月別アーカイブ: 2018年10月

秋深まる

麦ラボ

中島第二圃場のライ麦の芽が出ました。


麦ラボ

広い面積なので、思わず「オーッ!」と声が出ます。


麦ラボ

中島第一圃場のライ麦です。
どんどん育っています。
間もなく麦踏みです。

ここ数年来、私の心に一番しっくりする季節が丁度今ごろ、秋も深まる10月から11月にかけてです。

小春日和と時雨が交互にやって来て、少しずつ冬に向かって寒さが忍び寄って来る、そんな季節に自分の年齢や人生最後のステージを重ね合わせて、いろいろと想いを巡らせています。

それにしても今年は、余りにもたくさんの出来事が重なって、10年分を生きたような気がします。
しかし、食工房の移転が完了して営業再開すれば、そこから先は年末に向かって忙しいながらも、やっといつものペースに戻っていくのかな・・・と思っています。

今日は夕暮れ時、さほど冷たくはありませんでしたが北寄りの風が吹き、風に乗ってポツリポツリと落ちて来る雨粒に、何か特別な癒しを感じた私です。
その後本降りになった雨は、芽吹いたばかりの麦には恵みの雨となることでしょう。

雨降る夜の暗さにもまた、癒しを感じます。
どうやら風邪も通り過ぎてくれたようです。

感無量

食工房

オーブンが定位置に収まりました。
やっとここまで来たと、感無量の瞬間です。


食工房

ミキサー(パンこね機)も定位置に設置

本日は予定通り、機械設備の移動を実施することが出来ました。
朝一番から、昨日に続いて準備を整え、業者さんの到着を待って作業開始となりました。

一番重いオーブンの運び出しに苦労しましたが、何とかトラックに乗せることが出来ました。
ミキサーやその他の機械設備も無事にトラックに乗せ、新工房に運んでもらいました。

そしていざこちらで降ろそうとなった時、付近の電線が邪魔になり、クレーンで釣り上げることが出来ないことが判明。
用意していたフォークリフトの出番となりました。

結局、重量級の機械設備は、すべてフォークリフトで降ろして、そのまま建物の直近まで移動。
いろいろ難航しましたが、それでも午前中で完了させることが出来ました。
私も、一応経験があるとは言うものの、今日はクレーン操作とフォークリフトの運転を引き受けました。

食工房の機械設備はほぼ全てが中古で、最初は15年前に遠くいわき市から運んできたものです。
今回は二度目の移動というわけで、移動に伴う振動やショックで壊れていなければいいがと、一抹の不安はどうしても拭えません。

終わった後、ホッとしたのとくたびれたのと、まだこの後試運転して壊れていないことが確認出来るまでは安心出来ないとの不安が入り混じって、放心と脱力でしばらくボーっとしていました。

あとは無事を祈るとしましょう。
明日からは、機械の清掃も仕事になります。

とにかくも、やっとここまで来ました。
娘たちや連れ合いと「ここでパンを焼くんだね。」と話しながら、「本当に・・・?」何だか信じられない私です。

明日の準備

明日はいよいよ機械設備の移動です。

今日は旧工房で、機械設備の清掃や必要な個所の分解などをしていました。
電気を止めていましたので、明かりや電動工具のために発電機を借りて来ました。
風邪気味の体で決して万全ではありませんでしたが、上の娘と二人で、だいたい必要なことは済ませました。

明日は少し早めに起き出して、新工房の受け入れ準備をします。
近所の方からフォークリフトも借りています。
業者さんが来たら、立ち合いながら機械設備の移動です。
明日のうちに、搬入設置まで完了の予定です。

麦ラボ

中島第一圃場のライ麦です。
期待以上にたくましく育っています。


麦ラボ

中島第一圃場のライ麦
もみ殻燻炭を撒きました。
効果があると思います。


麦ラボ

中島第一圃場のライ麦
もう少し育ったら麦踏みします。


麦ラボ

麦踏みから3日目にしてこの勢いです。
スペルト小麦の生命力に驚きます。
そしてまた、ここは土がいいのですよ。
長年の努力の結果です。

一方、今朝の雨で、麦畑も一段と勢いづいて来ました。
中島第一圃場のライ麦、高野圃場のスペルト小麦は、目を見張る成長ぶりです。

中島第二圃場のライ麦とスペルト小麦は、発芽が始まっているようです。
ところどころ、爪楊枝の先端ほどの芽が地面から突き出していました。
あと数日たてば、はっきりと発芽しているのが目に見えると思います。
楽しみです。

今年は、まだまだ暖かさが残っていて、播き遅れた麦にとっては救いになっています。
うまく育って欲しいと、このあとの天候を気にしている私です。

いよいよ最終工程

本日、ステンレス張りの工事がほぼ終わりました。
明後日は、機械設備の移動です。
そこから先は、夜も寝ないでとは言いませんが、寸暇を惜しんで改装工事の最終工程に入ります。
営業再開に向けて、一気に加速します。

それでいつから営業?ですが、そこは今一つ読み切れません。
何しろ一度に幾つもの工程が同時進行しますので、どこでトラブルが発生するか分からないからです。
保健所の検査も、申請後何日くらいで実施されるか、これもしてみないと分かりませんし。
まあしかし、そんなに遠くないうちに営業再開出来ることは、間違いないと思っています。

そんな折も折、またしても風邪が回って来ました。
一昨日あたりから怪しかったのですが、今日はどうしても緊張感が持続せず、ミスが続発しました。
おかげで、一つしかない材料を無駄にしてしまい、予定していた工程を完了することが出来ませんでした。
この後は早めに休んで、明日は少しゆっくり始めたいと思っています。

ところで、こんな時でもライ麦やスペルト小麦のたくましい育ちに元気づけられています。
つい先日麦踏みしたばかりのスペルト小麦は、早や今日は起き上がり始めたと、娘の報告です。
中島第一圃場のライ麦も、たくましく育っています。
明日は画像をお見せしたいと思います。

ではでは。

小麦のことを知らないパン屋、パンのことを知らない農家

タイトル通り、それが世の中の大方のパン屋と農家の認識です。

パン屋は、製粉会社が提案し売り込んで来る小麦粉の中から気に入ったものを選ぶ、農家は、農協や県が奨励する品種あるいは業者が高く買い付けてくれる品種などの中から条件に合ったものを選んで作付けする、まあそのあたりに終始するのが普通です。

パン屋にとって良い小麦粉とは、吸水率が高く扱いやすいパン生地が出来て、食感の良いパンが焼ける、なおかつ風味が良好、価格も安い、これに尽きます。

一方農家にとって良い小麦とは、収量が多い、病虫害に強い、県や農協が奨励していて種が手に入りやすく、奨励金も高いなどが条件です。

そしてパン屋と農家の間にいるのが製粉会社ですが、彼らは彼らで、考えていることは会社の利益です。
パン屋にとっても、農家にとっても、自分たちの望みを叶えてもらえない都合があったりします。
例えば、特定の農家限定の小麦粉などは、まず不可能です。

こういった体制で一番問題なのは、農家はどんな小麦を作れば本当においしいパンづくりに貢献出来るのか、またパン屋はどんな小麦にどんな性質があるのか、そんな一番重要な情報がほとんど共有されていないことです。

食工房が、麦の栽培に手を付け始めて早や10年近くになりますが、年々、小麦はもちろんのことその他の麦についても認識が深まり、すでに次元が違うところに来たと感じるまでになっています。
パン屋と農家、両者の都合を良く知ることで、最終製品であるパンや焼き菓子などの出来が良くなることは確かです。

ここで言う「良い」とは、健康な体の養いに貢献出来ること、満足感のある風味や食感を備えていること、且つ健全な味覚を養う効果もあることです。

麦の勉強もして農作業も体験して見ること、それはパン屋にとって必須なんじゃないかと思うこの頃です。
そしてまた、農家もパン屋に来て話しをしたりパン焼きを体験したりして欲しいと思いますね。

その点食工房は、意欲的且つ協力的な農家さんに囲まれて、理想的な条件が整いつつあると思っています。
先が楽しみです。

営業再開、もうあと少し。
どうぞお楽しみにお待ちください。

麦踏み

麦ラボ

第二圃場の広さがお分かりいただけると思います。


麦ラボ

中島第二圃場の残り半分に、スペルト小麦を播きました。


麦ラボ

一番先に播いた、高野圃場のスペルト小麦です。
麦踏みが終わった状態です。


麦ラボ

地上部を完全に踏みつぶす感じです。


麦ラボ

横歩きで足先の巾ずつ移動して行きます。
同じところを二回ずつ踏むことになります。


麦ラボ

踏み加減をコントロール出来るよう、踵で踏むのを避け横向きになってつま先から土踏まずのあたりまでを乗せて踏んで行きます、

本日は、中島第二圃場の種まきを終わらせ、今年の種まき作業は終了となりました。

順調に発芽生育すれば、来年の夏はうれしい忙しさに興奮するはずです。
先ずは、芽が出てくるのを見ないことには・・・。

そして先に播いたスペルト小麦とデュラム小麦の麦踏みをやりました。
播いた時期が早かったのと土壌が良好だったことが功を奏して、たいへん順調に生育していて、若干育ち過ぎかも知れません。

夕方の一時、せっかくここまで育ったのではありますが、地上部を完全に踏み潰しました。
しかし、これが刺激となって地中深くに根を伸ばし、倍旧の勢いで盛り返してくるのが麦の特長なのですね。

こうして冬が来るまでにどのくらいまで成長させておくかによって、冬雪の下に埋もれる前と春雪融けの頃、凍結や水没に遭って根腐れを起こして死んでしまう危険を避けられるのです。
品種によっては、麦踏みの他に土寄せも必要です。
そしてそういった面倒見が良ければ、飛躍的に収量も多くなるのですね。

今日はまだこの他に、ライ麦を播いて発芽生育中の中島第一圃場にもみ殻燻炭を撒きました。
もみ殻燻炭は、近所の農家さんからいただいたものです。
沢山いただきましたので、他の圃場にも撒こうと思っています。
燻炭は、蟻避けになるそうです。

一方建築作業ですが、こちらもどんどん進めています。
ただ、業者さん頼みの工程が、業者さんの都合で先延ばしになっていて、ちょっと気をもんでいます。
今、そこがネックで先に進めない部分が出ています。
とりあえず、先に出来ることをしています。

毎日毎日目いっぱい動いて、夜が来る頃にはクタクタです。
でも、こうしてブログを書くのが。時に気分転換になります。

また明日もがんばります。

今シーズン最後の種まき

麦ラボ

後ろから押すだけではうまく進まないので、前からも引っ張っています。


麦ラボ

何とか整備出来た中島第二圃場
畔を境に右側は、整備中の中島第三圃場です。

今日は、午後からでしたが、今シーズン最後の麦の種まきのために、中島第二圃場の整備を仕上げ、続けてライ麦の種を播きました。
スペルト小麦も播きたかったのですが、日が暮れてしまいましたので、明日に持ち越しとなりました。

今回、新しい種まき機を入手して臨みました。
と言うのは、前回借りた種まき機は、播き溝を切るのにくさび型の部品が付いていましたが、土壌の質によっては抵抗が強すぎて前に進めなくなるのですね。

それが回転する円盤型の溝切りパーツだと、多少の障害物があってもスムーズに前進して行きます。
今回は、前後の車輪も直径が大きく、元水田のような柔らかくても重たい土壌に対応出来る機種を選びました。

それでも、稲の切り株にぶつかり前方に土を抱え込んで進めなくなる場面があり、ロープをかけて前から引っ張ることでうまく行きました。
時期的に限界を過ぎたかも知れない季節になっていますが、何とか無事に発芽して育って欲しいと、祈る気持ちで種を播きました。
日暮れまでに半分程度の面積を終えたところで、本日の作業は終わりにしました。

明日また続きをやります。
明日は、スペルト小麦です。

今日は、半日ずつ建築作業と農作業に時間を振り分けて、どちらも目いっぱいで正直くたびれました。
また明日もです。

野生のクルミ

福島県を含む南東北の一帯は、クルミが自生しています。

このクルミという植物、狭い日本の中にあってもどこにでもあるというものではありません。
意外に狭い緯度帯(気候帯)しか適応出来ない植物なのですね。
しかも生息は水辺に限られます。
その点、会津は絶好の環境らしく、ほとんどどこにでも自生しています。

で、この季節、大きくなったクルミの実が木の上からぽたぽたと落ちて来ます。
上の娘は、少しでも時間を見つけてはクルミ拾いをしています。
クルミは、一斉に落ちるのではありませんので、コツコツと暇を見つけながら集めることが出来ます。
いつの間にやら、バケツに何杯ものクルミが集まっていました。

これの外皮と果肉を腐らせて取り去り水洗いして乾かせば、かたい殻に入ったクルミを得ることが出来ます。
そして今度は、その殻を割って中身を取り出すのですね。
以前、このブログでも記事にしています。<参照>

それで最近分かったことなのですが、このあたりには食用に利用出来るものとして、オニクルミとヒメクルミの二種類があり、ヒメクルミの方が殻の中の中身を取り出しやすいのですね。
オニクルミより若干小ぶりですが、味はオニクルミと変わりありません。
そこで娘は、最近ではヒメクルミを優先的に拾い集めています。

こうして集めたクルミは、みのりのパンやくるみびすけっと、森のパン屋のビスケットなどの素材として利用します。
何と言っても、輸入物の菓子クルミよりも濃厚な味わいがあります。

営業再開したら、早速にもこのクルミを使ってパンやビスケットなどを焼きます。
あぁ、早くパンを焼きたい!

今日も、建築作業が進んでいます。

現代農業、購読

現代農業

幾つになっても、知るはよろこび、学は楽しみです。

今月から、現代農業という雑誌を購読しています。
一年間の定期購読を申し込みました。

この現代農業という雑誌、ずっと前のことですが、折々に書店で買って読んでいたことがあります。
その頃は農業に興味はあっても、実際に耕作はしていなかったし、そんな環境も整っていませんでした。
しかし、現代農業から伝わって来る情報は、私にとってはいつも興味津々でそそられるものがありました。

そして今年、念願の自宅と農地が縁あって私たちの手にあずけられることになり、また農文協(農山村文化協会・現代農業刊行)から執筆のチャンスもいただき、機が熟したとでも言うのでしょうか、現代農業の年間購読を決めました。

今日、購読一回目の号が手元に届いて、早速興味深い記事の数々を走り読みしました。
驚いたのは、以前と違って実際に耕作するようになった今、受け取る情報の量も質も全く次元が違う感じがしたことです。
当然と言えば当然ですが、改めて土に関わるこの仕事の魅力や大切さを思わずにはいられませんでした。

六十代も後半になって、また新たな学びと実践の機会を得られたことに、大きな喜びと感謝の気持ちがわいて来ます。
これから先死ぬまで、人生最後のステージの幕が開いたと思っているところです。

恵みの雨

今日は、夕方から雨が降り出しました。

日中、外に電動工具を出して材木を切る作業をしていましたので、出来れば降らないでいて欲しい、でも、ライ麦のためには雨も欲しいと思っていました。

その点、曇り空だったので日差しに照らされて乾く心配はなく、降り出すまでと割り切って作業を続けました。
うまくしたもので、大方今日の予定が終わるころになってポツポツと雨粒が落ち始め、日が暮れる少し前の時間にわか雨になりました。

今はまた止んでいるようですが、明日は一日降ったり止んだりのお天気のようです。
ライ麦が勢いを増すと思います。
大根と白菜も大きくなることでしょう。
本当に土さえあれば、生きていけるのだなぁとうれしい気持ちになります。

長い時間が経ってしまいましたが、新店舗の方も次第に形が見え始めて、あとどこをどうすればと先が見えていますので、気持ちを強く持ってがんばることが出来ます。

今月いっぱいには、保健所に申請が出せると思います。
許可さえいただければ、その日から営業が出来ます。

もう少しです。
なお油断せずにがんばります。