日別アーカイブ: 2016年10月12日

風評被害、今更に・・・

今朝のNHK県内ニュースで、私たち生産者としては大変気になる情報が流れていました。
福島県産の食品が、相変わらず風評被害にさらされているという内容でした。

実は東日本大震災後、消費者庁が全国の主要都市の消費者を対象に、食品における残留放射能のリスクに対する意識調査をしています。
第1回の平成25年3月から今年10月まで、半年に一度合計8回の調査の結果が公表されています。※1

この10月の調査の結果を見て、特に注目したいのは、福島県産の食品が放射能検査を受けていることを知らないと答えた人が、34.8%(3人に1人以上)もいたということです。
この数値は、調査開始以後、若干の起伏を伴いつつも少しずつ増えています。
そして、福島県産の食品の購入をためらったり避けたりする人も16.6%いて、こちらは調査開始以後微減傾向ですが、前回の調査比では0.9%増です。

その他の項目も合わせて全体から見えて来るのは、消費者の方々の関心離れの傾向と、その一方で何となく気分的に福島県産を敬遠しているという傾向です。
日々努力している私たちとしては、大変ショックと言うか、言葉を失う結果です。

一方、人の関心なんて案外そんなものなのかも知れない・・・、とも思います。

もちろん今後も、検査は継続して受けますし、情報の公開もして行きます。
しかし、やたら声高に叫んでも、届かないものは届かないし、伝わらないものは伝わらない・・・。
限界を感じます。

出荷量が、5年経った今でも震災前の半分以下という生産者は、少なからずいるのです。

残留放射能の害は、もはや実体は無くなっていると言って良いのですが、その印象だけが風のように漂って、人々の心に不安をまき散らしているのですね。
まさに風評被害、今更に・・・という実感です。

※1 詳しくご覧になりたい方は、消費者庁のホームページの「食品と放射能に関する消費者理解増進の取組」のページを参照してください。<参照>