ウクライナ戦争から見える、ロシアという国家の正体

ロシアによるウクライナへの武力侵攻で始まったウクライナ戦争は、すでに9ヶ月の長きにわたっており、その間に私たちはロシアという国家の正体を見ることになったと思っています。

単刀直入に言えば、ロシアは領土的野心を全く捨てていない、否、捨てていないどころではなく、領土的野心は国家存続の根幹だと位置付けています。
つまり、国家の発展は、他国と戦争をして勝利し領土を広げることによってのみ達成される、このことを国是としているのですね。

その心は、ロシアは常に外敵に国家の存立を脅かされており、それらと常に戦い続けなければ存続が危ういという考えです。
これは、ロシア政府のプロパガンダでもありますが、広くロシアの国民の中に浸透している価値観でもあります。

以前ご紹介した「ロシア人にインタビューしてみた 1420」というチャンネルで、「戦争をどう止められますか?」との質問に、少なからぬ人が「ロシアが勝てば・・・」と答えています。


「戦争をどう止められますか?」

「ロシアが負けると、どうなりますか? ロシア人にきいてみた。」


だから、勝つためには手段を選びません。
負けたら、何もかもが終わりですから。(・・・と思い込んでいる。)

一方、ロシアは帝政時代からソ連時代を経て現在に至るまで、ずっと専制国家であり続けています。
ロシアの国民は、民主的な社会を経験したことがないのです。

このことの影響は実に大きく、ロシアの国民の中に流れる空気は、主体性、自発性、意欲に乏しく、諦観的でさえあります。
一方で、モラルの崩壊が深刻であり、汚職や不正に対して不感症とも思える態度があります。

そんなロシアの社会の中で、市民が立ち上がって戦争を止めることは、ほとんどあり得ないくらい難しいことです。

仮に停戦が実現したとしても、そんなものは恒久平和への何の保証にもなりません。
前述の、ロシアの最もロシア的価値観の核心が変わらない限り、この国は何度でも約束を反故にして侵略を再開するに決まっているからです。

もしも今後、ウクライナがロシアに下るようなことがあれば、今度は世界に害を及ぼすようになるはずです。
日本も国境を接している国として、覚悟はしておいた方が良いと思います。
彼の国にとって、外交とは戦争に勝つこと、これ以外ないからです。

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