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賞味期限に物申す・再録

カネリプッラ

カネリプッラ
フィンランドスタイルのシナモンロールです。

食に関し、相変わらず何かにつけ物議を醸しているのが「賞味期限」です。

近頃は、廃棄食品のあまりもの量の多さが、社会問題になっています。
そういう時、賞味期限を一日でも過ぎたら食べられない、食べない方がいい、捨てるべきだ、否、そうではない・・・等々、様々な言説が飛び交う割には、確かな解説にはついぞお目にかかったことがありません。

正直、昔みたいに製造年月日を明記して、あとは手に取った人がそれぞれ自分で、それを購入するかどうか、食べるか捨てるか、自分で考えて判断すれば良いことだと思うのです。

実は私、すでに9年前の2008年2月に、「賞味期限に物申す」と題して記事を書いています。
再録いたしますので、ご一読願えればありがたく存じます。


賞味期限に物申す。

食品商売をしていると、否が応でも賞味期限のことがいつも気にかかります。
食品に関わるトラブルの大半は、この賞味期限をめぐるものだからです。
そもそも、賞味期限というものが正しく認知されていないことが根本原因だと、私は考えています。

で、賞味期限は、これはあくまで目安に過ぎないということを、みなさんどうぞしっかりと覚えておいてください。

製造日は、はっきりその事実があった日として確定的ですが、賞味期限は確定不可能な概念です。
その食品の保存状態如何で、どのようにも変化してしまう賞味期間を、期限をつけて保証しろというのは、どだい無理な話です。

そこで私たち製造者は、いつも大きな矛盾に苛まれることになるわけです。
事故のリスクを背負わないためには、賞味期間は短い方が良く、売れ残りのリスクを背負わないためには長い方が良いという、相反する二つの条件の間で、苦渋の判断をすることになります。

実際保健所の指導では、賞味期限は、その食品のことを最も良く理解しているはずの製造者が、自分で判断して決定することになっています。
決して、「食パンは何日」などという、ガイドラインがあるわけではないのです。
ですからたいていは、絶対大丈夫だと思える期間よりは、大分短めにしているというのがほとんどです。

その証拠に、私などはいつも賞味期限切れの売れ残り品を食べています。

製造物責任法を背景に、この賞味期限というものが持ち出されて来たわけですが、食品に関してのその意味は、期限内に起こった製品の損傷は製造者が責任を持つ、期限後は購入者の責任ということになります。
賞味期限を過ぎたものが、ただちに不可食かどうか、それは全く関係のない話だということを、ご承知いただきたいと思います。
<元記事>