私たちは、誰を何を相手にしているのか・・・

先日、「こんな記事が目に留まりました。」とご紹介した記事<元人質が語る「ISが空爆より怖がるもの」>をお読みになられましたか?
そしてこの記事をお読みになられた方、どのような感想を持たれたでしょうか。

この記事を書いたブレイディみかこ氏のもう一つの記事があります。
<パリ同時多発テロ:レトリックと復讐。その反復の泥沼>

この二つの記事を読みながら、私は、ISに関して、私たちは、一体誰を何を相手にしているのか・・・本当に分かっているのだろうか・・・と思わずにはいられませんでした。

私たちが、彼らのテロ行為に対し断固たる態度で制裁を叫ぶ姿は、彼らにとっては祝福なのであり、ますます彼らを勢い付かせる力にしかならないとしたら、他に私たちは何が出来るでしょうか。

件の記事にもあるように、先に我々を殺すことが出来れば自分は喜んで殺されたい(または自殺したい ※自爆テロのこと)という敵を目の前にして、自己を防衛するために何が出来るのか・・・、そこはよくよく考えて見なくてはならないでしょう。

そしてもう一つ忘れてはならないことがあると思います。
それは、ISのメンバーは皆、私たちのいるこちらの社会・世界で生まれ育った子どもたちだということです。
※ISのメンバーは、ほとんどが若者だということを念頭においてください。

そして、次々と志願してメンバーに加わる若者が後を絶たないということは、それは私たちのいるこの社会・世界の病理だということでしょう。
こちら側に原因があるかも知れないという視点に立たない限り、テロを根絶することなど出来はしないと思うのですが、いかがでしょう?
それに関連して、もう一つ興味ある記事をご紹介します。
CUI BONO (得をするのは誰だ)

この記事を読んでも分かるとおり、ISから石油を買って彼らを潤しているのは誰なのでしょう?
そしてその金で武器弾薬を買わせて潤っているのは誰なのでしょう?
そうやって彼らに力を与え、ますます強大化させるエネルギーを送っているのは一体誰なのか・・・。

今や世界の脅威となったテロに対し、私たちは、誰を何を相手にしているのか、実は分かっていないのではないかと思う私です。