獣を圃場に入らせないために、電気柵が一番有効であることは間違いありません。
しかしながら設置には手間も費用もかかりますから、年配の方の中には、いっそのこと耕作を止めようという考えの方も出てくるわけです。
そうなると耕作放棄された圃場は荒れて草やぶとなり、尚のこと獣たちの隠れ場所や住みかとなってしまいます。
年々深刻化する獣害に対応するため、いろいろな補助事業が立ち上げられていて、電気柵の購入補助もその一つです。
もちろん個々の農家が単独で利用申請することも出来ますが、補助割合はかかった費用の50%(最高限度額5万円)です。
一方、何軒かの農家が団体を作って共同で電気柵を設置する場合、補助割合が断然大きく70%(最高限度額30万円)になります。
さらに、集落全体でまとまって事業化すれば、最高の補助率80%(最高限度額150万円)となります。
いずれにしても、この制度を活用しない手はありません。
いろいろ考えましたが、行政区全体をまとめるのはなかなか大変そうなので、家の圃場に隣接する圃場の地主さんたちに声をかけて、まずは6世帯での事業として団体を立ち上げることになりました。
今日、私を含めて6人全員の同意を確認しましたので、これから団体設立の準備に取りかかります。
こんなことも、3年前から集落の会計兼副区長職を務めて来たおかげで、スムーズに進められそうです。
申請期限は10月末ですが、事業の実施は来年4月ということで、うちの麦畑の種まきには間に合いません。
家の分は、とりあえず自前でやれるところまでやります。
来年になって穂が出る頃までには間に合うはずですから、収穫の頃にはまわりの水田も合わせてぐるりと電気柵に囲まれているでしょう。
今年、散々な目に遭った件のおばあちゃんの畑も、来年は安心です。
一方、当然のことながら、公金をいただくのですから、それなりにハードルは高いのです。
でも、面倒くさがらず手間を惜しまず、団体設立への手続きを進め申請に漕ぎつけたいと思っています。
今回のことで、私にとって一番良かったことは、全員がとても快く賛同してくださったことです。
この集落に引っ越して来てから今日まで、皆さんとのお付き合いに間違いはなかったと確信出来ましたから。
一生懸命尽力して、良い結果を出したいと思います。