明日は、2020年産スペルト小麦の食味テストバージョンのパンを焼きます。
先週のうちに精麦製粉してシーズニングしておいた全粒粉を使います。
先ず以て、全粒粉から立ち上がって来る香りは、全く申し分ありません。
明日は、飯豊山食パン、小麦丸、みのりのパンの三品目が対象です。
粉の状態からして、おいしいパンになることは間違いありません。
酵母の調整も、念を入れています。
ところで今年は、もう一つ食工房にとって画期的なテストが実施されます。
ある種類の小麦の食味テストです。
話は、今から6年ほど前のこと、輸入品のライ麦原穀の中に異物として混ざっていた穀粒を鉢植え試験栽培していた頃に始まります。
その中のたった一粒しかなかった大粒の麦が、福島会津の気候によく合って旺盛に育ち、数年後には圃場に播くほどになりました。
旺盛な生育、見栄えの良い大きな穂、そして特別大粒の実、収量も上がりそうです。
これが、節の数などから小麦であることは分かりましたが、穂の付け根の部分にライ麦の特長もあり、ひょっとしてこれが文献などに出て来る「ライ小麦」なのでは・・・と、疑問のままその後もずっと試験栽培を続けていました。
そしてやっと今年は、わずかに1kg足らずですが食味テストに回せる量を確保しました。
それを今日、精麦製粉したというわけです。
一週間ほどシーズニングして、来週末8月1日(土)のパン焼きで、小麦丸スタイルのパンを焼いてみることにしました。
たった一粒から増やした麦ですから、恐らく日本国内では初めてのことになるのじゃないでしょうか。
感無量です。
尤も、食味が良くなかったらガッカリですが、全粒粉の状態では良い香りがしていますし、口に入れてみた感覚では、ほんのり甘みがあってやわらかく温かみのある味わいでした。
麦ラボの大きな成果の一つになるかも知れません。
楽しみです。