菓子づくりは、夢を売る商売





食工房のお菓子たち



数ある食べ物の中でお菓子は、体の養いにどうしても必要なものではありませんね。
でも、なければ何かさみしいと言うか、味気ないと言うか、大きな楽しみが一つ欠けてしまうような気がします。
私は、お菓子は、例えば絵や音楽や詩歌のように、心に利くもの、人の心に夢を与えるものだと思っています。
だから、菓子づくりは、夢を売る商売です。
そして菓子づくりに必要なのは、材料や道具や技術の他に、もう一つ忘れてはならないエッセンス、つくることそのものを楽しむ遊び心です。
それらがうまくバランスして、気持ち良く仕事が出来た時、お菓子は食べる方の心に夢を運び、喜びの感情を湧かせます。

そうです!

荒んだ心では菓子づくりは出来ないし、する気にもなりません。
そういう意味では、菓子づくりは、毎日毎日、自分の心の中を問われる仕事だと思っています。
夢を売るためには、先ず自分の心の中にその種をいっぱい蒔いて、育てておかなくてはなりませんね。
そのことの方が、お菓子をつくること自体よりも、むしろ大切なことかも知れないと、この商売をするようになって気づかせてもらいました。


  


  お店の前にも、やっと花が咲き始めました。
店の前の道路沿いの一角に、連れ合いが花壇を丹精しています。
これから次々と、いろいろな花が咲いて楽しみなのですが、このニ、三日の間に、ラッパ水仙がほぼ満開になりました。
店の前から少し先の土手まで、道路沿いに水仙の花の黄色と葉の緑に埋まっています。