが、トーストしていただくと元のように食べやすい柔らかさに戻ります。
併せて本来の小麦の風味をお楽しみいただけます。

新・飯豊山食パン(山型)1斤 440円 3斤1本 1200円

いきなりガツンと来ました。

二度目の風邪でした。
先週、風邪が治って絶好調で仕事をしている最中、ちょっと人が集まる場へ出席する機会がありました。
場内には風邪をひいている人が沢山いたらしく、あちらでもこちらでも咳き込む声が聞こえていました。
帰宅してからすぐに入念に手洗いとうがいをしましたが、感染を免れなかった模様。
その日を入れて3日間は何事もなく過ぎて仕事もはかどりました。
今になって思い返すと、微妙な変調はあったと分かるのですが、その時は何でもないと思いました。
それが4日目も午後になって突然、寒気と頭痛が襲って来ました。
「しまった、やられた!」と気がついて、迷わず布団に入り横になりました。
そのまま、夕食もとらず風呂にも入らず、寝床に湯たんぽを入れて朝まで寝ていました。
昨日一日と今朝まで、食事とトイレ以外はずっと寝ていました。
そして今日はもうずっと回復して、気持ちもシャンとしています。

それにしても、何日か前に「ン?・・・」感じた時に休んでおけば良かったんでしょうかね?
とは言っても、調子良く仕事出来てるのに休む決断をするのは、なかなか出来ませんね。
いい具合に定休日にかかっていたのが幸いでした。
でも、「パンだより」の編集をしようと思っていたのは、不意になってしまいました。
欲張ってもダメ!と言われたような気がします。
おかげさまで、明日のパン焼きは大丈夫そうです。


 




食工房マイルドブレンド 新登場                       習刊「コーヒー通信」



今までの食工房のオリジナルブレンドは、香りの高さを演出するために深炒り豆を配合していましたが、マイルドブレンドではそれを止めてミディアムローストのみのブレンドにしました。
セラードの逸品、素晴らしいロースと香のブルボンクラシコとバランスの良い苦味と酸味のペルーオーガニック、コチャパンパのシンプルなブレンドです。
しかし、飲み口はマイルドでも奥の深い味わい、甘みを思わせるナッツ系の香ばしさに、きっとどなたも好感を持たれると思います。
少し低めの温度で抽出することで、いっそうその特長を引き出すことが出来ます。

    食工房マイルドブレンド 100g 450円 100g以上計り売りにて承ります。


  おしらせ
今週は、木曜日・クリングラ、土曜日・カネリプッラです。
マフィンは、シマリス君の朝ごはん、スィートハート、そば粉マフィンの3種を予定しています。

朝のごほうび

1年前の今頃、同じタイトルで写真入の記事を載せてますね。<参照>
今朝は、昨日雪が降った後朝まで晴れ上がって厳しい冷え込みとなったため、樹木についた雪が固く凍って朝の陽の光を反射していました。
こんな時は、日頃見慣れた風景も殊更に見えます。
ほんの30分かそこらの間のことで、それを過ぎればまた何の変哲も無いいつもの景色に戻ってしまいます。
自然は、本当に粋な計らいをするものですね。
今朝はまた上手い具合に写真が撮れました。
こんな風景の中でパン屋をやっていられることが、とても幸せと感じる一日のスタートでした。


 



 



 


 



 


 


 



雪の塊も、何だかトロルが集まっておしゃべりしているみたいに見えます。 


 


「カフェクラブの集い」



今日は、午後から「カフェクラブの集い」を開催しました。
この時期は突然の大雪で、中止することも大いにあり得ますので、あまり大げさに告知はしていませんでした。
配布した「パンだより」の片隅にちょっと触れただけでしたが、目に留めてくださった方が4名、当日参加の方が1名、一緒にいらした子どもさんも入れて7名になり、にぎやかに楽しい時間を過ごしました。
今日は、体の温まるメニューをテーマに、ウィンナーコーヒー、カフェ・オ・レ、カフェ・ラ・テ、そしてマサラチャイも登場しました。
お供には、1本だけ売らずに取り残しておいたシュトレンを、蔵出しして召し上がっていただきました。
それぞれのメニューを造っている最中、手元を見ていただいたり道具や材料を見たり触ったりしていただきました。
参考になりましたでしょうか?
中でもスパイスの使い方は、皆さん興味津々のご様子で、私の大胆な使い方に少し驚かれたようでした。
いろいろ盛り沢山でしたが、当然、写真を撮ることは出来ませんでした。
来月も、面白いあるいは興味深い企画、これから考えます。
どうぞお楽しみに。

今度はピザクラスト


 


余ったパン生地でちょっといたずらしているうちに、思いがけないヒットが出るというのが、食工房のパターンになってしまったようです。
余り生地のバタール、ナン、そして今度はピザクラストです。
同じパン生地なのに、食パン、バタール、ナン、ピザクラストと、それぞれ違った食感と味わいになるのは、とても不思議で面白いですね。

でも本当言うと、最初はピザクラストなんか売り物にする気はなかったんです。
余り生地で造ったピザクラストなんか、ピザ屋さんのオリーブ油を練り込んだ本格的なピザクラストに敵うわけありませんからね。

ところが、いたずらで造ったピザクラストを気まぐれに差し上げたところお気に召されたようで、逆にご注文をいただいてしまいました。
それも一人二人ではなかったので、こちらもちょっと本気になったというわけです。
それでまたバカ正直に申し上げますが、差し上げておいて実は自分では試食もしていませんでした。

先日、連れ合いがわざわざ残しておいたピザクラストで、アンチョビ入りのピザを焼いてくれたので、早速試食してみました。
自分で言うのも何ですが、結構イケるじゃないか!という印象でした。
何と言っても、小麦の美味しさと酵母の味わいですね。
油脂分は入っていませんので、食感は少し硬めかも知れません。
味わいの方は、あっさりしています。
よかったらお試しください。

  直径20㎝・1枚 150円です。

※軽く焼きを入れてあります。トッピングしたあと、高温短時間で焼き上げて、すぐに召し上がってください。

通常賞味5日間、冷凍すれば一ヶ月くらいは問題ないと思います。


  おしらせ

先日申し上げましたように、仕事の時間を早い方にシフトすべく調整中です。
今日は、午前中にほぼパンを焼き上げました。
2月の中頃から、営業時間を変更したいと思っています。
改めて告知いたします。


 



細かい氷の粒が写っていました。 


今日は、午後から猛烈な勢いで雪が降って来ました。
チャンスとばかりに戸口でカメラを構えて、降って来る雪を写そうとシャッターを押しまくっていました。
その中から見つけた一枚です。


今夜は、「ドコノモリ」へおいでください。 <こちら>からどうぞ。

久しぶりに、また写真の話しでも

以前、写真に打ち込んでいた時期があったことは、すでにお話したと思います。
会津に来てからは、生活が変わってすっかり忙しい人になり、カメラはあっても触る時間がない、フィルム現像のお金もそうそう自由にならない状況で早や5年が過ぎてしまいました。

今はコンパクトデジタルカメラを手に入れたので、フィルム代も現像代も気にすることなく、チャンスさえあればまた撮るようになりました。
ブログのネタにもなるし、商売上商品の写真も必要だし、それにやはり写真は自分に一番向いている趣味だと思い知りました。
一人で静かに被写体と向かい合う時間が、私にはとても栄養になるのです。

だから人を撮るのは、はっきり言ってちょっと苦手です。
家族や親しい人の写真ならいいのですが・・・。

それで今日は、「駅カフェ」さんまで納品に行った折、少し時間があったのとたまたま他にお客さまがいなかったので、店内の写真を撮らせてもらいました。

写真で面白いことは、同じ情景を撮っても露出の決め方で全然違った表情に写ることです。
コンデジだと、おまかせモードで撮ると勝手にストロボが発光したりして、イメージぶち壊しの写真になったりするので、私はノンストロボか強制発光かのどちらかで撮るようにしています。

店内は少し暗いので、どうしてもシャッターが遅くなり手ブレのリスクがありますが、まさか三脚は立てられませんから、壁や柱やテーブルや椅子などにカメラを押し付けて動かないようにしています。
でも、どうしても手持ちじゃないと撮れないアングルになる時は、静かに一呼吸した後息を止めてシャッターを押します。
同じシーンを何枚も撮っておくと、1枚くらいとても上手く撮れていることがあります。
そういうところは、デジタルカメラの大きな利点ですね。
撮った画像もその場で見られるので、思ったように撮れていない時は、何回でも撮りなおします。
ただ、ファインダーを覗いて撮る一眼レフと違って、レンズも小さいしマニュアルフォーカスも使えませんから、いろいろ不満は残ります。
まあでも、どうしてもという時はフィルム一眼もあることだし、贅沢は言えません。
それより、融通の利かないコンデジをどうやって騙して意図した露出を得るか、そんな工夫を楽しんでいます。

前置きが長くなりましたが、今日撮った中から3枚ご覧に入れます。
駅カフェに行ったことがおありの方は、これらの写真が上手く撮れているかどうか、お分かりになることでしょう。
自分なりに、精いっぱい駅カフェさんをいい印象でご紹介したいと思って撮ったつもりです。
ご批評などいただければ、今後の糧といたしますのでどうぞよろしくお願いします。


 



窓際の白熱灯の明かりがとても素敵なので、
そのイメージを壊さないように、でも逆行で周りが
真っ暗に写ってしまうので、弱めにストロボを当てています。
ストロボの光量調節は、発光部にティッシュペーパーを当てて。


 



スローシャッターになるので、柱に固定して撮りました。
やはりストロボ使っています。
以前同じところを撮っていますが、
雰囲気が全然違って写っています。


 



駅カフェのコーヒーメニューの中で、
私の一番のおすすめは、これ。
アイン シュペンナー(ウィンナーコーヒー)

これは、ノンストロボ手持ち撮影。
超スローシャッター(1/20)
マクロ撮影モード使用。


 

順調に回復


看板坊やが出来た頃の写真です。
ほっぺがこんなに赤かったんですね。
早く塗り直してあげたい・・・。


おかげさまで風邪も治り、仕事のペースも順調に回復しました。
今日は、作業が手際良くはかどり、配達もいつもより早い時間に出発することが出来ました。
ちょうど一週間前に、ひどい状態で仕事をしてどんどん時間が延びて、配達に出る体力も気力もなくなってしまったことがまだ記憶に新しいので、今日の状態に、体の調子が良いとこれほど違うのかと思う身の軽さでした。
途中、注文しておいた小麦粉25kg×9袋が届いて、2階の保管場所に担ぎ上げたのですが、これが先週だったら地獄だったねと家族と顔を見合わせました。


ところで今、食工房の営業時間の見直しを検討しています。
と言うのは、現在のように午後7時閉店だと、その後食事と残務整理をして、風呂に入って寝るのは早くても11時近くになり、翌朝起き出すのが大変です。
いつもギリギリで余裕がないので、午後までちゃんとした食事をとれないまま仕事をすることも度々です。
パンの焼き上がりも遅い時間になってしまいますし、いいことがありません。
5年間やって来て、この時間の流れを変えるには、閉店時間を早めるしかないという結論です。

早い話、人を雇ってスタッフを増やし、早番と遅番で仕事を交替出来るならそれが理想ですが、今の売り上げ規模ではそんな人件費は出せません。
家族だけで手堅くやって行くしかない状況ですので、この先いつからと決定していませんが、いずれ閉店は午後6時、カフェは午後5時までということにしたいと考えています。
その分、お昼までにはパンが焼き揃うようにするなど、全体を早い時間に向かってシフトさせたいと考えています。

具体的になりましたら改めて告知いたしますので、どうぞご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

コーヒーの魅力


道具もまた、コーヒーの楽しみ。


 


コーヒーは、言うまでもなく嗜好品と認識されていますね。
栄養学上からも健康上からも、必需品とは認められません。
むしろ、カフェインのように摂取の仕方次第で有害性を現す、毒物とも言える成分も含まれているわけです。
それにもかかわらず多分、コーヒーは世界中で一番好まれている嗜好品です。
飲料として飲むだけでなく、焼き菓子やアイスクリームなどの冷菓にいたるまで、多種多様に愛好されています。

一体何が、それほどまでに人の嗜好に訴えるのでしょうね。
先ず一番に、間違いなく多くの人の気持ちを捕らえているのは、コーヒーの香りでしょう。
前にも申し上げたとおり、コーヒーを飲めないと言う方でも、コーヒーの香りだけはとても好ましいと感じる人がいくらでもいるからです。
コーヒーの香りを嫌悪する人は、よほど稀だと思います。
そしてまた、コーヒーの香りを嗅いで憎悪が強まるなんてことは、まずたいていはあり得ません。
コーヒーの香りはどちらかと言えば、人の気持ちを和ませ平和にする働きさえあるようです。
そのように、本来心地良いものだからこそ、これだけ多くの人々に愛好されるのだと思います。


さてそのコーヒー本来の性質の他にもう一つ、コーヒーの魅力を大きくしている要素があります。
それは、コーヒーを嗜むために必要な道具や器が、これまた大きな楽しみになるからです。
コーヒーを淹れる方法だって一つではありません。
皆さんが多分一番多く使っているのは、ペーパードリップでしょう。
この他に、ネルドリップ、サイフォン、パーコレーター、フレンチプレス、エスプレッソなど、それぞれに専用の道具立てを揃えて使いこなす楽しみがありますね。
そして、コーヒーカップという器も飲むコーヒーの種類によって、大きさやデザインにこだわる楽しみがあるわけです。


ところで、そんなコーヒーの楽しみを、贅沢だと言う方がいらっしゃるでしょうか。
まあ、それならそれでかまいません。
確かに贅沢品かも知れません。
しかし多分、どんなに困窮した時でも、非常時でも、むしろそんな時ほど、一杯のコーヒーの香りに癒され、人心地がつくことがあるのだと思います。
これもまたコーヒーの不思議な魅力です。


今日はいつもの水曜日に倣って、コーヒー焙煎に時間を費やしていました。
ブラジル産ジョアキン、セラード樹上完熟、ブルボン・クラシコ、カフェヴィーニョ、ペルー産コチャパンパ、どれもこれも違った個性で魅力的なコーヒーです。
新潟の「びおとーぷ」さんへも、明日出荷します。
「びおとーぷ」さんでは、現在、お店のメニューに全面的に食工房のコーヒー豆をご利用いただいています。


※「びおとーぷ」さんのご紹介記事は、<こちら>

もう一つの栄養


 


今日は、連れ合いの所望に応えて「茂田井武展」を見に、喜多方市立美術館へ出かけました。
私の世代の者なら、子供の頃に読んだ絵本や物語本の中のそこここに、彼の絵があったのを思い出すことでしょう。

私の場合正直に言えば、それらの絵は子どもの頃に確かに目にしていたはずなのですが、絵の印象も茂田井武の名も、さほど記憶に残っていたわけではありません。
しかし会場に入って見始めると、現在の自分の目で見ている新しい印象と、古い記憶の底から滲み出してくる郷愁のようなものが入り混じった不思議な感覚に、しばし時を忘れました。

その一つ一つをはっきり覚えていなくても、そうやって古い記憶のどこかが震えるのは、それらの絵が私の脳内のどこかに何ページかの場所を占めていて、私のものの見方に影響を与えているということなんですね。
ちょっと小難しい言い方をしてしまいましたが、要するに遠い昔にそれらは心の栄養として、私を豊かにしてくれたものであったということですね。
そして今日は、改めてそれらの絵を眺めて、もう一度栄養を受け取ったような豊かな気持ちになりました。


ところでこの間の風邪の最中、食工房の仕事をするエネルギーは、どこから供給されるのだろうかと考えていました。

それは先ず一つは、皆さまからのご愛顧でしょう。
それに元気づけられ、励まされていることは間違いありません。

もう一つは、自分自身の内側から出て来る意欲でしょう。
しかし、技術能力の向上や皆さんの期待に応えようという気持ちは、ただ生活のために売り上げが必要だからという理由だけでは、とても説明出来るものではありません。

また皆さんに喜んでもらえる、製品やサービスに現れる沢山のアイディアなどは、そういう現実的な事柄とはむしろ関係のない、自分の心の中の畑にどのように肥料を撒いて来たかということにかかっていると思います。
例えば、どんな音楽を聴いたか、どんな絵を見たか、どんなお話を聴いたか、どんなことをして遊んだか、それらが幾重にも積み重なってどれ程の厚みを持っているか、そこが自分の仕事を喜びに出来るかどうかの決め手になると思うのです。


今日の美術館は、とても良かったです。
こういう時間が時々なければ、はっきり言って私は仕事を続けて行くことが出来ません。
今日は、それが以前にも増してはっきりと分かりました。


展示の中に、山型食パンに穴が開いていて、中に向かって階段のようなものが見えており、上の方の別な穴につながっているという、不思議な愉快なイラストがありました。
ちょっと借用して皆さんにも、お見せしたかったのですが、買った画集の中にもネット上にも出ていませんでした。
お近くの方は、ぜひ会場へ。