パン屋の倒産が過去最多・・・と、今日のネットニュースの中にありました。
思わず目を奪われ、読み込んでしまいますね。
しかも、小規模事業者は業況厳しく・・・とあります。
パン業界全体の売り上げは伸びているそうですから、その中での倒産件数の増加は何を物語っているのでしょう。
早く言えば、パン屋が多過ぎる・・・、それもあるでしょうが、話はそう単純ではないようです。
地域の人気店でありながら経営破綻する店、30年以上続いて来た老舗のパン屋が閉店、いろいろなケースがあるようです。
食工房を開業して16年、その間に感じていることは、年々経営環境は厳しくなっているということです。
パンを食べる人が増えていることは確かで、それは私も感じます。
しかしそれ以上にパン屋の数が増えて来ていますし、パン屋以外のお店例えばコンビニやスーパーでも、近年特にパンの販売に力を入れています。
受給バランスで見れば、供給過多になっていることは間違いありません。
ですから、小さなパン屋は当たり前のモノを造って売っていても埋もれてしまうだけで、経営は成り立ちません。
都市部の場所のいい所でさえ厳しい業況だそうですから、地方の寒村の一角で店を出していてもまず見つけてもらうことからハードルがあります。
そんな状況にあって、こうすればいいというような法則はどこにも見つかりません。
個々に、生き残る道があるとすればあるだけ、そしてそれは自分で見つけるものと思っています。
それを模索しながら、いつ尻尾を切られるかと冷や冷やしながら切り抜けて来た16年間です。
そんな中、これまでもこれからも変わらないことは、自分自身の食に対する感性を信じること、良心に恥じない仕事をすること、技能は一生磨き続けること、研究心を絶やさないことです。
そして、いくらかでも支持してくださる方がおいでになれば、その方々のために骨身を削ります。
それでもやって行けなくなったら、その時は潔く閉業です。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。