昨日からこちらのニュースを賑わしているのが、福島県の浜通り地区の大熊町で、クマが捕獲されたと言う話題です。
大熊町と言うのは、福島第一原子力発電所があるところです。
現在でも人が居住出来ない箇所がありますが、一方で住民の帰還が進んでいたりもします。
その大熊町の国道沿いの山林で、猪用に仕掛けたくくり罠にクマが掛かったという話。
これが何故大きな話題になるかと言えば、福島県では昔から阿武隈川の東側にはクマは生息していないと言われて来たからです。
でも、どうしてそんな説が、まことしやかに語られて来たのでしょう?
私には、あまり根拠のない説に思えます。
実際近年、浜通り地区のあちこちでクマの目撃情報が多数報告されるようになっており、もはや完全に生息確定と言える状況です。
今回の大熊町でも、罠にかかったという状況からして、このあたりにクマが定住するようになっていた証拠です。
今から30年近く前、私たちがこの地区の山深い場所で山暮らしをしていた頃には、クマがいるという話はついぞ聞いたことが無く、そんな心配もしたことはありませんでした。
そして明らかにクマが定住していることが確定した今、その地域の人々は、これまで経験の無かったクマへの対応を強いられることになりました。
正直大変だろうなと思いますし、事故が起こる可能性も高いかも知れません。
クマのいなかった浜通りでクマが定住し、イノシシのいなかった会津でイノシシがどんどん増えているということは、どちらの側でも野生動物そのものの数が増加の一途を辿っている証拠に他なりません。
どんどん捕獲して駆除して行かないと、人間の居住域の安全性が損なわれ、やがて追い出される羽目になることは間違いありません。
待たれるのは、人々の間違った動物愛護に対する意識変革、そして鳥獣保護や狩猟に関わる法令の改正です。
獣害に関わるターニングポイントは何時やって来るでしょう。
もはや一刻の猶予も無いと思う私です。