人は、組織を信用出来ない

3.11以来、特に強く感じていることがあります。
それは、組織というものは根本的に信用出来ない、気が置けないと言ってもいいですが、人は一人の人としか向かい合えないという実感です。

「私たちが・・・」「私どもは・・・」と言う時、必ずそこには責任の所在をあいまいにする意図があるように思います。
「私が・・・」「私は・・・」と言えば、それはもう明確でどこにも逃げ場はありませんから。

福島の原子力災害の当初、原子力安全保安院なんて組織があったことを初めて知りましたが、あの人たちの取った行動を覚えていらっしゃるでしょうか。
政府と言う組織もまた、どんな対応をしていたか・・・。

私たちの日常からはるかに遠いところにあって、強大な権力を持った巨大な組織は、結局、私たちの信頼に応えることはありませんでしたし、多分これからもないでしょう。
集団におけるモラルは、構成員個々のそれよりも必ず低下すると言うのは、心理学の常識でしたね。

私はパン屋という商売をしています。
あの時実感したことは、これからは益々、一対一の人間関係の中でしかモノは売れないだろうということでした。
実際そのとおりで、例えば県などの大きな組織が懸命になって努力しても大した成果は上がらず、結局、個々の生産者・製造者の苦境は、自分自身で解決するしかないのか・・・と感じたものです。

今年、やっと回復の兆しが見えたとご報告申し上げましたが、一人一人の方々との関係を大切にする中で得られた成果だということは、もう間違いありません。
たとえインターネットの時代にあっても、一人一人のお客さまの顔が見えていなくては、決して売り上げには結びつかないということなのですね。

一方また委託販売の現場にあっても、先ずは取り扱い担当者の方との顔の見える関係の中で、最大限私の製品を理解してもらうこと、何より好きになってもらうことが大事です。
そして販売現場では、お客さまとの一対一の関わりの中で丁寧な商品説明や提案がなされること、それがちゃんと実現出来ていればモノは必ず売れて行くのですね。

直接良い顧客に巡り合うためにも、また良い取引先に巡り合うためにも、出会った方々のそれぞれの人となりに、一対一で丁寧に接する心がけを忘れないようにしたいと思います。

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