投稿者「MIKIO AOKI」のアーカイブ

シュトレンを子どもに食べさせても大丈夫か、との疑問Ⅱ

※1/2カットは、店頭販売のみです。

今から7年前に掲載した同タイトルの記事が、先月あたりからアクセスが増えています。

否、いまだに理解されていないのですね。
シュトレンにおけるドライフルーツのラム酒漬けは、必ずしも規定ではないということです。

半年以上一年間も漬け込むなど、何か別のものと勘違いしているのではないかと思います。
これでアルコールが残っているから子どもには食べさせるな!というのが定説になるなんて、何かおかしいと思いませんか。
クリスマスにちなんだ焼き菓子なのですから、子どもも含めて家族皆で楽しめるもののはずでしょう。

食工房のシュトレンは、いつも申し上げているように、子どもたちも安心して食べられるシュトレンです。
ドイツの伝統的でごく普通のレシピを採用し、スパイスの使い方だけ日本人向けにアレンジし直して、そして食工房だけのサプライズでスペルト小麦の全粒粉をミックスしてつくっています。

もうかれこれ19年間もつくり続けていますので、子どもたちのファンも沢山います。
大きくなって大人になってからも、食工房のシュトレンを覚えていてくれて、ちゃんとご注文が入ります。
ですから、今年もいつものとおりのシュトレンをつくる準備しています。

で、材料代がものすごく値上がりして、もうめちゃくちゃ大変なことになっているので、少し値上げさせていただきました。

今年も、多くの方に喜んでいただけるのではないかと、つくる方の私たちも楽しみにしています。

プンパニッケルの味わい深さ

プンパニッケル

これがプンパニッケル
あまり膨らまないように、わざと穴をあけています。
そうしないと、中が陥没してしまうのです。

ドイツのパンの代表的なものの一つと言えば、プンパニッケルでしょう。
ドイツパンの看板を揚げているパン屋さんなら、必ずと言って良いくらいプンパニッケルをメニューに入れています。

そのプンパニッケルの中身ですが、まず基本はライ麦全粒粉100%であることです。
尤も、パン屋さんによっては小麦粉を20%くらいミックスする例も見られます。
食工房では、自家産のライ麦を自家製粉したものを100%使用しています。

そしてプンパニッケルのもう一つの特徴は、ザワータイクと呼ばれる乳酸菌の割合の多い独特の酵母種を仕立てることです。
このザワータイクが、プンパニッケル特有の酸味を含んだ深い味わいを生み出します。

ザワータイクの種起こしは、粗挽きのライ麦全粒粉でやるのが昔からのやり方で、食工房もそのやり方を学んで踏襲しています。

ザワータイクの出来不出来は、直接プンパニッケルの品質にかかわりますので、これまで幾多の試行錯誤を繰り返しながら、現在の味わいに辿り着いています。

パンセットの中に一押しで入れたのも、このプンパニッケルです。

最近はザワータイクの出来も安定していて、食工房のプンパニッケルの味わい深さはどこにも負けないと自負する次第です。

しかしまたこれは好みの分かれるパンでもありますので、どなたにもおすすめと言うわけには行きません。
もうすでにその味わいの虜になっている方はもちろんですが、そう聞いて逆に興味をそそられたまだの方も、ぜひ食工房のプンパニッケルを召し上がって見てください。

おいしい食べ方なども、また別の機会にお伝えしたいと思います。

ちなみに一つだけ上げさせていただくと、バターとの相性がとてもいいので、薄くスライスしてバターをたっぷり塗り、ワインと一緒に召し上がって見てください。
きっと頷かれるはずです。

この秋、クマの報告が少ないと思いませんか

もちろんこれは、当藤沢集落の状況であり、私のブログの中の話です。

思い返せば昨年の秋は、クマ出没ラッシュで大騒ぎでした。
人家への侵入一歩手前の危機的状況でした。

あれから一年、ずっと出来ることは何でもやるという方針で対策して来ました。
もちろん、すべて的を得ていたかどうかは分かりません。

今年5月から7月にかけて繁殖期の頃は、立て続けに親子連れを含む複数のクマが出没しましたから、とても緊張した覚えがあります。
一人で、畑の外れの藪に近付くなど、怖くて出来ませんでした。

そして夏、クマの気配が遠のいた間に、ひたすら周辺の藪の刈り払いを行い、秋を迎えました。

9月の終わり頃に一度だけ出没がありましたが、その後は今日までずっと出没を確認出来ていません。
4ヶ所設置してあるトレイルカメラは、いずれももう一ヶ月以上の間クマに関してはノーヒットです。

一体どこへ行ったのでしょう。
絶対にいなくなったわけはありませんから。

この前も申し上げましたが、山の実りは大豊作なので、人のいる場所に出て来なくても済んでいるということなのでしょうか。

ところが、他の地区ではクマの出没は減っていないと聞きます。
また全国的には、今年は昨年に比べてもクマの出没件数は飛躍的に増加しています。

この我が藤沢集落の状況は、ある意味対策が功を奏していると言えるのかどうか、そこはまだ分かりません。

来年になって、また繁殖シーズンの頃、今年と明らかに違って良い状況になっていれば、初めてその結果が見えるのかも知れません。

いずれにしても、クマの数を減らしてもらわないことには、いつまで経っても安全は約束されません。

ちなみに、今シーズンはこれまでに、当地内で3頭捕獲駆除されています。
4頭目の駆除も申請し罠の設置をしましたが、期間内に捕獲出来なかったようです。

ま、獣害対策に終わりは無いと思っているので、今後も出来ることは何でもやり続けます。

シュトレンのご予約、道の駅あいづでもOK

食工房

画像クリックで拡大表示します。

今回、「道の駅あいづ 湯川・会津坂下」物産館にて、シュトレンのご予約とお受け取りが可能になりました。

山都町の本店までご来店いただけるのでしたら、それはそれで大変ありがたいのですが、便利な場所にある「道の駅あいづ」でご利用いただくことも可能です。
食工房のシュトレンが、一人でも多くの方の目に留まることを期待しています。

一方、パンセットの方も次々出荷しています。
今週は、まとまった数を出荷するため、臨時に月曜日にもパンを焼くことになりました。

中身は、パンセットに使うメニューのみ限定です。
店売り分を少し入れるかどうか、今思案中です。

明日は、今日焼いたパンがまだありますので、ご心配なく。
明日も、皆さまのご来店をお待ちしております。

シュトレンご予約、溜まって来ました

止むを得ず値上げに踏み切った今年のシュトレンですが、少しずつご予約が増えて溜まって来ました。

一方、製造はまだ取りかかっておりません。
と言うのは、今一つ冷え込みが足りないからです。
焼いた後にしっかり冷えて、バターがカチカチに固まる冷えが必要なのです。
再来週あたりになれば、気温も下がって製造に取りかかれるのではと思っています。

一方、パンセットの方は、次々出荷しています。
ご予約も、予定枠(50セット)の半分は超えました。
まだ残りがありますが、無くなる時はあっという間ですから、どうしようかなと迷っていらっしゃる方、お早めに決断してご予約くださいね。

明日も、パンセットの分も含めて沢山パンを焼きます。
店の内外は、ずっといいにおいが漂っています。

皆さまのところまで届けばいいのですが・・・。

多くの方のご来店、心よりお待ちしております。

本日、多数ご来店御礼

本日は、平日にも関わらず多数ご来店いただき、まずは一言御礼申し上げます。

このような山の中の辺鄙な場所までご来店いただくのは、本当に気が引けると言うか、大変ありがたくまた申し訳ない気持ちにもなります。

パン屋なんて、本当は便利な街中でやればいいような商売ですが、私の身勝手な理由でこのような場所を選んだわけですから、一人も来てくれなくても文句は言えないのです。

ですから、いつも心がけていることは、はるばるここまで来た甲斐があったと思っていただけるパンや焼き菓子などの商品を提供することです。
そして、委託販売先や通販では手に入らない店頭限定商品も用意して、皆さまにサプライズすることも忘れないようにしています。

おかげさまで今日はパンがたくさん売れて、在庫が少なくなってしまいました。
明日は、スコーンを多めに焼いて、焼き立てを買っていただこうかと思っています。

引き続き、皆さまのご来店をお待ちしております。

明日はパン焼きです

麦ラボ

中島第12圃場 ライ麦
麦踏み後8日経過


麦ラボ

中島第12圃場 ライ麦近影


麦ラボ

中島第13圃場 ゆめちから
麦踏み後8日経過 すごい勢いで成長しています。


麦ラボ

中島第13圃場端から圃場全体を眺める
一番奥まですべて食工房の麦畑になりました。

2日間の定休日が明けて、明日はいつものパン焼きの木曜日です。
仕込みは終わっています。

ありがたいことに、ここに来てパンのご注文が増えて来ています。
収穫の恵みパンセットのご利用が主ですが、これは当然の結果ですね。

逆に、良い企画を実施出来て良かったと思っています。
皆さまに喜んでいただけることで忙しいのは、大歓迎です。
明日も、張り切ってパンを焼きます。

畑では麦たちが勢いよく育っていますし、こんなありがたいことはありません。
来年は、件のゆめちからがどんな収穫になるのか、その小麦粉がどんな性質なのかどんなパンが焼けるのか、もう今から楽しみにしています。

明日も、皆さまのご来店をお待ちしております。

やっぱり体使うのが一番

健康維持は、一に運動二に運動そして食生活でしょう。

今日は朝から一日、麦踏み作業後半戦に取りかかりました。
5ヶ所ある圃場のうちの3ヶ所を終わらせることが出来ました。

あの重い転圧ローラーを、今日は一人で押し通しました。
管理機で中耕も全部やりました。

まあ、そんなに広い面積ではなかったし、そのくらい出来なくてどうする?程度ではありましたが、汗をかいて途中で一回下着を取り替えました。

夕方には、疲れと達成感でポワーッとした気分になりましたが、食事はおいしく食べられたし、お風呂は特別気持ち良かったし、この後は寝るだけです。

明日は定休日二日目、特別早起きしなくても良いので、明るくなってからゆっくり起き出すつもりです。

古代小麦大研究

麦ラボ

鉢植え、手前からコーラサン小麦、アインコルン小麦、エンマー小麦
一番奥は関係なし


麦ラボ

エンマー小麦近影


麦ラボ

アインコルン小麦近影


麦ラボ

コーラサン小麦近影
真っ白な個体が1本だけ見えると思います。
世にも珍しいアルビノ(白子)です。

食工房麦ラボでは、もう10年余りにわたり小麦の研究を続けています。

事の発端はすでに何度かお話していますので省略しますが、その中で古代小麦はとりわけ重要なテーマです。

これまでに入手した古代小麦の品種は、スペルト、エンマー、コーラサン、アインコルンの4種類ですが、スペルト小麦だけはいち早く実用段階に達し、今年は400kgを超える収穫を得ました。

残る3品種は、種の保存のみを細々と続けている状況ですが、今年はちょっと珍しい現象が起こりました。
というのは、コーラサン小麦が発芽した中にアルビノが出現したのです。

アルビノというのは、体細胞中にメラニン色素が欠落する遺伝疾患がある個体です。
そのため、外見が真っ白に見えることから「白子」とも呼ばれます。

アルビノは、凡そほとんどの生物種に見られる現象で、人を含む動物にもまた植物にもその例が見られます。
植物の場合、光合成色素の欠落が起きているので、発芽はしてもその後の成長は出来ず、種子の栄養分を使い切った時点で枯死するとされています。

とにもかくにも、世にも珍しい古代小麦のアルビノ出現です。
最後まで観察します。

一方、これら3品種の古代小麦ですが、少しずつ種を増やして実用段階に持って行きたいと考えています。
5㎏くらいになれば、畑1枚くらい作付け出来ますから、そこから100kgを超える収穫が得られるでしょう。
安定的に維持するためにはそのくらいの規模にした方がいいですね。
その価値は十分にあると思っています。

ま、それをするだけの余力があるかどうかは別にしてですが。

日が短くなって来ました

麦ラボ

第4圃場 南部小麦
麦踏み、中耕後6日経過
倍旧の勢いで成長しています。


麦ラボ

第4圃場 南部小麦近影
麦踏み、中耕後6日経過

もう夕方5時になればあたりは薄暗くなり、外で作業は出来ません。
夏の頃とは逆に、午後の空いた時間に外で農作業をし、夕方になったら食工房で翌日の製造のための仕込み作業や片づけなどを時間いっぱいするという時間の使い方になっています。

早朝も朝露で濡れていますから、結局畑で作業は出来ません。
その時間も、食工房で仕事をすることになります。

季節により、お天気により、臨機応変に仕事を切り替えて行くのが、半農半商成立のポイントだと思っています。

おかげさまで麦も順調に育っています。
パンのご注文も増えて来ています。
忙しさは倍増していますが、気持ちは充実しています。

これから寒くなる季節ですが、心の中は熱くしてがんばります。
そのエネルギーが、パンを通して皆さまに伝わればいいなと思いながら仕事しています。