真冬の熊騒ぎ

あろうことか、真冬の今頃、熊出没の騒ぎです。

場所は、我が集落の中心、集会所のある小高い丘の上の柿の木でした。
最初に見つけたのは集落内の住人の男性で、散歩をしてたところ柿の木に上って柿を食べているところを目撃、すぐに役場に通報したため、獣害対策担当者を含む関係者2名、猟友会、地域の駐在所の巡査、喜多方市警察署の警察官など10名余が駆けつけて大騒ぎとなりました。

熊は、昨年親離れしたばかりの子熊と言うか若い熊で、足跡を見ることが出来ましたが、15cmくらいでしたから、それほど大きな個体ではなかったようです。(私は、姿は見ていません。)

その熊は、木の上で柿の実を食べながら下りてくる様子はなく、花火を鳴らして脅しても動じる様子もなかったようです。
大方4時間近くも経ってから、やっと木から下りて付近の藪の中に姿を消した切り行方不明となりました。
と言うか、付近に潜んでいることは間違いないようです。

その後、柿の木を伐採することになったと言うので、区長と私ともう一人役員をしている方も一緒に立ち合いに行きました。
そして、残っていた柿の実をすべて拾い集めてゴミ袋に回収しました。
否、それしか他に出来なかったのです。

住民には、「危険だから、家から出ないでください!」と広報車を出して注意喚起しているのですから、先ずは危険除去の意味からも、捕獲か駆除が先だと思うのですが、第一に民家の近くなので発砲禁止であること、そもそも熊を殺さないで済ませようとの考えも根強くあるようで、餌になる柿の木を取り除くという何とも消極的な方法になってしまうのですね。

昨年夏の頃からの熊の出没の度に、情報収集し足跡や痕跡を辿って来ましたが、親から離れた子熊がいるらしい事は、私たちには分かっていました。
そして、集会所のある丘の上のどこかに冬眠場所を構えるかも知れないと危惧してもいました。
実際今日の熊がどこから来たかは定かではありませんが、足跡の方向からしてその線は十分あり得ると思っています。

冬眠前に十分食溜めが出来なかったのでしょうね。
良い餌場は大きくて強い熊に占有されてしまい、若い熊は冬眠に堪える分だけあり付けなかったのだと思います。
つまり、熊の数が増え過ぎているのです。

そして今日のこの熊は、この春以降もこの集落の中か周辺から離れることはないでしょう。
畑や人家の周りに出没しては餌を漁るに違いありません。

否、そのように育ったと言うか、適応したのですね。
今日の顛末で分かることは、当の熊は、ちっとも人を恐れてなんかいないということです。

大きな音のする花火を何十発も鳴らされましたが、痛くも痒くもなかったはずで、もちろん命に危険を感ずることもなかったのですから、こちらとしては、今度から花火で追い払うことは出来なくなったことはもちろん、下手をすれば積極的に襲って来る可能性も承知しておかなくてはなりません。

こんな対応の仕方が良いわけはありません。
何かが間違っている、ボタンを掛け違えている、釈然としない思いの私です。
そして早くも、熊警戒の日々の始まりです。

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