以前、毎週コーヒー焙煎をする水曜日に合わせて、コーヒーの話題を書いていました。
毎週と決めると、初めのうちはいいのですが、そのうちネタも続かなくなって、中身が薄くなってしまうのですね。
いつの間にか、その週慣(週刊と習慣に引っ掛けていた)も滞って何年経ったでしょうか。
またコーヒーの話題を取り上げたくなって来ました。
今度は、決めてやるのは止めよう、時々気の向いた時にしよう、これで行くことにしました。
思い返せばもう30年も前からやっている自家焙煎ですが、その心は、とにかくおいしいコーヒーが飲みたいの一言に尽きます。
私の好み、私のこだわりに付き合ってくださる方が何人かでもいれば商売になると考えて、看板を上げて来ました。
幸いと言うべきでしょう、おかげさまで自分で飲む分くらいは只になる程度の商売になっています。
さてさて、前置きばかり長くなってしまいますので、今日の話題に移りましょう。
エチオピアモカ・イルガチェフェG1ナチュラルのお話です。
生豆・エチオピアモカ。イルガチェフェG1 ナチュラル
ミディアムロースト・エチオピアモカ・イルガチェフェG1 ナチュラル
以前、「おいしいコーヒーの真実」というドキュメンタリー映画があって、そこに登場していたエチオピアのコーヒー産地と農家の人たちの姿が、激烈に脳裏に焼き付いていました。
そのイルガチェフェ村のコーヒーを手に入れて焙煎して飲んでみたいと願っていました。
数年後にその願いが叶い、最初に手に入ったのはイルガチェフェG1ウォッシュドの生豆でした。
第一印象は、小粒で欠点豆もそこそこあって、炒りムラが出やすい難しい豆、でした。
風味に関しも、期待しすぎだったかも知れませんが、印象に残るものはありませんでした。
その後仕入れも途絶えてしまいましたが、私にとっては相変わらず気になる存在であり続けました。
それからしばらくして、ナチュラルプロセスのものが手に入ることになり、そちらをサンプル購入して試したところ、甘いフルーツの香りがするコーヒー豆でした。
酸味もフルーティーで、レモンかオレンジを思わせます。
これなら私の好みにピッタリ!と、以来ずっとレパートリーに入れています。
この豆、ただ一つの欠点は、ナチュラルであるが故の欠点豆の多さです。
手選別には、相当な時間を要します。
当然ロスも多くなります。(25%以上)
しかし、しっかり選別すれば、まるで別物のように素晴らしい風味になります。
ナチュラルの豆が持っている雑味を、発酵プロセスを関与させることで、逆に素晴らしい風味に高めることが出来るのですが、最終的に手選別によって、発酵過熟になったりカビが発生してしまったものなどを取り除かないと、その持ち味を生かすことが出来ません。
このあたりが、難しいけど面白い、この豆の個性です。
自分で言うのも何ですが、このあたりを徹底的に追及して、いい味にたどり着いたと自負しています。
よかったら、ぜひ一度おためしください。
ところで、この豆に類似したフルーティーな風味を備えた豆に、他にもこれまで何種類か出合っています。
東ティモール産レテフォホ10マリアーノ(ただ今、私の仕入れルートでは手に入りません。)
インド産トリシューラSC-01(悪い豆ではないが、イルガチェフェの方がいいので停止中。)
でも、イルガチェフェに満足しているので、今のところ復活は考えていません。