日別アーカイブ: 2016年11月18日

スコーンのひみつ

スコーン

100%すべて腹が割れます。


スコーン

上面には何も塗っていません。

スコーンの風味と食感が断然良くなりました。
今日は少し詳しくお伝えします。

食工房のスコーンは、生地をこねる時は会津中央乳業の低温殺菌牛乳「会津のべこの乳」を使っています。
今まで、牛乳100%よりも少し水を加えた方が膨らみが良かったので、20%くらい水を加えていました。
以後、疑うことなく水を足していました。

最近になって、スコーンがうまく焼けている理由をいろいろと検証しているうちに、レシピ、下ごしらえ、生地こね、成形、焼き上げ、それぞれの中にいくつもの要因があることが分かりました。
そしてその中で、牛乳100%にした方がもっと良くなるのじゃないかと、推測するに至ったわけです。
水を足した方が良かったのは他に原因があって、それは今では解決しているので、きっと牛乳100%の方が良い結果が出るに違いないと思い、それを試したのが先日のことでした。

推測通り、カサが上がり風味も焼き色も良くなりました。
うれしいことに、今までのレシピで75個が規定でしたが、80個取れるようにもなりました。

すぐにも価格に反映・・・と言いたいところですが、牛乳の使用量が増えていますので、差し引きすれば左程の得になったわけではありません。
風味と食感が良くなったことをプラスと受け止めていただいて、価格は現行のままとさせていただきます。

話しは戻りますが、食工房スコーンの風味と食感を決定づけているいくつかの要因のうち最重要なものは、膨張剤としてベーキングパウダーではなく重曹と中和剤としてリンゴ酢を使用すること、もう一つは、バターを溶かさずに粉に均一に切り混ぜるために高速大型のフードプロセサーを導入していること、この二つです。

また生地をこねたり成形する作業中は、とにかく生地が温まらないように室温を下げること、また夏は結露に注意することです。
そのためには、可能な限り手早く時間をかけずに、いかに短時間のうちにオーブンに入れられるか、その一点にかかっています。
何しろ重曹とリンゴ酢は、合わせた瞬間から反応が始まっています。

それでも、生地はしっかりとよく捏ねます。
捏ね上げた生地は、結構硬めです。(冷たいこともあって、パン生地よりもずっと硬い)

以前に比べればずい分手早くなったと思っていますが、今でもたとえ一秒でも詰められるところがないか、体や手足の動きを厳密にチェックしています。

そしてもう一つ簡単な理屈ですが、とても大切なことをお伝えします。
抜き型で抜いたスコーンを天板に並べる時、なるべく間隔を詰めることです。

もちろん接触してしまったらアウトですが。
焼き上がった状態で、少しでも隙間が維持されていればOK 。

そして高温で一気に焼き上げます。
10分くらい。
まず間違いなく100%腹が割れます。

以上、ご自分でスコーンを焼いている方、参考になりましたでしょうか。

そして皆さま、食工房のスコーンを改めて一目おいていただければ、幸甚至極に存じます。