ドゥコンディショナーを使って、初めて分かったこと

今回の移転新装開店に合わせて新たに導入したのが、ドゥコンディショナーという機械設備です。

ドゥつまりパン生地を、管理するための機械設備(コンディショナー)と理解していただければ相当です。
温度管理と湿度管理によって、パン生地の発酵を良好に保ったり、一時休眠させたりすることが可能です。
パン生地だけでなく、酵母の培養の管理にももちろん使えます。

その仕組みは、ヒーターと加湿器と冷凍機と送風ファンから成り立っています。
温めるだけではなく、冷やす機能も付いているところがミソです。

普通に考えると、発酵を良好にするためには温める必要があるわけですが、冷やす機能も威力を発揮することがあるのですね、これが・・・。
この冷やす機能は、冷凍生地を一定時間管理して、その後保温に切り替えて設定した時間までに発酵が仕上がるようにする時などのためについている装置です。
しかし、発酵のための温度を低めに設定したい時には、状況により冷却が作動することもあるのですね。

例えば、酵母を培養する時、発酵が盛んになると自ら発酵熱を出して温度が上昇します。
保温の設定を誤ると、適温を大きく超えてしまうことがあります。
特に夜寝ている間の数時間に何が起こっているのか、そのあたりが今一つ分かっていませんでした。

最近の酵母の調子などから判断して、昨夜は今まででは例がないくらい低めの温度に設定しておきましたが、今朝3時に確認すると設定温度を超えていました。
発酵容器にセットしてあるシール温度計は、設定温度より7℃も高くなっていました。

発酵熱が相当なものであることはある程度理解していましたが、まさかここまでとは思ってもいませんでした。
そこで設定温度を2℃下げると、すぐに冷却運転が始まり設定温度まで下がりましたが、5~10分後にはまた2℃上昇し再び冷却運転が始まります。
容器の温度は、相変わらず7℃ほど高めを維持しています。

結局保温は止まったままで、繰り返し冷却していたことが分かりました。
これは、ドゥコンディショナーだからこそ可能な管理ですね。

それで分かったのは、発酵熱の強さを仕込み量から計算して判断し、ドゥコンディショナーの庫内温度を何度に設定するかを決めなくてはならないということです。
適温を適切な時間維持し、適切なタイミングで攪拌して酸素を供給すること、これが酵母の培養の要です。

今日は、ドゥコンディショナーのおかげで、貴重な学びを得ました。
パンもとてもいい具合に焼けたのですよ。

何時かのような、原因不明の発酵不調に悩まされることは、もう無しにしたいと言うか、もう無いと申し上げます。
そこからさらに進歩出来ると思っています。
今年は、ヒールも旨くなりますよ!

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