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クマの気配、遠退く

一週間前の夜を最後に、どの地点のカメラもクマの姿を捉えることが無くなりました。
食べ跡、足跡、漕ぎ跡、糞などの痕跡もありません。

この状況で判断出来ることは、多分、この周辺の間近に冬眠場所はないだろうということです。

それから今、山の奥にはドングリが沢山落ちて食べ放題の状況があるのだろうと推測しています。

今年は、例年と比較して圧倒的に多数のクマが捕獲駆除されましたので、山の中の生息密度が幾分低くなった可能性もあります。

もうそろそろ冬眠に入る時期にも差し掛かっています。

そして、このあたりの強い排除圧力が、多少なりとも功を奏しているかも知れません。

それとかかわりがあるかどうか分かりませんが、イノシシも出て来ていないようです。

その代わりにかどうか知りませんが、シカの鳴き声を度々聴きます。
今のところ、川の向こうのエリアです。

とりあえずそのようなわけで、降雪も近いことから、電気柵の撤去作業を始めました。
設置の時よりはずっと速いとは言え、結構な手間暇がかかります。

ま、クマとはしばらくの間、休戦です。

さて明日は、また定休日明けの木曜日、パン焼きの日です。

おかげさまで、収穫の恵みパンセットが大好評、そのため仕込みがいつもより多くなっています。
ありがたいことです。

明日も、温かいコーヒーなどご用意して、皆さまのご来店をお待ちしております。


「紙版・飯豊の空の下から・・・」No.85 2025年11月号をご覧いただけます。

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どこに居ても、どこに行っても

昨今のクマ出没に関わる騒動を見ていると、もはやどこに居ても、どこに行っても、いつでもクマに遭遇する可能性があるのだなと思わずにはいられません。

よほど大都市の中心市街地ならいざ知らず、地方の小都市では県庁所在地のような大きな街の中心市街地にもクマが出没し、空き地や公園は言うに及ばず、住宅地や学校や商業施設その他にも侵入しています。

当然のことながら、ケガ人も発生していますし、亡くなられた方も少なくありません。

これからは、自分のいるところはもちろんですが、どこかに出かける時も、行った先の安全を常に気にしながら行動しなくてはならなくなりました。

また、夕方は暗くなる前に帰ろうとか、逆に早朝は避けようとか、様々行動に抑制力が働きます。
多分、ありとあらゆる社会活動、事業、商売などに少なからぬ影響が出ていることと思います。
それらによる損失は、もはや無視出来ないほど大きくなりつつあるのではないでしょうか。

さすがに、クマをこのままにして置いていいはずが無いと、誰もが思い始めているでしょう。
世の中も少しずつ動き始めたように見えますが、実際に変化が見え成果が上がるまでには、まだまだ時間がかかると思います。

戦いは、これからです。
必要なのは、市民である私たちの覚悟です。
それが無いと、行政や警察や自衛隊が何をしようとしても、どこかで暗礁に乗り上げ行き詰まります。

クマは、いなくていいです。
心配しなくても、絶滅させることは恐らく出来ませんから、とにかく今は徹底的に数を減らして行けば良いのです。
そしてクマだけでなく、シカもイノシシも、ニホンザルも、野生動物の数は今よりずっと少なくていいはずです。

直接的な獣害はもとより、感染症などの間接的な害も、本当は知らないだけで実は大変深刻です。
もっともっと、獣たちの及ぼす害の実態を詳しく知る必要があると思っています。
そしてそれらを承知した上で、自然との付き合い方もあるのだということを、強く感じるこの頃です。

定休日という名の多忙日

明日(11/18・火)と明後日(11/19・水)の2日間、食工房は定休日となっております。
お間違えのございませんよう、よろしくお願いいたします。

一方、私にとっては、休養出来ればいいのですが、そうも行きません。
生活上の必要に迫られて、いろいろな用事が山積みです。

昨日も申し上げましたが、直ぐにもやらなければならないのが雪囲いの設置です。
あといろいろありますが、間に合わなければ間に合わないで、どろなわでも何でも最後までやるだけです。

己が選んだ道を歩いているので、何にしたって嫌々ということはほとんど一つもないのが、何よりの救いです。

ま、辛く苦しい時が多々ある一方、うれしい瞬間もいっぱいあります。
と言うか、喜びと言うのは、ほんの一瞬でもそれまでの苦難をすべて消滅させるほどの力がありますからね。

物事、終わり良ければすべて良しの倣いに従って生きて行けば間違いないと思っています。

さあ、明日も忙しい一日になりそうです。

クマはどこへ行った

数日前を最後に、周辺からクマの気配が消えました。

7台設置してあるトレイルカメラのいずれにも、クマの姿はなくキツネやタヌキなどが見られるのみ、イノシシの姿もありません。

クマに関しては、冬眠を前に居場所を変えた可能性があります。
とすると、この近くでは越冬するクマはいないのかも知れないと、淡い期待も持てる状況です。

ここ最近の相次ぐ駆除対応などで、クマたちは強い排除圧力を感じているのかも知れません。
尤も、まだもう少し先まで様子を見ないと、正確なところは分かりませんが・・・。

で、一昨日の夕方でしたが、ここから1kmほど離れた集落で、子グマが単独で目撃されたようです。
ひょっとするとですが、タルコの子で生き残ったピタコが生き延びようとしてあちこち放浪しているかも知れません。

それは別にしても、行く末は厳しいと思います。
多分、当年子の子グマが単独で冬を越すことは、ほぼ不可能です。
気の毒ですが、冬の間にどこかで息絶えてしまうでしょう。

明日から厳しい冷え込みが来るようです。
降雪の予報も出ています。

私にしても、まだ何の支度も出来ていません。
雪囲い、電気柵撤去、周辺の片付け、そして除雪機の修理、どれもこれも手が付いていません。

みんな、クマのせいです。

紅葉がきれい

今年の秋は、厳しい残暑で始まり、今頃になって今度は急な冷え込みがやって来ています。
このような急激な温度変化があると、紅葉が鮮やかに美しくなると言われています。
ここ数日、それをそのまま絵に描いたような鮮やかな紅葉が見られるようになりました。

こんな時、明るい林の中を歩きたいものですが、ちょっと待った!クマが・・・というわけで、二の足を踏んでいます。

でも、遠目に見ても、とてもきれいです。
今日は秋晴れの空の下、鮮やかな紅葉が目に沁みました。
そして夕暮れ時、夕焼けに染まる紅葉は、炎の様に燃えていました。

ふり返れば飯豊山はもう真っ白。
きれいな景色に囲まれて、ここはいいところです。

クマの動き、また変わる

以前にもそういうことがありましたが、ここ数日来、トレイルカメラに全くクマの姿が映らなくなりました。
この前のタルコ駆除を境に、クマたちの動きに変化が起こったのかも知れません。

あと一つ、p6地点から上った先にある墓地で、今、墓仕舞いの工事が一件進んでいます。
朝から夕方まで、工事関係の車両が止まり、複数の人が出入りしているため、クマは敬遠しているようです。

ここは、クマにとってもその他の獣にとっても、重要な通り道になっています。
そこを抑えられているので、動きが変わったとしても不思議ではありません。

一方で、イノシシの姿が見られるようになりました。
クマが出没している間、どこに行ったものか全く姿を消していたのですが、入れ替わりにその姿がトレイルカメラに映るようになりました。

冬眠の時期が近づいているクマですが、こうした撹乱要素が働くと、スムーズに冬眠に移行してくれるかどうか心配になります。

ま、クマが冬眠してくれても、今度はイノシシとの戦いになるので、それはそれで困ったものです。

今私が一番欲しいもの、それはマタギの心得と銃です。
無理は分かっています。

タルコ駆除、そして

子グマ一頭を連れて度々出没を繰り返していた母グマ・コードネーム =タルコは、今朝方わなにかかり駆除されました。

一方、子グマ・コードネーム=ピタコは、わなにかかっていなかったため取り逃がしてしまいました。

私も駆除に立ち会いましたが、この時、タルコの体のサイズや特徴を知ることが出来ました。
特に重要な情報として、胸の月の輪と呼ばれる白い部分の写真を撮りましたので、あとでトレイルカメラに映っている映像を見ながら詳細に検証した結果、タルコに間違いないと結論しました。

しかしそれで一件落着ではありませんでした。
実は、トレイルカメラが捉えた母子グマの映像の中に、タルコ+1ではないものがあったのです。

それは、11/3の記事の中で触れた情報です。

この時の子グマ一頭を連れて現れた母グマを、このエリアでこのタイミングならタルコ+1に間違いないはずと思い込んだのは無理もないことでしたが、それがそうではありませんでした。

今日、実際にタルコが駆除されたことで、それがはっきりと分かりました。

ということは、このエリアの中にもう一組いるということです。

子グマは2頭というのがよく見るパターンなので、子グマ1頭=タルコと思い込んでしまったのですね。

この他に、単独行動のクマも複数いることが分かっていますので、このエリアだけで一体何頭のクマがいることになるのか、ちょっと想像しただけでパニックになりそうな状況です。

人と野生動物の関係性は、これまでとは異なる次元に入ったかも知れない

私がまだ小さい子どもだった頃、普通に言われていたことは、「野生動物たちは皆、本能的に人間を恐れているのだ。」というものでした。

私も、それを疑うこともなく信じていましたし、実際野山で野生動物に遭ったこともありませんでした。

一人で山の中を歩き回っても、何も不安を感じることはありませんでしたし、中学生の頃、一時間以上もかけて山道を歩いて登校して来る子もいました。
冬など、暗くなった山道を一人で歩いて家に帰って行く子もいました。
本人も親たちも、先生も友だちも、誰も心配なんかしていませんでした。

それが最近はどうでしょう。
その変り様は、にわかに理解が及ばないほど大きなものに思えます。

この私にしても、大人になってもずっと以前の常識が通用するものと信じていましたし、人と動物たちの関係性を疑うことなどあり得ないことでした。
クマがいるここ会津に暮らすようになってからも、しばらくの間、相変わらず能天気な感覚でいたことは確かです。

しかし、ここ十年ほどの間に、少しずつ感覚が変わって来たと自覚しています。
きっかけは、実際にクマに畑を荒らされ、一夜でかぼちゃが全滅、続けて次の一夜でトウモロコシが全滅の被害を受け、仕掛けた箱罠に特大サイズのクマがかかり、その姿を目の当たりにしたことでした。
その迫力に、頭が真っ白になったことを、強烈に今でも覚えています。

それでも、クマは真昼間に人の前に出て来ることはありませんでした。
まだ、どこか人を警戒する態度が感じられ、日中ならクマが歩いたであろう場所を歩くことに、さほど大きな不安は感じませんでした。
※実は、その思い込みはとても危険だったと、今は理解しています。

そして最近に至って、クマをはじめとして野生動物たち全体が、いつの間にか人への警戒心を持たなくなっていることに気が付いたのですね。

どうして?と言うなら、それは私たち人が動物たちに対して何もしないで来たからに違いありません。
一部の狩猟を趣味や生業にする人を除けば、一般の我々は、野生動物たちのことにかまう機会はなかったのですね。

一方で、動物愛護の思想だけはどんどん普及して、ますます強固な信念にまでなった様相があります。
そのような時間が過ぎて行く間に、動物たちがどのような学習をし続けて、どのような感覚を持つに至り行動するようになって来たか、そのことにまだ気がついてもいないというのが、私たちの現在地です。

本当は、人はあらゆる生き物たちの中で、一番身体能力が劣る動物だということです。
しかし一方で、持てる知恵を駆使して、卓越した狩猟者になったこともまた確かです。
過去何万年かかったか知りませんが、そうして野生動物たちに恐れられる存在となったのも、また人類でした。

その魔法が、あろうことか最近解けてしまった感があるのですね。
人は、本当は簡単に倒せる弱い生き物だ・・・ということがバレてしまったかも知れません。

もしそうだとしたら、取り返しのつかない大失敗をしてしまったことになります。
これからは、人は、クマなど強い動物の餌食になる存在として、自然界での位置づけが確定してしまうということです。
異なる次元に入るということは、つまりそういう意味です。

何とかして、それを回避しなくてはなりません。
今からでも間に合うでしょうか。

最近、そのことがいつも頭から離れない私です。

クマ騒ぎ

今朝方、当集落内の民家の物置の屋根の上にクマがいるのが目撃されました。
駐在署員、役場の担当者などが駆けつけて一騒ぎあったようです。

私たちは、ちょうどパン焼き作業で忙しくしていましたから何も知らず、後になってから話が伝わって来ました。

集落の中心も中心、商店や老人施設(元小学校)などがある場所ですから、これはもう大変です。

否、ここは皆で額を寄せ合って知恵を絞って、何か打つ手を考えなくてはなりません。
どうしたらよいでしょうか。

一方、この前から仕掛けてある箱わなには、獲物は掛かりません。
しかし、昨日の夜、クマが現れました。
これで二度目ですが、今回もわなを気にすることもなく、離れた位置をただ通り過ぎて行きました。
誘因用のエサとして仕込んであるハチミツには、どうやら興味がないようです。

もうすぐ冬眠の季節なのですが、この調子では、冬になってもクマがうろつく事態になる可能性もあります。
早く駆除しておかないと、最後はこうなるという見本のような状況です。
とにかく、誰もケガをしないことだけを祈ります。

明日と明後日は定休日です

毎度申し上げております。
明日火曜日11/4と明後日水曜日11/5は、食工房の定休日となっております。
店は休業しておりますので、お間違えのございませんようよろしくお願いいたします。

さてさて、このところ不安が増しているクマの出没に関してですが、相変わらず捕獲は出来ていません。
肝心のクマたちは、わなを設置してある場所にはいちど現れたキリで、それ以後全く近づいても来ません。

そして、それ以外の別な場所には頻繁に出没し、残った柿を食べ歩いています。
人家の直近にも進出して来ましたので、カメラを移動設置して追跡していますが、大胆にもカメラを舐めて臭いを付けて行きました。
問題行動ですね。
この次は、カメラをかじって壊される可能性もあります。

そして本日18時頃、暗がりの中で目撃した情報も伝わって来ました。
そこは、また少し遠く離れた場所ですが、親1頭と子1頭だったそうですから、予てこちらでマークしているタルコ+1かも知れません。

だとすると、その行動範囲の広さに驚かされると同時に、わなを仕掛けても捕獲は難しいかも知れません。
もうじき冬眠の季節になりますが、どこで越冬しようとしているのかを見極めなくてはなりません。
そして出来れば、その前に捕獲出来たらいいなと思っている私です。

獣害対策

p6地点の直近に、新たに p6-1 を追加
直近の人家まで25m以内


獣害対策

母グマ(タルコ)と子グマ(ピタコ)
カメラに近付き、レンズを舐めて行く。


獣害対策

この夜早い時間 20:07 p8地点を通過して行くタルコ+1