よそ者の会津考vol.8

昨日、雪の中で何もかもが輪郭を失って丸く見える・・・、優しい表情がいいと申し上げましたが、今日になってふと思い当たったのですね。
これは、会津の人々の性格にも現われているのじゃないだろうかと。

本当は角もあるし鋭く尖ったところもあるのだけれど、それらは皆雪に覆われて見えない・・・。

初めて会津を訪ねて地元の方に接した時にまず感じたのは、礼儀正しさと奥ゆかしさでした。
本当にそれは、私が生まれてこの方、出会ったことのない不思議な感覚でした。
今日、それは雪に覆われて丸くなっている風景そのものだと気が付きました。

対して土佐の人間はどうでしょう。
嵐に吹かれ日に焼かれ、荒肌むき出しの土佐人は、いつも思った通りを口に出し、思った通りに動きます。
当然、ぶつかり合うし、摩擦が絶えません。
逆にそうやって、こすれて欠けて少しずつ丸くなって行くのですね。

土佐人の本性は、見たままそのままということがほとんどですが、会津の人々の本性に接するためには、なかなか手間ひまがかかるという気がします。
でも、じわじわと味わいが出て来るかたいパンのような・・・。

そしてまた気が付くのですね。
たどり着いてみると、土佐人と会津人は、やっぱり似た者同士かも知れないと。

今日も一日雪でした。
片付けても片付けても、あとからあとから降って来る雪。
それでも、延々と雪かたしに労を厭わない精神性というか、雪に対するスタンス。
私は好きです。