コーヒーやお茶など嗜好品の業界で、最近、シングルオリジンと言う言葉が盛んに使われるようになりました。
直訳すれば単一起源あるいは由来ということですが、コーヒーやお茶に当てはめると、単一農園・単一品種・特定の農法や精製法によって産出されるもの、ということになります。
シングルオリジンの長所は、そのコーヒーの出所と品質が明らかになっているという点です。
これにより、その豆の個性を知り特長を生かした焙煎やブレンドが出来ること、そして特長を生かした飲み方までお客さまに提案することも出来ます。
ま、それはいいのですが、何しろ横文字に弱い日本人、そして新奇なものに飛び付く国民性ですから、このごろやたらにシングルオリジンブームなんですね。
そこで、食工房がこれまで取り扱ってきたコーヒー豆を振り返ってみました。
例えば、ブラジル産のバージングランデ・樹上完熟スーパーボイアという銘柄、詳細を申し上げるとブラジルの南ミナス州ジャクチンガという地域にある、アデルバオ・コンチーニさんという方が経営しているバージングランデ農園で産出されるコーヒー豆。
そして、木の品種はムンドノーボ、栽培収穫におけるこだわりとして、樹上で完熟させた大粒のチェリー(スーパーボイアと呼ばれます。)のみを選別し、ナチュラルと呼ばれる自然乾燥のみで仕上げる脱果精製法で生産されたものということになります。
お分かりになる通り、まさにシングルオリジンそのものです。
もう一つ別の例をご紹介します。
マラウイ産のポカヒルズ・チャカカ村と言う銘柄です。
こちらは、マラウイの北部州の小規模生産者組合の一つポカヒルズ農協に属するチャカカ村の小農家の生産した豆を集めたものです。
木の品種も単一ではなく、ゲイシャ、Sアガロ、ニカ(カチモール)、ムンドノーボなど複数。
一方脱果精製法はフルウォッシュド(水洗法)。
これの場合は、シングルオリジンと呼んでいいのかどうか疑問が残りますが、豆の出所を特定出来ることから、シングルオリジンのカテゴリーに入れる場合もあるようです。
とりあえず二つの例をご紹介しましたが、食工房が取り扱って来たコーヒー豆は、どれも皆シングルオリジンに違いなかったわけで、だから何を今さら・・・と言うところなんですね。
話しは飛びますが、パンに使う麦も、食工房はシングルオリジンが割合を占めるようになって来ました。
こうしてみると食工房は、コーヒーに限らずシングルオリジンを指向して来ているのですね。
そしてコーヒーに関して言えば、その行きついた先が食工房テイストだったわけです。
香り高くスムーズな飲み口が身上です。
食工房では、シングルオリジンのおいしいコーヒーを、自家焙煎販売しています。