バター不足の事態、再び

これまでに何度かバターが品薄になって、シュトレンの製造に支障が出るかも知れないと、危惧したことがありました。
しかしその後昨年と今年の今まで、バターの仕入れで困ることはありませんでした。

ところが昨日、いつも仕入れでお世話になっている食材屋さんから、実はバター不足が深刻だと知らされました。
ネットで調べてみたら、やはりバター不足は続いていたのですね。
たまたま、食工房の注文には応えていただいていましたから、いつの間にか危機感を無くしていました。

日本国内の酪農の実態は、相当厳しいことになっているようです。
輸入穀物飼料の高騰などで経営が成り立たず、離農する酪農家が続出しているそうです。
北海道では、昨年一年間で200軒が離農したとか。
生産基盤の弱体化は、すでに深刻な状況となっているのですね。

おまけに、バターやその原料のクリームは、おとなりの中国が急速に需要を伸ばしていて、日本は国際市場で買い負ける状況も危惧されているそうです。
今までなら、国内産がダメなら輸入すれば良いで済んで来たのですが、これからはそうは行かないということなのですね。

いや、乳製品だけじゃないでしょう。
穀物や豆類、肉なども、どんどん厳しい状況になって行っていると思います。
食べる人は増え続けているのに、現場でつくる人は減り続けている。
これでは、食糧危機が現実となります。

工業立国、食糧は輸入に頼れば良い、そんな考えで進んできた日本ですが、近い将来とんでもない痛い目に遭うことは、このままでは避けられそうにありません。
これで当分どころかずっと先まで、バター不足は常態化するということですね。
せっかく売れ筋になって来たスコーンの製造への影響は、どうやら避けられないかも知れません。

今から生産基盤の強化に動いたとしても、成果が見えだすのはいつのことでしょう。
そして、価格はどうなるでしょう。
にわかに落ち着かない今日の私です。

バター不足の事態、再び」への2件のフィードバック

  1. MIKIO AOKI 投稿作成者

    さいとうさん、コメントありがとうございます。
    農業に経験がおありなんですね。
    土の大切さに気付いていらっしゃることは、とても貴重だと思います。
    そういう方が増えれば、それだけでも世の中は変わるのにと思います。

    放射能が降ったその土の上。
    でも、放射能を抱え込んで、水や作物には移さないのが土の力です。
    すごいです!
    人間の体にも、未知の力があるかも・・・ですね。
    「信じる力」が信じられるような気がするこの頃です。

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  2. さいとう

    知り合いの酪農家に話をきいたことがあります。
    牛乳が余ると廃棄させられる。しかもお金を払って。バターが足りないからもっと牛を増やせと。むちゃくちゃです。えさ代が高くてお金を食べさせているようなもんだと。70過ぎていますが、後継者はいません。

    野菜も値段が高騰して(ブランド品を買える日本人は、高騰してもたかが知れてると思いますが)商社が輸入します。そしていつの間にかいつでも輸入OKになってしまいますが。

    家庭菜園に毛が生えたような私が、農業やっていきたいと言うとすごい数のスカウトが来ます。しかも、熱心に何回も。こんな素人に・・・本当に人材不足なんです。
    農業大学校に週末だけ数回通いましたが、経営というと普通にやっていては成り立たないなと思います。作りたいのと買いたい側に考え方の開きがあるし。

    いつまで国産のものを食べられるのか不安です。

    3.11の後、3か月以内に福島に行ったけど、鼻血もでないし、倦怠感もなかったです。放射能もこわいものですが、それ以上に一番こわいのは、人間ですね。本当に愚かな生き物です。それを忘れてはいけないですね。

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