昨日も申し上げた通り、今日のパンはとても良い出来でした。
で、昨日、何故それが分かっていたかと言うと、酵母です。
パンの出来は、ほぼ100%酵母の状態に左右されます。
活力を増しながら増殖する酵母種の様子から、これから焼くパンがどうなるかは、もう見えています。
初めて天然酵母に触れてから36年。
この間、独学ではありますが、発酵という現象にずっと付き合って来ました。
今でも分からないことは沢山ありますが、自分のパンに関しては、ほぼ完全に把握しています。
たまたま出来が悪かった時も、その原因が分からないなんてことは、もうありません。
以前にも申し上げましたが、酵母の仕事は完璧です。
絶対に、私を裏切ることはありません。
結果が悪い時は、100%私の方に原因があります。
パンづくり・・・、とてもいい仕事です。
★2011年9月17日の記事から
「酵母は裏切らない」
今日も、早朝からパン生地をこねていました。
昨日から準備しておいた我が酵母君は、夜の間に糖分を喰いつくして発酵が止まりかけるくらいの飢餓状態。
そこに、糖分を与えると30分ほどの間に、全く劇的な様子で息を吹き返します。
思い起こせば22年前、阿武隈の山中の沢水から取り出し培養し続けている我が酵母は、
14年間の山暮らしの間、その沢水で生かし続けました。
会津に来てからは飯豊の湧水で養っていますが、阿武隈山中の沢水由来のDNAが未だに残っているはずです。
それを思うと、とても不思議な感動的な気持ちになります。
さて、会津に来てもう8周年、我が酵母によって焼かれたパンの数がどれほどになったか分かりませんが、この頃はもうすっかり気心が知れたと言うか発酵の様子を見ただけで、パン生地をこねる前から今日のパンの出来が分かります。
私が、面倒くさがって手を抜いたりしない限り、我が酵母君は絶対に私を裏切ることはありません。
出来ないと思っていたあんぱんも、先ずはかぼちゃあんぱんでうまく行きそうです。
パン屋稼業、やればやるほど奥が深くなって行くような気がしています。