もう10年以上も前のことになりますが、パン屋とお菓子屋にとって致命的なバター不足が常態化していました。
食工房でも、シュトレンシーズンにどうやってバターを確保しようかと、あちこちに手を回してバターの入手に躍起になっていたことを思い出します。
まあ何とかかんとか間に合わせることは出来ていたのですが、やはり前後数年間は大変でした。
それがここ数年は、バターの入手に不安はありません。
酪農家の方や乳業メーカーなどの努力のおかげでしょう、電話一本で注文すればいつでも必要な数だけ届きます。
でも、コロナ禍が長引くにつれ、別な角度からバターだけでなく原材料全般に関する供給不安が起りそうなことを知り、先行きを心配しています。
他でもありません、全世界で物流の停滞が大問題となっているからです。
小麦など穀物類、大豆など豆類、コーヒー豆、その他上げればキリがありません。
家畜が食べる飼料も輸入に頼る割合が多く、間接的に酪農も影響を受けます。
食工房は、小麦は国産に限定していますし、自家産で賄っている割合もそこそこありますから、それほど大きな不安は無いとは言うものの、外国産小麦の入手困難から国産小麦に乗り換える業者が増えれば、国産小麦粉の価格が上がって製品のコストが上昇することは可能性としてあります。
その他、ドライフルーツやナッツ類なども、今のところ順調に入荷していますが、今後のことは分かりません。
モノづくりの現場も、じわじわと足元を崩されつつあるような気がしているこの頃です。