焚火

今日は、風のない穏やかな一日でした。
そして今夜遅くから雨になるとの予報も出ていましたので、焚火をするには都合の良い条件でした。

先日、件の荒れ放題の庭園圃場の刈り払い作業で出た、沢山の灌木や枯れ草を焚きました。

私のやり方は、とにかく安全を考えて延焼の恐れのない場所を選び、そこに燃やすものを集めて少しずつ燃やします。
そうすれば、運び出した場所には燃えるものが無くなっているわけですし、暴走しない程度に火の大きさをコントロールしながら燃やすことも出来ます。

少々時間はかかりますが、これが一番安全で確実な焼却方法です。
それに、灰を回収して畑の土壌改良の資材として役立てることも出来ます。

今日は、午後仕事が早めに終わりましたので、夕方にかけてその作業をしました。

そして予定していた分の焼却が終わりに近づいて、残った燠火が厚い火床になった頃、娘たちの手作りした人形たちのお焚き上げをしました。

その人形たちは、娘たちがまだ小さい子どもだった頃におぼつかない手先で手作りし、手垢で汚れ擦り切れるまで遊んでもらった愛おしい人形たちでした。
指先のように小さいものから、腕に抱くくらいの大きさのものまで、100体以上もありました。

もはや誰かに手渡せるようなものではありませんし、ゴミにだけはしたくないと今まで残して来ましたが、ここが自分たちの場所になったのを機会に、焚いて供養することにしたのです。

一つ一つ、誰がいつ作ったか、付けた名前や遊んだ時の役柄など、全部覚えていると言います。
その記憶が確かなうちに供養したかったそうです。

一つ一つ手に取りながら、「ありがとう、良い時間を過ごさせてもらいました。」と声をかけながら火の中に入れていました。
皆きれいな灰になって、そして神さまになって、娘たちの記憶の中で生き続けるのですね。

すべて終わった頃、あたりは真っ暗になっていました。