月別アーカイブ: 2022年10月

狩猟も大切

うちの麦畑の電気柵はまだまだ当分先まで撤去しませんが、回りでは次々と撤去が進んでいます。

中にはポール(支柱)だけ残す人もいます。
これでだけもイノシシは警戒するという話もあります。
しかし、いずれそれもバレるでしょうし、無防備の領域にはいずれ侵入は免れません。

で、一方、11月半ばからは狩猟が解禁され猟期に入ります。
イノシシなんか食べておいしいのですから、どんどん獲ればいいのですが、この頃は狩猟をする人も少なく、また残念なことに多くの人の狩猟に対するイメージは決して良いものではありません。

本当は、冬場の猟期に狩猟による圧力をかけ、春から秋までは電気柵やその他の対策で回して行けば、ほぼ理想的な野生動物との関係が維持出来るのではないかと、私は思っているのですね。

狩猟免許を、出来ることなら取りたいのですが、なかなかハードルが高いし、今からというのでは私はもう年を取り過ぎました。
それに忙し過ぎる毎日ですから。

でも、監視カメラやパトロールで獣たちの動きを探ったり、狩猟をする方と情報交換したりして、ここの場所の獣たちとの距離を推し量っています。

そうした中でいつも実感することは、狩猟者が最も深く獣たちのことを理解しているということです。
私も、その心得だけは持っていたいと常々思っています。

獣たちの動きを考察してみました

このところまたしばらくの間、獣たちの出没が遠のいています。
出るのはタヌキくらいで、彼らはだいたいいつもいるし、出会っても危険と言うこともありませんので、警戒の対象からは外れています。
ただし、圃場への侵入は許しませんが。

で、警戒対象の筆頭はまずクマです。
次がイノシシ、そしてサル、カモシカと続きます。

当集落でのこの4者の出没に関して、ここ数年間で注目に値する変化が起こっています。

一昨年は、人家の至近距離にクマが出没していました。
サルも人家のすぐ近くまでやって来て、トウモロコシが盗まれたりする被害がありました。

それが昨年は、周辺の藪の刈り払いや立木の伐採などを行ったのが良かったのでしょう、クマは人家には近寄らなくなりました。
代わって田畑にイノシシが侵入して来て、農作物に被害が出ました。

そして電気柵を設置し、周辺の藪の刈り払いをさらに徹底した今年は、クマは遠巻きに数回通り過ぎたのを確認したのみ。
イノシシは、先日一度出没した後は途絶えています。
近隣には度々やって来ているようですが。
サルも時々やって来るのですが、頻度が格段に下がりました。

その原因について思い当たるのは、まず周辺の藪の刈り払いや立木の伐採をしたことです。
次に電気柵です。
尤も、電気柵に関してはそれ自体の効果ももちろんありますが、電気柵の維持管理のために頻繁に草刈をする、毎日点検のために線路沿いに歩くなどの人の行為が、何より獣たちを警戒させていることは間違いありません。

こんな風に、そこに居住している人間たちが、日常的に何らかの対応をし続けることが、結果的に獣たちを遠ざけることは確かのようです。

つまり、獣たちに侵入されては困る領域をはっきり見定めて、その境界内に常に関わり続ける姿勢を持つ、つまり縄張り宣言ですが、これを獣たちに対して絶やすことなく主張することが肝要というわけです。

これをほぼ一時の油断も無く続けなくてはならないのは、なかなか骨の折れることですが、自然の豊かな場所に暮らす以上、心得ておかなくてはならない掟なのだろうと思っている私です。

おいしいは、畑から始まる

私たち日本人は、お米のおいしさにはうるさいのですね。
一頃、そして今でも、コシヒカリは断トツの人気銘柄です。
新米の味わいにこだわる傾向も、しっかり根付いています。

一方、パンに関して小麦の品種や銘柄にこだわることがあるだろうかと思った時、さっぱりそうした情報に触れることはありません。
製粉会社でも、小麦の品種を明確にすることなどほとんどありませんし。

ま、それは置いて。

食工房では、自前の圃場でライ麦やスペルト小麦などを収穫して、パンの原材料として使用しています。

で、今年のライ麦とスペルト小麦の作柄が大変良好で、その恩恵がパンの風味にはっきり現れているのですね。
特に配合割合の高い、プンパニッケル、スペルト小麦丸、堅焼き黒パンなどで、それを感じます。
穀物のおいしさと満足感が今までとは違う感じがしています。

毎日の食事でそれを感じながら思うことは、おいしいパンを焼くには良い粉が必要、良い粉を挽くには麦の出来が良くなくては、そのためには畑の土を肥やさなくては・・・なのですね。

つまり、おいしいは、畑から始まる!ってことです。
食工房の自前ではありませんが、小豆も大麦もエゴマもすべてその例に漏れません。

今回は、おいしいかぼちゃをいただきましたので、今度出来るかぼちゃあんぱんもやっぱり畑から始まっているおいしいなんですね。

それから今日は、例の少年たちが播いた小麦がいい具合に育って、少年たちに教えながら麦踏みをやりました。

二週間前に種を播いて、何も無かったところにちゃんと麦が育っているのですから、彼らのそのうれしさや驚きは、はたで見ていても分かります。

来年夏には、必ずや収穫の成功体験に導いてやりたいと思う私です。
そして、畑ってすごいな、いいな、と思う気持ちが芽生え育ってくれることを願っています。

本当は、おいしいは、そんな子どもたちが育つところから始まるのかも知れません。

麦ラボ

弟君は、両足で2列踏みに挑戦


麦ラボ

お兄ちゃんは、確実に踏み残しが無いよう1列ずつ踏んでいます。


麦ラボ

終わった後の達成感と自信が見えるようですね。

かぼちゃあんぱん、代打で再開

今年は例の豪雨災害で、自家産のかぼちゃが全滅してしまいました、
残念ながら、かぼちゃあんぱんは製造休止とお知らせしていました。

これまで、かぼちゃあんぱんのあんに使うかぼちゃは、自家産にこだわって来たからです。
家のかぼちゃが全滅した事を知っている、近所の小豆を作ってくれているおばあちゃんが、かぼちゃがいっぱい出来て余っているんだけど使わねえか?と言ってくれました。

自家産ではないけど、地元産それもおいしい小豆を作ってくれているおばあちゃんの作ならいいのじゃないかと言うことになり、先ずは味見をさせてもらいました。

結果は、味も食感も申し分なしでした。
そこで、急遽かぼちゃあんぱんを再開することにしました。

それに伴い、小豆のあんパンを一時休止してかぼちゃあんぱんと交替します。

これからかぼちゃの加工をしますので、また改めてご案内いたします。

かぼちゃあんぱん、どうぞお楽しみに。

初霜

麦ラボ

初霜 2022.10.27 6:40AM


麦ラボ

初霜 麦踏み後3日目 まだ再起していませんが、大丈夫!
ライ麦は、殊更寒さに強いです。


麦ラボ

初霜 水滴もあります。ちょうど氷結への臨界点だったようです。
なかなか興味深い瞬間をとらえることが出来ました。

今朝は、午前3時に起き出して、食工房の作業場に移動しました。

外に出ると、快晴の空に満天の星空が広がっていました。
真南にはオリオン座とおおいぬ座のシリウスが見えていました。

昨日の予報で「明日の朝は、この秋一番の冷え込み、初霜も見られるでしょう。」と伝えていましたが、午前3時頃はまだまだ気温が下がって行く途上の時間帯ですから、さほどの冷え込みには感じられませんでした。

しかし、これはいつもの倣いなのですが、最低気温は夜が明けて日が昇ってくる直前の頃に観測されるものなのですね。
霜が降りるのも、意外にも夜が明けた後だったりするのです。

今朝もそのとおりで、薄明るくなり始めた頃はどこにも霜なんか降りていませんでしたが、もっと明るくなって山の稜線に日が当たる頃、気がつくとあたりは真っ白な霜でした。

麦畑に行ってみました。
麦たちの上にも一面に霜が降りていました。
麦たちは寒さにはけっこう強く、むしろ霜の朝を喜んでいるようにさえ見えました。

そして面白いことに、今朝の霜は、氷結の臨界点付近で辛うじて霜になったもののようです。
近寄って見ると、水滴が沢山ついていて、その一部が氷結している様子が見て取れました。

こんな風に晴天続きでも、夜露や霜が植物たちにとって貴重な給水システムの役割を果たしているのですね。
麦たちは、ますます勢いを増して育っています。

小春日和

麦ラボ

定点観測20221026
第2圃場のライ麦がはっきり筋になっているのが分かります。


麦ラボ

中島第2圃場のライ麦
昨日麦踏をして、1日が経過したところ


麦ラボ

中島第2圃場のライ麦
麦踏み後1日経過


麦ラボ

中島第4圃場 南部小麦
麦踏み後4日経過



麦ラボ

中島第5圃場 ライ麦
昨日(10/25)麦踏みしました。


麦ラボ

中島第6圃場(手前)、第7圃場(後方)
いずれもスペルト小麦


麦ラボ

中島第8圃場 スペルト小麦


★画像の中で、中島第4圃場以外はすべて8月の豪雨災害で泥水に浸かっています。

何度もこのタイトルを使っていますが、今日もまさに小春日和と呼ぶにふさわしい穏やかな晴天に恵まれました。

正直、屋内で仕事なんかしたくないと思いました。
麦踏みしてお茶飲んで、また麦踏みしてお茶飲んで、そうやって一日が過ぎれば最高だなと。

でも、そうも行かなかったのではありますが。
麦畑の写真だけは撮って来ました。

朝も、日中も、そして夕方も、今日はしみじみここの暮らしがありがたいと思う一日でした。

明日は、また定休日明けの木曜日、パン焼きです。
収穫の恵みパンセットのご注文をいただくようになって、仕込み量が多くなっています。

気合いを入れて手際よく進めないと、パン生地の発酵に追い付かれてしまいます。
がんばらなくては・・・。

皆さまのご来店も、お待ちしておりますよ!

重機農法!?

食工房

重機の登場です。


食工房

これで全部です。
順調に行ったのの4分の1くらいかも知れません。

今日は予定通りさつまいも掘りでした。

何しろ圃場には、厚さにして20~30cmもの重たい粘土質の土砂が堆積しており、これを取り除いた下にいもが埋まっているわけですから、人力では捗りません。

そこで、重機の登場となりました。
ご近所さんのバックホウを借りました。
少々荒っぽい作業になりますが、止むを得ません。

それにしても、農業の機械化はどこでも見られますが、重機まで導入すると「重機農法」だと冷やかされるのですね。(有機農法にひっかけている)
まあいいじゃないですか。
私、機械が大好きなんで。

で、大げさな仕掛けだったわりには、収穫は大したことはありませんでした。
尤も、一度濁流に呑まれて蔓が枯れているのですから、そこから再生してこれだけでもとれたのは幸いと言うか大したものだと思います。
柚子きんとん丸も、限定数ながら製造出来ると思います。

今日は、芋掘りの他圃場の片づけや麦踏みなど、娘たちも活躍してくれました。
借りた重機を洗浄して給油してお返しする頃には、もう夕闇も迫る時間になっていました。

冬に向けて

秋も深まって来ました。
紅葉も始まっています。

この季節、しなければならないことは沢山あります。
降雪に備えて雪囲いの設置、畑では秋野菜の収穫、冬の間雪の下になっては困るものを片付けたり対策をしたり、わが家では麦踏みも今頃の恒例行事です。

明日と明後日は、食工房の定休日です。

明日はお天気も良いようなので、麦踏み、さつまいも掘りなど、夕方暗くなるまでやる事がいっぱいです。
でも、気持ちの良い秋の一日を外で過ごすことが出来るので、何の憂いもありません。

あと、通信の編集もやろうと思っています。
秋の夜長は、デスクワークには持って来いですから。
好きな音楽をBGMに、温かいお茶をすすりながら。
昼畑夜机、そんな熟語は聞いたことがありませんが、今の私です。

ワインケーキ

食工房

新鶴ワイナリー


食工房

新鶴ワイナリー館内


食工房

新鶴ワイナリー館内


食工房

直径18cm ワインの赤い色を感じる仕上がりになっています。

今年の冬の頃、娘たちがワインケーキの試作を重ねていたことを記事にしていますが、その後も折々に試作を繰り返し、レシピは完成していました。<参照>

ただし、ワインに関しては候補がいくつかあり、絞り切れていませんでした。

そうしたところ、会津にあるワイナリーで福島県内のワイナリを一堂に集めたワインフェスが開催されるとの情報を掴み、開催日の今日、会場まで出かけて来ました。

そこは新鶴ワイナリーがある場所で、主催も新鶴ワイナリーでした。
ここの従業員のお一人が、実は食工房の以前からのお客さまで、ワインケーキのこともありましたので、いつかワイナリーにお邪魔すると約束していたのでした。

そのような経緯もあり、今日はちょうど良い機会でした。
会場は大変なにぎわいで、イベントは大成功のようでしたが、コロナのことがちょっと心配でしたから、お目当てのワインを数本買ってすぐに出て来ました。
あとは、新鶴ワイナリーの本館に行き、ご挨拶だけしてお暇して来ました。

そして帰宅後、早速ワインのテイスティングをしてみました。
どれもはっきり分かるくらい個性の違いがありましたが、食工房のワインケーキが必要とするパフォーマンスを備えたワインは、私と娘二人の意見が一致して、新鶴ワイナリーの一本に決まりました。

これから、パッケージデザインや価格などを決めて、発売にこぎつけたいと思っています。
どうぞお楽しみに。