月別アーカイブ: 2021年7月

雪室、入庫完了

本日、収穫したすべての種類の麦の雪室(低温倉庫)への入庫が完了しました。

当地区の雪室は、入出庫は火曜日と金曜日の二回のみと指定されていて、昨日のスペルト小麦の他、デュラム小麦、ライ小麦、南部小麦など合わせて17袋、総重量約450kg、先に預けたライ麦と合わせると750kgにもなる量です。

昨年とは比較にならない大量の麦、暑い夏に向かう時期ですから、一日も早く雪室に入庫する必要があるのですね。
本日の入庫完了の感激は言うまでもありません。
大きな大きな安心感です。

そして今年は、新麦への切り替えがスムーズに行きましたので、今週のパン焼きから全て新麦を使います。
ライ麦、スペルト小麦そしてデュラム小麦です。

暑さの夏のこの時期、食欲はどうしたって冷たい麺類などに向きますが、たまにはパンもお忘れなく。
工夫次第で、暑さに対抗するスタミナ食にもなります。

今度正式に発売となるフォカッチャは、ピザのご先祖とも言われていて、夏野菜やチーズそれにベーコンなどを挟み、あるいは上に乗せて、ピザのように焼いて召し上がれるのでおすすめです。

一方、本日は、試験栽培区で育てた9種類の麦の脱穀調製を終わらせました。

それぞれ機械にかけるほどの量ではありませんが、かと言って手作業では到底終わらない作業なので、コンバインをその都度分解掃除しながらやりました。

何しろ、すべて種子用ですから、他の種類と混ざるのが一番の大敵です。
機械の掃除は、念には念を入れて外せるパーツはすべて外して、一粒も残っていないことを確認しなければなりません。
これを9回やりましたが、脱穀している時間がわずか1~2分、一方掃除は一回20分はかかると言った具合でした。

それでも、足踏み脱穀機と唐箕でやるよりははるかに能率的です。

こんな大変な思いをしても、湧いてくる興味には勝てないのですね。

麦ラボは、ますます進化そして深化しています。

スペルト小麦、籾摺り作業2021

麦ラボ

昨年と全く同じ配置です。


麦ラボ

籾摺り機 籾投入口
計量カップですくって投入して行きます。


麦ラボ

セット完了!作業開始です。


麦ラボ

籾摺り機排出口から選別機に直結


麦ラボ

2021年産 スペルト小麦
大変きれいな粒です。


麦ラボ

こちらは選別下 粒が小さく、不完全な粒が沢山混ざっています。
重量的には、30kgほどでした。
10%落ちですから、まあ上等の出来です。


麦ラボ

麦殻 これで本当に中身が取り出せているのか?と思わせる外観
実際に割って確かめたくなりますが、脱ぷは完全です。


麦ラボ

ダメージを受けて潰れてしまった穀粒が沢山出ていました。
刈り取り時に穂が乾いていなかった影響もありそうです。

本日は、朝から麦仕事で一日が終わりました。
スペルト小麦の籾摺り作業です。

昨年と比べて2倍以上の収穫がありましたので、それだけ時間もかかりました。
完全な脱ぷときれいな穀粒のために、2回通しする必要がありましたが、仕上がりは全く申し分のない良好なものとなりました。

これで、2021年産のスペルト小麦の収穫が確定しました。
295kgの選別済粒と約30kgほどの選別下、合計330kg弱でした。

あと種子用として籾摺りしないものを約12kgほど、別途確保しています。
これを雪室に入庫すれば、すべての収穫に関わる作業が完了します。

あとは、来年に備えて圃場の片づけと整備が待っています。

デュラム小麦に関する考察

麦ラボ

デュラム小麦のセモリナ
カッターナイフで切断して、断面を出して見ました。
芯まで半透明の黄色です。

日本の気候では栽培が難しいと言われて来たデュラム小麦ですが、近年国産品種も開発されて、日本国内でも作付けされる例が出始めています。

デュラム小麦は、別名マカロニ小麦とも呼ばれます。
小麦には大まかに二つの系統があって、一つが私たちが良く知っているいわゆる小麦粉、これはパン小麦という分類になります。
そしてもう一つがマカロニ小麦です。
こちらは、主にイタリアでパスタの原料として使われている小麦です。

少し前、パスタがブームになったことがありました。
今では、パスタとイタリア料理は、日本でもすっかり定着していますが、当時から国産原料でパスタを造りたいという需要は当然あって、普通の小麦粉で挑戦する例も多々見られました。

そんな中、地中海型気候の瀬戸内の広島県で、国産初のデュラム小麦の品種が開発されました。
その名も「瀬戸デュール」。

行政、食品業界、(独)農研機構などが組んで、地域の特産にしようと積極的に取り組んでいます。
現在は、すでにパスタの製品が出来るところまで進んでいるようです。

さて一方、食工房でデュラム小麦の栽培を何故やるようになったかと言えば、結構長い話になります。

食工房では、ライ麦全粒粉を使っていますが、当初、カナダ産のライ麦原穀を仕入れて自家製粉していました。

ある時、原穀の状態が大変良くない年があり、ライ麦自体の品質も良くありませんでしたが、多くの雑多なゴみなどが混ざっていました。
それを目視で取り除かなければならず、大変な思いをしたことは言うまでもありません。

しかし、その中に所在不明の穀物が沢山混ざっており、どれもほぼ麦に間違いなさそうでした。
そこで、上の娘が興味を示し、一粒ずつ鉢植えにして様子を見ました。

その結果、十種類近くにもなるそれぞれ特長の異なる麦が成長しました。
インターネット上で散々調べ回った結果、いくつかの麦は品種を推定することが出来ました。

その中に、デュラム小麦と思しきものが3種類あり、その中の一つが今実用段階にまで栽培量を増やしたデュラム小麦です。
★参照~デュラム小麦の脱穀

詳細な品種のプロフィールは、もちろん分かりません。
異物として混入していた数粒の麦ですから。
ただ、デュラム小麦としての特徴は確実に備わっており、この麦がデュラム種であることは間違いありません。

今回、満足な品質の原穀が得られましたので、セモリナを得るべく精麦機にかけて見ました。
セモリナというのは、穀物の粒の芯の部分だけを削り出したもののことです。
お米で言えば、酒米の精米のようなものです。

さて、その精麦機にかけること4時間、最初の大きさの半分ほどにまで削られた粒を見て、改めて感激せざるを得ませんでした。

黄色い色が特徴のデュラム小麦ですが、何たって粒の芯まできれいな透き通るような黄色なのですから。
画像を見ていただいて分かる通り、断面は中心部分まで一様に黄色です。
まるで乾麺のスパゲティを折った断面の様です。

明日は、これを粉に挽いて見るつもりです。

こんなデュラム小麦が、雪国会津で育っているのです。
まだ誰に認められたというわけではありませんが、本当は凄いことです、これは。

そして実は、あと2種類のデュラム小麦も、大変興味深い性質を持っていることが分かって来ました。
そのうちの一つは、古代種の可能性があります。
もう一つは、早生で短稈種、そして越冬特性に優れています。

ま、それらは先の楽しみとしておいて、早速来週からになりますが、フォカッチャの再開とオンラインストア での新発売が実現する運びです。

どうぞお楽しみに。

南部小麦丸

食工房

南部小麦丸
焼き上がりの見た目は、スペルト小麦のものと全く同じです。
食感もほぼ同じですが、風味だけが明らかに違います。


食工房

切り口も、見た目は今までと全く変わりません。

スペルト小麦の一時的在庫切れにより、臨時措置として南部小麦の全粒粉を使用して、飯豊山食パン、小麦丸、みのりのパンなどを焼いています。
先日がその第一回目で、是非とも感想をご報告しなくてはと思っていました。
今日、試食をしましたので、諸々ご報告申し上げます。

まず、製造工程で気づいたのが吸水の良さでした。
小麦粉に水を加えて生地を捏ねる時、何パーセントまで水分を入れられるか(吸水率)、これが小麦粉の性質の一つの指標ですが、グルテン(タンパク質)の多い粉ほど吸水率が上がります。

先日のパン焼きでは、いつもの水分量では生地が固く仕上がってしまい、水を10%くらい足さなければなりませんでした。
当然これは食感にも反映され、ふくらみの良い焼き上がりになりました。

一方肝心の風味ですが、新麦らしい麦芽とフスマの香りがすぐにそれと分かるほど強く感じられました。
もちろん悪くありません。

しかしそれで改めて分かったのは、スペルト小麦がいかに素晴らしい、素敵な香りを持っているか!と言うことでした。
昨年産でも、スペルト小麦の方が風味の点では上です。

そのスペルト小麦、早や来週には籾摺り工程を終えて使用可能な状態になりますので、南部小麦のパンは今週だけの限定品となります。
ちなみに、今年のスペルト小麦は、品質も良く量も沢山穫れていますので、来年までずっと満足していただけるものと思います。

そして明日のパン焼きでは、プンパニッケルが新麦仕様になります。
食工房畑のライ麦100%です。
この後追って、堅焼き黒パン、ライ麦入り角食パンも新麦仕様になりますので、どうぞお楽しみに。

明日も、皆さまのご来店を、お待ちしております。

日差しが戻って来ました

どうやらこのまま梅雨明けに向かうようです。
今日あたりは、雲が切れて青空が覗きました。

そして強い日差しが差して来ると、言わずもがな暑さ!ですね。

今日は、焼き上がったパンが覚めるのに時間がかかり、出荷に間に合うかどうかギリギリでした。
粗熱が取れたところで、低温にしたドゥコンディショナーにパンを入れて冷却するという荒業に頼らざるを得ませんでした。

パン生地も、工程により冷却状態になっている時間もありました。

ドゥコンディショナー、本当にいい働きしてます。

それから、南部小麦のパンですが、生地の状態、焼き上がり、すべて期待以上のものがありましたが、味見だけが今日出来なかったので、明日あらためてレビューします。

いきなり暑い夏に

どうやらこの週末あたりに梅雨明けとなりそうな予想です。

そして、晴れれば猛暑。
30℃超の日が続きそうです。

一方大気は不安定で、突然雷雨に見舞われることもありそうです。
激しい夏空との付き合いになるのでしょうか。

ともあれ、明日からしばらくの間は、傘マークの無い予報になっています。
コロナ禍の再拡大で気持ちも沈みがちですから、せめてお天気はパッと明るくお天道様のお顔を見たいものです。

明日は、食工房は定休日明けのパン焼きの日です。
いつものようにパンを焼いて皆さまのご来店をお待ちしております。

ちなみに、一部ですが新麦の使用が始まります。

スペルト小麦が先週までで無くなりましたが、今年産のものは生憎のお天気が続いて籾摺り工程が完了せず、まだ使うことが出来ません。

そこで臨時の措置として、先に収穫が終わっていた南部小麦<参照>を代用として使うことにいたします。
すでに全粒粉に製粉して計量し、明日に備えています。

飯豊山食パン、小麦丸、みのりのパンの3品目が該当いたします。
スペルト小麦とは違った風味を、どんなものかとちょっと楽しみにしています。

お天気が不安定なもので

今日あたりは、やっと雲も切れて日差しが覗く瞬間もありました。
しかし、それも続かずすぐにまたにわか雨。

麦刈りの後ずっーと雨続きで、畑の後始末も出来ないでいます。
そのままになっている麦藁の始末をしたいのですが、燃やして灰にする予定だったものの、もはや水浸しになってしまいましたので、しばらく晴れが続いて乾かないことにはどうにもなりません。

稲架かけした後の稲架も片付けなくてはなりませんし、イノシシ除けに張り巡らしたネットも撤去しなくてはなりません。
それにしても、お天気が不安定では如何ともし難い・・・。

今日も、何度もにわか雨が降りましたし、雷鳴も聞こえました。
まあ、しかたがありませんね。
ワクチン接種の副反応が、今日もまだ残っていて体がきつかったですから、ここは休んでいろ!との思し召しかと。

ちなみにこの夏は、農繁休を兼ねて長めのお盆休みをいただくことになりそうです。
決定次第、お知らせいたします。

副反応ですね

昨日2回目のワクチン接種を受けて、多少の副反応はあるものと思ってはいました。
1回目の時は、翌日になつて上腕の痛みで腕が上がりませんでしたが、それだけで済みました。

今回は、同様に上腕の痛みがありましたが、それだけでは済みませんでした。
全身の倦怠感、軽い頭痛、気分の悪さ、首筋や肩やその他筋肉がこわばって痛みを覚えました。

尤もどうにもならないほど強いものではありませんでしたが、とは言えそこまでの状態を予想していませんでしたので、いつも通り仕事の段取りをして始めてしまっていましたから、ちょっと無理をして仕事を終わらせるはめになりました。

さすがに何度か途中で音を上げ、娘たちに後を任せて休憩する場面もありました。
それでも静かに横になっていればどうというほどのことはありません。

今日一日体がきつかったものの、夕方には峠を越えたようで、少しずつ楽になって来たかな・・・という実感があります。
明日にはずっと回復すると思います。

さて、食工房は明日と明後日の二日間、定休日休業となっております。
毎度申し上げて恐縮ですが、お間違えのございませんようよろしくお願いいたします。

2回目ワクチン接種

本日、2回目となる新型コロナ感染症のワクチン接種を受けました。

接種後2週間ほどすれば、ほぼ万全な免疫獲得が成ると言われていますから、店頭にて不特定多数のお客さまに相対する者としては、自分たちに対して、お客さまに対して、双方向での感染リスクが下がることになります。
まずは一安心ということになりました。

あとは、娘たちを含めた若い世代の方々に、接種が進むことを願うのみです。

今回のワクチンは、今着目されているインド由来のデルタ株に対しても一定の免疫効果があるとされていますから、未接種と比較すれば格段にリスクは下がります。
デルタ株の蔓延に追い付かれないうちに、早く接種が進むことが何より重要なのですが、合わせて重要なのは私たち一人一人の感染対策の質を落とさないようにすることです。

ワクチン接種前に感染してしまったら、もう全く何にもなりませんからね。
若い皆さんも、せっかくワクチンが開発されて、もう少しの時間待っていれば接種を受けられるのですから、賢明な選択で感染を避けていただきたいものです。

変異の機会を出来るだけ少なくするためにも、感染者そのものの数を減らすことが最も重要であることは、科学的にもはっきり分かっていることなんですから。

梅雨明けはいつに

関東以西、特に西日本では豪雨の被害が深刻のようですが、こちら東北は今のところ大きな被害は聞かれません。

しかしお天気は不安定で、予報も次々変化します。
昨日の予報では、梅雨明けが早いかも知れないと言っていましたが、今日には打ち消されて雨が続く予報になっています。

明日は、早朝から集落の奉仕作業です。
今度は、周辺の道路沿いの草刈りです。
雨は降って欲しくないのですが、どうなりますか・・・。

それにしても、先日麦刈りが終わってから今日まで、麦刈りが出来そうなタイミングは結局ありませんでしたから、あの時は良い判断だったと改めて胸を撫で下ろしますね。

ライ麦は、早や低温倉庫(雪室)に入庫完了していますし、スペルト小麦はやっと乾燥が仕上がって来て、この次晴れたら籾摺り作業です。

お天気の動きは人間の力ではどうにもすることは出来ませんが、お天気を味方に付けるための計らいに人知を尽くすことは可能だと思っています。
すべてうまく行くとは限らなくても、リスクを減らしたり逆に恵みに変えることさえ出来るのではないかと思うことがあります。

ですから、梅雨明けがいつになるのか、とても気にかけているのです。
雨が上がれば、獣たちの動きも活発になるし、それはそれでまた大変ですが、作物は旺盛に育っていろいろな野菜などを食卓に乗せて楽しむことも出来ます。
せっかく手間暇かけたものを、やつらに盗まれないように気を付けながら。
こうして夏はやって来て、過ぎて行きます。