会津に来た当初、クマがいる場所に住むようになるのだからと、少し緊張感を覚えた記憶があります。
そして、実際にクマの被害を経験し捕獲現場や駆除現場を見聞する機会もあり、最近また獣害対策の当事者にもなるに至って気がついたと言うか思っていることがあります。
初めの頃、毎日毎夜野生動物のリスクに対応して緊張感を維持しなければならないなんて、大変過ぎる!全く余計な仕事を・・・と思ったものです。
しかしその後、クマやサルやイノシシと対峙する中で、彼らの生態に理解が及ぶに連れ、人間だけが自然界の外で何も知らずにただ能天気に生きているだけだと思い知らされました。
広く自然界を見回せば、どんな生き物も常に喰うか喰われるかの関係の中にあり、喰う方も喰われる方も共に命を懸けて事に臨んでいるのですね。
それ以外に生きのびるための方法はあり得ません。
生存は、即ち闘いなのであり、緊張の連続に違いないのです。
人間にあっても、たとえ文明の城の中に逃げ込んでも、決して逃れることの出来ない宿命だと思っています。
だって、私たちもまた生き物なんだもの!
恐らく、この世界で一番弱い生き物の人間は、その代わりに知恵を授けられたのですから、そこにこそ人間の使命と役割もあるはず。
獣たちに導かれ、今大きな気づきを授かりつつある私です。