食工房のシュトレン

シュトレン

粉砂糖を振るのは、見た目だけのためではありません。


シュトレン

表面を、バターと砂糖で固めることによって、保存性を良くすることが出来ます。

食工房のシュトレンは、どうしてあんなに真っ白なの?とよく聴かれます。
確かに・・・、あちらこちらのシュトレンをいただく機会が何度かありましたが、食工房のように真っ白なのはありませんでした。

食工房のが真っ白なのは、それだけ沢山砂糖をかけてあるからです。
あともう一つは成形する時、ドライフルーツやナッツなど具材を入れる前に生地の一部を取り分け、外側に被せて成形していることです。

これは、恐ろしく手間がかかりますが、こうすればレーズンなどが表面に飛び出していることはありませんから、焼き上がりもきれいですし、焼け焦げたレーズン(苦いですね。)を取り除いたりすることもありません。
そして何より、後で砂糖で化粧した時、見た目がとても良くなります。

焼き上げた後4~5時間もかけて、すっかり冷たくなったシュトレンを、バターバスにどっぷりと浸けて、バターが固まらないうちにグラニュー糖をまぶします。
その状態で一晩置いてから、やっと粉糖をつけて仕上げます。

では何故それほどこってりとバターと砂糖で固めるのか?と言うと、保存性を良くするのが第一の目的です。
この保護層に守られて、中では時間と共に素晴らしい変化が起こっているのです。

まず、レーズンなどドライフルーツの水分が少しずつ生地の方に吸いだされて、全体がしっとりして来ます、
シュトレンスパイスの香りや酵母の香り、バニラオイルやラム酒の香り、また焼かれた時に表面の焦げた層に出来たカラメルの風味、ナッツの香ばしさなどが、少しずつ馴染んでバランスして行きます。

熟成したシュトレンの風味の深さの正体を、一口食べて言い当てることはまず不可能でしょう。
他のどんな焼き菓子とも違うおいしさがそこにあります。

さて、召し上がる時、砂糖はあまり取りたくない・・・という方もいらっしゃるかも知れません。
そんな時は、表面の砂糖を削り取って召し上がってください。
それでも、十分おいしいですよ。

取り除いた砂糖は、甘いのがお好きな方に譲って・・・。
あるいは紅茶に入れると、ほんのり甘くてよい香りのするお茶になります。

一度切り口が出来たあとは、そこから劣化が始まりますから、ラップをかけたりして防いでくださいね。
冷蔵庫で保存すれば、賞味期限を過ぎてもなおおいしく召し上がれます。
上手に保存して、最後の一切れまでおいしく召し上がってください。