一年前の今ごろⅡ

今から一年前の今ごろ、新型コロナウイルス感染症における一日当たりの新規感染者数は20人前後、2月末日での累計が217人と記録が残っています。

今のこの状況からすれば、全く大した数ではないようにも思えますが、この頃すでに専門家の間には強い危機感があり、報道でも「今が正念場。」と伝えていたことを思い出します。

しかしながら、私たち市民もまた政府関係者の方々も、この正念場にどの程度本気で対処してきただろうか?を思い返すと、決して十分とは言えない、多くの反省点があることが分かります。

当時はそんな状況の中で緊急事態宣言の発出が検討されようとしていました。
そして今は、一日当たりの新規感染者数が500人を切ったからと、今回二回目になる緊急事態宣言の解除を求める声があるのですね。
何か次元が変わってしまっていると感じます。

一年前の今ごろ、上手くすれば感染拡大を終息させられるチャンスが確かにあったと思います。
それを何故逃してしまったのか、その原因を追究する姿勢が為政者の側にも欠けていたと思いますし、私たちの側にもではどうすれば良いのかと考える習慣も、実は身についていませんでした。

今施行中の緊急事態宣言も必ずしも出来の良いアイディアではないので、いつまでも続けるのもどうかと思いますが、私たちのレベルが一年前とそう変わらないとすれば、この先も何度でも流行の波が襲って来るに違いありません。

ワクチンの効果が見えるようになるのは、早くて一年後でしょう。
それまでは、いやいや、その後もですが、基本的な感染症対策を持続するスタミナが、私たち一人一人に必要なのではないでしょうか。