月別アーカイブ: 2013年12月

一年の終わりに

2013年も今日でお終いです。
あと2時間余りで・・・。

あっという間の・・・と、誰もがそう言います。
私もそう言いますが、でも少し冷静に振り返ると、決してあっという間などではない長い一年だったと感じます。

同じくこれまでの六十余年も、瞬く間に過ぎたような気がする一方、気が遠くなるような長い時間にも思えます。
遠い昔の記憶を、昨日のことのように鮮明に思い出せる瞬間があります。
記憶は、時間を超越して存在するもののようです。
時間の経過を忘れさせるのは、その作用かも知れません。

明日から2014年。
新しい一年が始まります。
今までと変わらないと言えば変わらない、でも、新たな決心を胸に秘めつつ、進みたいと思います。

最後に今一度、皆さまに感謝を。
ありがとうございます!

人は、組織を信用出来ない

3.11以来、特に強く感じていることがあります。
それは、組織というものは根本的に信用出来ない、気が置けないと言ってもいいですが、人は一人の人としか向かい合えないという実感です。

「私たちが・・・」「私どもは・・・」と言う時、必ずそこには責任の所在をあいまいにする意図があるように思います。
「私が・・・」「私は・・・」と言えば、それはもう明確でどこにも逃げ場はありませんから。

福島の原子力災害の当初、原子力安全保安院なんて組織があったことを初めて知りましたが、あの人たちの取った行動を覚えていらっしゃるでしょうか。
政府と言う組織もまた、どんな対応をしていたか・・・。

私たちの日常からはるかに遠いところにあって、強大な権力を持った巨大な組織は、結局、私たちの信頼に応えることはありませんでしたし、多分これからもないでしょう。
集団におけるモラルは、構成員個々のそれよりも必ず低下すると言うのは、心理学の常識でしたね。

私はパン屋という商売をしています。
あの時実感したことは、これからは益々、一対一の人間関係の中でしかモノは売れないだろうということでした。
実際そのとおりで、例えば県などの大きな組織が懸命になって努力しても大した成果は上がらず、結局、個々の生産者・製造者の苦境は、自分自身で解決するしかないのか・・・と感じたものです。

今年、やっと回復の兆しが見えたとご報告申し上げましたが、一人一人の方々との関係を大切にする中で得られた成果だということは、もう間違いありません。
たとえインターネットの時代にあっても、一人一人のお客さまの顔が見えていなくては、決して売り上げには結びつかないということなのですね。

一方また委託販売の現場にあっても、先ずは取り扱い担当者の方との顔の見える関係の中で、最大限私の製品を理解してもらうこと、何より好きになってもらうことが大事です。
そして販売現場では、お客さまとの一対一の関わりの中で丁寧な商品説明や提案がなされること、それがちゃんと実現出来ていればモノは必ず売れて行くのですね。

直接良い顧客に巡り合うためにも、また良い取引先に巡り合うためにも、出会った方々のそれぞれの人となりに、一対一で丁寧に接する心がけを忘れないようにしたいと思います。

一年間のご愛顧に感謝を・・・

食工房は、本日を以て2013年の営業を終了いたしました。
明日から来年1月8日まで、閉店休業いたします。

この一年間、お得意さま各位には大変お世話になりました。
この場を借りて、今一度感謝を申し上げます。

さて本日は、予定通り餅つきをしました。
世間では、二十九日の九が苦に通ずるので苦餅と言ってつかない習わしだそうですが、私は勝手に29は「フ・ク」=福に通ずると考えて、福餅と呼ぶことにしています。
縁起なんてものは、そんなものだと思っています。

今日ご来店いただいたのは、わずかに3名さまでしたが、それぞれのし餅一枚ずつお持ち帰りいただきました。
残った大量の餅は、切り餅にして脱酸素包装して、年が明けてから各方面に配りたいと思います。
どうぞお楽しみに。

一方私宅では、今日から正月の御馳走づくりにかかっています。
全部、素材から手造りです。
連れ合いはもちろんですが、私もいろいろ手を出します。
のんびり過ごしている暇は全くありませんが、それが性分なのですね。
不満はありません。楽しんでいます。

でも、午後の一時、ほんの15分間くらいこたつに入って一瞬まどろみました。
この時、何と言ったら良いのでしょう、一瞬、人生の満足みたいなものを味わいました。
これで十分・・・と。

それでは、皆さまもどうぞ良いお年をお迎えくださいますように。

なお、このブログは明日も続きます。

明日・29日を以て、本年の営業を終了いたします。

この一年間も、大変お世話になりました。
沢山のご愛顧、ご声援、ありがとうございました。

思い返せば、震災以来ずっと苦しい現状が続いていますが、それでも今年は、少しは回復して来たかなという実感がありました。
皆さまに、何を何処を信頼していただけるか・・・。
重要なのは、私の方が確信を持って事に当たっている、それが伝わるかどうかなのですね。

放射能という目に見えない敵を相手に、対応の仕方も分からない当初でしたが、リスクを把握管理出来る今、全く不安はありません。
皆さまにも、ご迷惑が及ぶことはないと思っています。
あとは、品質という本来の価値を認めていただけるよう、手を抜かないで仕事するだけですね。

さて、年が明ければ、食工房10周年の記念の日がやって来ます。
正確には、1月8日なのですが、年末年始の休暇をいただいておりますので、一日遅れて1月9日の営業再開の日から、先着150名様に十周年記念の粗品を進呈いたします。

また、通販ご利用の方には、1月と2月の二ヶ月間、送料割引きサービスを実施いたします。
どうぞ、来年も引き続き食工房を、お引き立てのほどよろしく願いいたします。

ところで明日は、食工房にて餅つきをしております。
ご来店のお客さまに、つきたてのお餅を差し上げたいと思っております。
どうぞ、お楽しみにお出でください。

粗末・粗雑・粗悪

近頃目につくことと言えば、これです。
何事につけ、粗末、粗雑、そして粗悪・・・、これからは「三粗」とでも呼びましょうか。

筆頭は、福島第一原発。
政治も政治家も。

いろいろ上げれば、もうキリがありません。
モノを買っても、安い!と喜んだのも束の間、製品の粗悪さにがっかりなんてことも度々です。

ちょっとたとえが悪いと言われるかも知れませんが、犯罪でさえその例に漏れない感じがするのは、私だけでしょうか。

そもそも人間そのものが・・・ですか?
いやいや!あんまりつついていると自分にもお鉢が回って来そうですから、このくらいにしておきましょう。

でも、食工房の製品だけはそのような例えに載らないよう、肝に銘じて手を尽くします。

焼き仕事・明日で終了

本日が、本年最後のパン焼きでした。
明日は、マフィンとスコーンを焼いて、本年の焼き仕事を終了いたします。

明後日は、作業場の大掃除。
その後も、店は29日まで営業しております。
だんだん品数が減って行くと思いますが、どうぞ、最後の最後までよろしくお願いいたします。

なお、最終29日は、午前中から餅つきの予定です。
杵臼ではなく機械で搗きますが、ご来店の皆さまに少しずつでもお餅を配りたいと思います。

パン屋の年末の締めが餅つきというのも妙な話しですが、実はもち米を沢山いただいたのです。
それならば・・・と言うことで、毎度申し上げていますが、昔餅つきで稼いだこともあるのですから、餅つきはお手のものというわけです。
どうぞお楽しみにお出でください。

さてさて、明日はまた大量のスコーン焼きに挑戦です。

食工房のスコーン、来年はブレイクさせます!
フードプロセサーの導入成るか!?
食工房の命運が懸っています。

それから最後に、沢山の本当に沢山のシュトレンのご注文、ありがとうございました。
おかげさまで、無事に年を越せそうです。
この場を借りて、御礼申し上げます。

食工房のはんこが出来ました。

panko

10年営業していて、この度初めて食工房のはんこをプレゼントされて、やっと用意出来たと言う結末。
来年からもがんばります!

全く何と言ったらよいのでしょう。
10年も営業していて、当初から今日の今日まで、食工房のはんこがなかったのですよ!
領収書を書くときも、全部手書きしていました。
まあ、それはそれで直筆の重みがあるからいいとしても、やっぱりはんこがあると使い道はいくらでもあるものです。

さて今日は、クリスマスでした。
スタッフのMさんが出勤して来るや否や、クリスマスプレゼント&10周年のお祝いを兼ねてと、小箱を差し出しました。
「食べ物ではありません。」と言うので、何だろうなと思っていたら、これでした!

いやー、自分でも、もういい加減作らなくては・・・と思っていたところでしたから、この間の良さには驚くやら感激するやらでした。
それにしても楽しいはんこです。
おまけに社印だけでなく、ポイントカード用のスタンプもありました。

この次からは、ポイントカードにはこの印が押されます。
領収書や紙袋の隅にも食工房の印が押されます。
食工房も、やっと世間並みになった・・・ってところでしょうか。

来年からも、がんばります!ってか、そうなりますね。
めでたし、めでたし!
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クリスマス・イヴ礼拝

今日は、クリスマスの前日つまりクリスマス・イヴ。
世間では、今日がクリスマスのお祝いの日のように「メリー・クリスマス」を言う人もいるのですが、本当は違うのですね。
クリスチャンでない人には、別にどっちだっていいじゃない!という話しでしょう。

今日は夜、地元にある小さな教会に出かけて、クリスマス・イヴの礼拝に参列して来ました。
一度は洗礼を受けた身ですから、まあクリスチャンではある私です。
今夜も、自分たちで歌う讃美歌のハーモニーに、いつしか厳かに気持ちになっていました。

そして思ったこと。
何もキリストだけが神だと言いたいのではありませんが、人智を超える見えざる者の計らいを認めることは、人間にとって最も必要な大切なことなのではないか・・・ということ。

今日もいろいろなニュースが飛び交っています。
私たちの日常も、油断がなりませんが、そんな間にもアフリカの一角では、とても堪えられないような非人道的な事態が起ころうとしています。

でもそうかと言って、この私に、これと言って何が出来るでしょう。
今の私に出来ることは、毎日を誠実に生きること。
誠実ということの意味も厳しく自問しながら。

そして祈ることです。
遠い世界の果てで起こっていることにも想いを馳せること。
それが祈りだと思っています。
でも、それは必ず力になると。

そんなことを感じた、クリスマス・イヴ礼拝でした。
行って良かったです。

シュトレン、完売間近!

本日、最終シュトレンの製造を完了しました。
もうすでにご注文いただいている分が大方です。

残数が一桁になりましたので、ご予約の受け付けは終了いたします。
また、オンラインショップもキビタン市場店とSHOKUKO STORE の両方、在庫終了でご購入不可といたしました。
残った分は、直接食工房にお問合せいただき、その時点で残があれば購入していただけます。
どうかご了承ください。

なお、明日と明後日は定休日ですが、お問合せご注文等は受け付けております。

さあ、いよいよ残すところあと一週間余り、パン焼きは今週木曜日26日が最終です。
そして27日にスコーンとマフィンを焼いて、それで本年の製造仕事は終了です。
店自体は、29日まで営業しております。
どうぞ、最後の最後まで、食工房をよろしくお願いいたします。


ナナオサカキの命日に寄せて

私の一生の記憶に残る詩人の一人、ナナオサカキ。
こういう人と、一時でも直接交流出来たことを、心から喜ばしく思う私です。

ナナオの詩を一遍

雪の海 漕いで行く

雪の海 漕いで行く
髭に つらら
スノーシューズに スキーストック
雪の海 漕いで行く

首に 双眼鏡
サブリュックには 焙じ茶入り テルモス
狸の敷き皮 尻にぶらぶら
雪の海 漕いで行く

昔 地球は 双子星
地球Aは 太陽系に 宿を借り
地球Bは 天の河の向こうへ 飛んでった

地球Aは 今や ロボット数十億の大スラム
地球Aは 青と緑 色あせて
虹の前に うなだれる

風の便り
地球Bは
森と水 豊か
花 鳥 けだもの あでやかに
人は 虹の綾ぎぬ 身にまとい
踊りと歌で 語るとさ

地球Bへ引っ越そうと
地球Bの郵便局へ書いた 僕の手紙を
ハレー彗星に預けたのは
1986年1月
地球A 北アメリカ シェラネバダ山脈
黒樫と尾黒鹿の森の中

あれから 一年
地球Bの返事 待ちながら
雪の海 漕いで行く

今日 地球A ヤポネシア 大雪山
トド松 カラ松 造林地の蔭
細ぼそ生きる 水ナラ ドロノキ 天然の森
鳥エナガ 五十雀 カケス
つぶらな瞳に消え残る 命の炎
北キツネ エゾリス 野兎
雪に描く足跡が 仄めかす
人の世の 明日は いかに

午後 西の地平は セピアに曇り
東 シルバーグレーの山並み 天高く

風花散る 丘の高みに 歩み止め
コンパスに 地球Bの方位確かめ
叫ぶには
地球B郵便局 どうぞ
地球B郵便局 どうぞ
こちら 地球A ナナオ

高鳴る 我が胸に
今 飛び帰る 地球Bのメッセージ

カムバック エニータイム
いつでもいいから 帰って おいで

とは言え 地球Bへの道 さらに遠く
途中までのヒッチハイク ハレー彗星が
地球Aに帰るのは
2062年

それまで
髭に つらら
スノーシューズに スキーストック
雪の海 漕いで行く
雪の海 漕いで行く

1987.2

☆ナナオ本人による朗読が聴かれます。

風邪を引いておりました。

今のところ風邪も引かずと申し上げた側から、ちょっと怪しいなと思ったのが3、4日経った頃でした。
感染症だけは仕方ないと言うか、完全には防げませんね。
程度の差はあれ、必ず発病します。

今回は、忙しさが続いて疲れが溜まっていたので、やられてしまいました。
昨日は、早朝の仕込みだけして、あとは娘たちに任せて寝ていました。
でもそのおかげで、今日のシュトレン造りは最後まで無事完了。
このまま何とか切り抜けられそうです。

気が付いたら直ぐに休む、これが徹底出来ればまず大事に至ることはないわけですが、なかなかそうも行かない事情があったりして、結局長引くことになります。

昨日の判断は良かったと思っています。
娘たちには、かなり負担を強いてしまいましたが・・・。
でも、何とか・・・以上に務めを果たしてくれて、ちよっと感激してしまったバカ親です。

さて、本日は冬至でしたね。
まだまだ冬はこれからですが、気持ちは春に向かって何だか前向きです。

そんな一日、今日は、特大シュトレンの切り分けお振る舞いをしました。
本当は昨日からだったのですけど、私のせいで今日からに・・・。

×3サイズのシュトレンをズバッと半分に切って、それから3cm余りの厚みにザクザクと切リ分けて、お持ち帰りいただいたりその場で召し上がっていただいたり、数組のお客さまのご来店で、大方1本分が無くなりました。

明日は、残る1本を切り分けお振る舞いいたします。
コーヒーサービスももちろんあります。
大勢の方のご来店、お待ちいたしております。