食糧価格が値下げ傾向だとか・・・



沼ノ平産小麦全粒粉配合で、
このところ人気上昇中の「飯豊山食パン」


この4月から、輸入小麦の払い下げ価格が14%余りも値下げになると、少し前の新聞記事で知りました。
それを受けて製パン大手のヤマザキパンは、製品価格の値下げを検討せざるを得ないだろうとコメントしています。

つい一年前、穀物市場の高騰で小麦価格がガンガン上がって、パンの値段も上がったのがまだ記憶に新しいというのに、一体何があったのでしょう?
昨年の高騰の原因が、多分に投機的要因によるものであることは明らかですが、今度の値下がりは逆に投機筋が手を引いたということなのでしょうか。
人の命に関わる食糧や燃料は、投機の対象にしてはならないという申し合わせがどうして出来ないのか、この不条理を私は到底容認出来ません。

それはさておき、今、食料品の価格はどんどん下がっています。
景気が悪くなって、あらゆる市場でモノが売れない傾向が定着してしまった感があり、消費者は毎日の食料品でさえ買い控えているからです。
と言うより、今まで無駄にしていた部分を見直しているだけなのではないでしょうか。
むしろ正常な消費行動になって来たということなのかも知れません。

商売する側からすれば、次々買ってもらわないことにはお金が回りませんから、これからはとても難しい時代に入って行くのだろうと私は思っています。
実際のところ、製造者も販売者も体力勝負の持久戦に入ったと言われています。


ところでこんな状況下でも、食工房の原材料仕入れ価格を見る限り、この一年間値下がりしたものは一つもありません。
そして今回の輸入小麦の価格引下げも、国産小麦の価格には全く影響がないと思えます。
そうなると、世の中に広く売られているパンに比べて、食工房のパンの高価格が際立つことになるかも知れません。

しかしこれは私の予感ですが、これからはモノの値段は、「質」によって何段階にも格差が生じ、例えば一斤100円の食パンと1000円の食パンが、さほど不思議なことでもなく当たり前に売られるようになるのではないかと思っています。
質の高いものは価格も高いのは当然ですが、それでは買える人も限られることになり、それは私にとっては胸が痛むことです。
どのあたりでバランスを取るのか・・・、持続再生産可能なラインと言うなら、まだまだもっと高くしなければ引き合わないというのが現実です。

本当は、これだけ収入の格差を是認するのなら、モノの値段は裕福な人には高く貧乏な人には安くあるべきだと、これは私の個人的な見解ですが、それにしても今の世の中は不条理に満ちていると、憤慨に堪えない私です。