明日は、当集落(行政区)の春期定例総会です。
年に一度、世帯主全員が一堂に会して、当集落の運営に関する報告や審議を行い、この一年の事業計画や予算などを承認するのがその目的です。
私は、5年前から会計役を任されていて、年間80万円前後の予算の執行に係る業務を担当しています。
収入の大方は、集落内の39戸各世帯から徴収する各戸負担金です。
その他、市からの補助金や報奨金なども一助になります。
このような集落自治の考え方は、田舎では昔から行われて来た助け合いの精神に基づいています。
今の時代、行政区という名で、市や町の行政サービスの一部を引き受けたりもしているわけですが、この行政区という団体に法的根拠があるのかということを、地元の議員さんに尋ねたことがあります。
その議員さんも、確かな答えは持ち合わせておられないようでした。
長年の慣例として存在して来た組織であるようです。
しかし、集落に暮らす私も含めた皆にとって、行政区の存在は決して小さなものではありません。
先日も一つのゴミ集積所が雪の重みで落下した大枝の直撃により大破してしまい、それを建て替える事業を検討しました。
喜多方市が無条件で立て替えてくれるというわけではないのです。
先ず、行政区の方で複数の業者に当たって見積もりを取ります。
それを役場に提出申請すると、市の方で業者選定して発注となります。
施工完了後、一旦費用の全額を行政区が支払い、その後補助金分が還付されるという段取りです。
行政区は、取り敢えずも総額30万円を超える金額を用意しなくてはなりません。
明日の総会では、それも議題の一つになります。
ま、一例を上げればそのような具合で、人口の少ない地方の寒村は、地域自治の発想がないと行政サービスもスムーズに享受することが出来ません。
しかも、自分たちでお金を出し合って資金の手当てまでしている部分もあるわけです。
例えば、都会から移住して来た方などにとっては、理解し難いシステムに見えるかも知れません。
そのあたりのすれ違いから、せっかく移住して来てくださったのに、出て行かれる方の例をよく耳にします。
私は、よそ者としてこの地にやって来て今年で20年となります。
途中までは、明らかに客人としての扱いを感じることがありましたが、15年目から会計役を任されています。
これも一つの信頼を得ることが出来た証だと、うれしい気持ちで受け止めています。
家も田畑も自分のものになりましたし、この地に骨を埋める気持ちは固まったと思っています。