月別アーカイブ: 2025年10月

本来業務に支障も

獣害対策

p3地点は、食工房からわずか30mほどの距離
ただし、10mほどの段差の下にある


獣害対策

食工房から最も近いカメラポイントp3地点に、久しぶりに現れたクマ
多分、この個体はナッツだと思われる


獣害対策

この後、柿の木に向かったものと思われる。

全く、クマの出没には困っています。
私としては、一市民が出来ることはすべてやっていると思っています。

しかし、行政は無策、警察は無能、専門家は無知、注意喚起だけで市民の生命、財産を護れるのなら、こんな簡単な話はありません。

そんな状況の中、食工房の本来業務にも悪影響が及んでいます。
毎日の見回りや周辺の草やぶの刈り払い、また電気柵の保守などに時間を取られ、肝心の製造や広報など本来業務の時間が大幅に削られているのです。

もし、ご来店くださる皆さまに危害が及ぶようなことがあっては、ここで仕事を続けることも出来なくなりますから、獣害対応に時間を取られるのは、一定程度は止むを得ないことではあると理解はしています。

しかし、状況は悪くなる一方です。
正直、いつまで持ち堪えられるか、自信はありません。

クマによる人身被害のニュースが絶え間ない昨今、これが常態化してしまった社会がどのようなことになるのか、もはやこの私には見えていますよ。

獣害に関すること、今後も度々お伝えしてまいります。

どうぞお付き合いください。

一触即発

獣害対策

カメラチェックの際は、まず橋の上から周辺の草やぶにクマが潜んでいないか確認してから下りるようにしている。


獣害対策

手前のクマは、多分コードネーム「タル」と呼ばれる個体で、すでに5年前からマークしている
後ろのクマは、距離が離れていて小さく見えるが、タルと全く同格。コードネームは未定


獣害対策

これだけ接近していて、争いを避けている。


↑この映像は、15秒の映像を13本つなげて1本にまとめています。

昨夜から今朝にかけて、辰ヶ原橋の袂にある栗の大木の下で、大事件がありました。

この栗の木は、近所の方が管理している栗で、出荷用になっている立派な栗の木です。
クマたちにとっては、道路直近で上から見下ろされる位置にあるリスキーな場所ですが、それでもやって来る魅力的な餌場です。
当然、体が大きくて強いクマが仕切っています。

しかしこの夜は、同格の巨大クマが2頭同時に現れ、とりあえず争うことなく最後まで栗を喰い続けました。
しかしこんな光景は、ほとんどあり得ないことで、獲物に対する独占欲が強いクマが、他のクマと分け合うなんてことは聞いたことがありません。

私が推測するに、まず2頭とも十分に腹いっぱいになるほど沢山栗が落ちていたこと、両者とも同格の大きな体つきをしており、争えばお互い大ケガは避けられないであろうこと、そのような事情であえてお互いを無視したと見られます。

しかし、実際は一触即発の緊張感に満ち満ちており、いつ争いが始まってもおかしくありませんでした。

この前申し上げたように、クマたちの間では餌の争奪戦が始まっているかも知れないというのは、どうやら現実のようです。

栗を食べ尽くしたら、次はどうするのでしょうか。
エサを求めて、そこらじゅうを物色して歩くのではないかと思います。

人家も狙われるでしょう。
我々も心して置かなくてはなりません。

ちなみに、夜が明けて午前6時前頃、この栗の木の持ち主の人が、橋の下の草やぶに潜んでいるクマを発見。
クマは、追い払い用煙火の直撃を喰らって、川を渡って向かいの山へと逃走した。

今日は、来年のパンの仕込みをしました

麦ラボ

一年間休耕した高野第2圃場
二年ぶりの作付けは、南部小麦になりました。


麦ラボ

播種の終わった高野第2圃場
その奥に、ご近所の方のご厚意で、高野第3圃場を準備することが出来ました。


麦ラボ

一年間休耕した高野第一圃場
二年ぶりの作付けは南部小麦、来年のパンの仕込みです。


麦ラボ

高野第一圃場
獣害対策のため、電気柵を設置しています。


麦ラボ

圃場は、すべて電気柵で囲っています。
道路を隔てた近所の方の圃場も一緒に囲っています。
空中線を渡して給電しています。

今シーズンは、種まきが遅れています。
雨が多く、圃場が乾かないからです。

今日は、昨シーズン休耕した高野の圃場に、南部小麦を播きました。
ここの圃場の土は水はけが良く、また長年の手入れで土も肥えていますので、使わない手はないのです。

これまでの実績を基に作付け計画を立て、今シーズンは自家産小麦の食パンのために南部小麦を大幅に増やすことになりました。

今日の種まきは、その意味でも来年のパンの仕込みをしているという実感がありました。
畑から、お皿まで、その道のりの遠いことをいつも感じています。

そして今日は、明日のパンの仕込みもやりました。
一昨日木曜日から、「自家産小麦の角食パン」を筆頭にその他のパンもすべて自家産小麦をミックスしていますが、出来上がりがとても良好で、風味食感ともにあらためて感激しています。

皆さまにも、ぜひ味わっていただきたいです。
ご来店をお待ちしております。

母子グマ、活発に動く

獣害対策

霧が発生しており、映像がぼやけているが、母子3頭連れの姿が確認出来る。
この後、まっすぐにp7地点に向かったことは間違いない。


獣害対策

右端に母グマ、左端に子グマ一頭、柿の木に子グマ一頭が映っている
ほぼ食べ尽くされたこの柿の木には構わず、となりの柿の木に向かって行く

高野周辺に居着いているらしい母子3頭連れが、活発に動き回っています。

他に成獣が最低2頭以上いると思われるエリアで、子グマを自由に歩かせているこの母グマは、よほどの強者です。
ナッツを筆頭に他のクマたちは、カメラに映らなくなりました。
どこか少し離れた所に移動しているのかも知れません。

このままこのあたりに、この母子3頭連れに落ち着かれたら、とても厄介です。
来年は確実に親離れして独立し、このあたりを活動エリアにする可能性が大きいからです。

この他にもクマがいることが分かっていますし、過密な生息状態の中でお互いがいら立ち気が立つであろうこと、人との不用意な遭遇でどんな事故が起こるか、分かったものではありません。

今のところ、いずれのクマも、人の気配には敏感で極力避けようとしていることが見て取れる状態なので、その力関係を崩されないよう、我々は賢くまた慎重に立ち回らなければなりません。

そのためには、日々クマたちの動きを把握し、予測することが肝要です。
クマたちの残した微かな痕跡も見逃さない観察力を養おうと、トレイルカメラの映像と現場に残っている痕跡を照合する作業を続けています。

自分で作った小麦でパンを焼く

自分で小麦を作って、そしてパンを焼く。
米飯とはまた違った意味で、実現の難しいパンの自給自足が実現します。

今年収穫した南部小麦とゆめちからをミックスして、風味食感ともに満足の行く食パンが焼けるのです。
それを皆さまにも販売し、食べていただけるところまで実現したことに、大きな感慨を味わっています。

今日、思い立ってこのブログを始めた頃の記事を読み返していたら、<こんな記事>がありました。

その頃、「六十を過ぎたら、またマキとランプの山暮らしに戻りたい・・・。」と思っていた私ですが、とっくに七十も過ぎてしまった今、何を思っているかと言えば、あの頃のような暮らしはもはや不可能、獣たちとの戦いに勝てる見込みは到底無い!ということです。

その一方で、私はついに農業者になり小麦を作付けして、その小麦でパンを焼いて商売にしています。
トラクターやコンバインのような大きな機械も使いますが、土の上で麦が育つという大原則は変わりません。

収穫は、何物にも代え難い大きな喜びです。
それがさらにパンになることで、二重の喜びを味わうのです。
ですから、今の私の生活には、退屈の二文字はありません。

昔思っていたことをすべて実現することは出来ませんでしたが、その必要もなかったということが、今改めてよく分かります。
ほんの一つか二つ達成しただけで、もう十分満足して納得していますから。

さて、そんな思いのこもった食パンを、明日はいよいよ売りだしです。

皆さまのご来店をお待ちしています。