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アメリカは、本当に戦争する気なのだろうか・・・

今日8月15日は終戦記念日、日本の降伏により第二次世界大戦が終結した日ですね。
72周年を迎える今年の終戦記念日は、何とも憂鬱な気分で迎えることになりました。

言うまでもありません。
北朝鮮とアメリカの関係が、これまでになく緊張しているからです。
ここ数日来の双方の激しい言葉の応酬に、ひょっとすると戦争が始まるかも知れないと感じたのは、私一人ではないと思います。

彼の大戦後の負の遺産とも言える、東西あるいは南北に分断された国の中で、朝鮮だけが未だに南北二つに分断されたままです。
しかも紛争は目下休戦中というだけで、終結したわけではありません。
この先何時ということは別にしても、近い将来何らかの決着を付けないわけには行かないでしょう。

当時とは、世界情勢も周辺国情勢もすっかり変わってしまいましたが、今度は北朝鮮とアメリカが直接対立しているのですね。
そして周辺国である韓国と日本はこれに深く関わっており、何かあれば巻き込まれないわけには行きません。

数日前北朝鮮が予告したとおりに、グァム島に向けてミサイルを発射したとして、一体どのようなことが起こるのでしょう。
アメリカは、言葉通りに北朝鮮を攻撃するでしょうか?
もしそうなったら、日本も韓国も地獄を見ることになります。

逆に、とりあえず危機が回避されたとして、今度は北朝鮮は確実に核保有国への道を進み続けるでしょう。
そして近い将来、アメリカを筆頭とする核保有国に対し、相互確証破壊の関係に入ることになるでしょう。

そうなったらそうなったで、朝鮮半島情勢はもちろんのこと、日本も大きく影響を受けないわけには行かないでしょう。
それもまたある意味地獄です。

現実的に考えて、この際、我が日本にはどのような選択肢があるのかないのか、とてもとても難しい、悩ましい状況下にあることは間違いありません。

私は、政治家でもなければ評論家でもありませんから、具体的な考えは申し上げませんが、この際、国際間の平和とはどのようにして維持され得るのか、理想の平和思想非暴力無抵抗主義は一個人の在り方として可能であるとしても、社会国家に対してそれを求めても、決して実現することはないのかも知れません。
自らの利益のために樹策を巡らし暴力さえ肯定する人たちも共にいるのが、この世界の現実ですから。

憂鬱です。

風評被害、今更に・・・

今朝のNHK県内ニュースで、私たち生産者としては大変気になる情報が流れていました。
福島県産の食品が、相変わらず風評被害にさらされているという内容でした。

実は東日本大震災後、消費者庁が全国の主要都市の消費者を対象に、食品における残留放射能のリスクに対する意識調査をしています。
第1回の平成25年3月から今年10月まで、半年に一度合計8回の調査の結果が公表されています。※1

この10月の調査の結果を見て、特に注目したいのは、福島県産の食品が放射能検査を受けていることを知らないと答えた人が、34.8%(3人に1人以上)もいたということです。
この数値は、調査開始以後、若干の起伏を伴いつつも少しずつ増えています。
そして、福島県産の食品の購入をためらったり避けたりする人も16.6%いて、こちらは調査開始以後微減傾向ですが、前回の調査比では0.9%増です。

その他の項目も合わせて全体から見えて来るのは、消費者の方々の関心離れの傾向と、その一方で何となく気分的に福島県産を敬遠しているという傾向です。
日々努力している私たちとしては、大変ショックと言うか、言葉を失う結果です。

一方、人の関心なんて案外そんなものなのかも知れない・・・、とも思います。

もちろん今後も、検査は継続して受けますし、情報の公開もして行きます。
しかし、やたら声高に叫んでも、届かないものは届かないし、伝わらないものは伝わらない・・・。
限界を感じます。

出荷量が、5年経った今でも震災前の半分以下という生産者は、少なからずいるのです。

残留放射能の害は、もはや実体は無くなっていると言って良いのですが、その印象だけが風のように漂って、人々の心に不安をまき散らしているのですね。
まさに風評被害、今更に・・・という実感です。

※1 詳しくご覧になりたい方は、消費者庁のホームページの「食品と放射能に関する消費者理解増進の取組」のページを参照してください。<参照>

私たちは、誰を何を相手にしているのか・・・

先日、「こんな記事が目に留まりました。」とご紹介した記事<元人質が語る「ISが空爆より怖がるもの」>をお読みになられましたか?
そしてこの記事をお読みになられた方、どのような感想を持たれたでしょうか。

この記事を書いたブレイディみかこ氏のもう一つの記事があります。
<パリ同時多発テロ:レトリックと復讐。その反復の泥沼>

この二つの記事を読みながら、私は、ISに関して、私たちは、一体誰を何を相手にしているのか・・・本当に分かっているのだろうか・・・と思わずにはいられませんでした。

私たちが、彼らのテロ行為に対し断固たる態度で制裁を叫ぶ姿は、彼らにとっては祝福なのであり、ますます彼らを勢い付かせる力にしかならないとしたら、他に私たちは何が出来るでしょうか。

件の記事にもあるように、先に我々を殺すことが出来れば自分は喜んで殺されたい(または自殺したい ※自爆テロのこと)という敵を目の前にして、自己を防衛するために何が出来るのか・・・、そこはよくよく考えて見なくてはならないでしょう。

そしてもう一つ忘れてはならないことがあると思います。
それは、ISのメンバーは皆、私たちのいるこちらの社会・世界で生まれ育った子どもたちだということです。
※ISのメンバーは、ほとんどが若者だということを念頭においてください。

そして、次々と志願してメンバーに加わる若者が後を絶たないということは、それは私たちのいるこの社会・世界の病理だということでしょう。
こちら側に原因があるかも知れないという視点に立たない限り、テロを根絶することなど出来はしないと思うのですが、いかがでしょう?
それに関連して、もう一つ興味ある記事をご紹介します。
CUI BONO (得をするのは誰だ)

この記事を読んでも分かるとおり、ISから石油を買って彼らを潤しているのは誰なのでしょう?
そしてその金で武器弾薬を買わせて潤っているのは誰なのでしょう?
そうやって彼らに力を与え、ますます強大化させるエネルギーを送っているのは一体誰なのか・・・。

今や世界の脅威となったテロに対し、私たちは、誰を何を相手にしているのか、実は分かっていないのではないかと思う私です。

世界は、悩み深き時代に・・・

言うまでもありません。
先日、フランスはパリで起こった同時多発テロ。

いろいろな意見が飛び交っているようですが、多くの人は戸惑いを隠せないようです。

私は、思っています。
とうとうここまで来たか・・・と。

そしてこれは、私たちが今まで信じて来た常識とか正義とか善と呼ばれるものの中に、何か決定的な間違いがあったのかも知れないと。
それは何だろう・・・。

そう簡単には答えは出ないと思います。
でも、気づかなくてはならないでしょう。
このままでは行き止まりにしか見えませんから。

この次、どんなことがこの世界に起こるのか・・・。
あまり考えたくありませんが、向き合わないわけには行かないでしょう。

自分が当事者になることがないとは、もはや誰にも言えない状況に、この世界はなってしまった・・・。

この先何年、否何十年、世界は悩み深き時代に入ったのだと思っています。


カレンダー

2016食工房オリジナルカレンダー

モノが手に入らなくなる時代

全く漠然としていて分からないタイトルを付けていますが、最後にはご理解いただけるものと思って進めます。

皆さまご存じの通り、食工房の看板メニューの一つにライ麦のパンがあります。
現在、地元の農家さんに作付けしていただいたライ麦を使用して、大変納得の行く製品づくりが実現しています。

これが昨年の今頃は、カナダ産のライ麦を仕入れて使っていて、その品質が例年になく悪くて困っていました。
あの小さい麦粒を、目視手選別していたのですよ!
たった1㎏を選別するのに1時間もかけて・・・。
当然、仕入れ先にクレームを申し入れましたが、明確な返答はありませんでした。

そしてライ麦の収穫期を迎えて、やっと地元の農家さんから原穀が入荷して一安心した頃、カナダ産ライ麦の仕入れ先からは、結局天候不順による減収のため前年度分の在庫終了、新年度分は港湾労働者のストライキの影響で現地で船積みが出来ないため、入荷の目途が立たないという通知が届きました。

ま、こちらとしては、その時点でカナダ産に頼る必要が無かったので、そのまま聞き流していたのですが、どうやら大変なことになっていたらしいのですね。
今日また改めて届いた通知によると、昨年夏に収穫されたライ麦原穀は、まだカナダを出てもいない状況だとのこと。
日本への到着は、2月以降かさらに先になる見込みだそうです。

そしてこれも前例があって分かっていることなのですが、日本に着いてからも通関業務が渋滞して数か月間税関に留め置かれることも珍しくないのですね。
そうこうしているうちに、今年の収穫期にかかりますよ!
1年遅れで入荷だなんて、笑い話にもなりません。

食工房では、2008年から地元の農家さんにライ麦と小麦の作付けをお願いして来ており、量的には間に合わないことが多いものの、次第に定着しつつあります。
いずれ近い将来、ライ麦だけでも100%地元産を実現したいと思って取り組んでいます。

それはそれとして、輸入品の入荷が思うに任せないという今回のような状況、一体何が起こっているのでしょう?
アメリカ西海岸の港湾労使交渉の問題も、なかなか根が深そうで、一気に解決は望めそうにもありません。

また日本の税関業務の渋滞も以前から慢性的で、コーヒー豆でも新豆の入荷を長いこと待たされた覚えがあります。
そして仮にそれらの問題がなかったとしても、昨年のライ麦の場合のように不作で、欲しくてもモノが無いということもあり得ます。

私たちの生活を支える重要な物資が、手に入らないという事態がある日突然やって来る・・・みたいなことが、これから次々本当に起こるのかも知れません。
自分たちの足元、もっと気をつけて見なくては・・・と思っている私です。

参考資料 アメリカ西海岸における港湾労働労使交渉の顛末(2014年の資料)

国内でも物流危機が・・・ 「NHKクローズアップ現代・モノが運べない!?物流危機」

衆議院議員選挙

皆さますでにご存じのとおり、衆議院議員の選挙があります。
選挙戦が始まっています。

何で今・・・?
争点がない!
国民の無関心。
投票率は一段と下がるだろう・・・。

いろいろなことが言われます。

でも、仕掛けた方にすれば、ちゃんと理由があるはずでしょ。
そういう作戦なわけですよ。
それに乗せられるをどう思うかは、お一人お一人のご自由というわけ。

「一国の国民は普通、自分たちの平均的レベルを超える国会議員を持つことは出来ない。また一国の政治が総理大臣の器量を超えることは無い。国家の価値は、結局、これを組織する人民の価値である。」

英国の哲学者、ジョン・スチュワート・ミルの至言だそうです。

これ以上、黙っていようと思っていたのですが・・・

他でもありません。
例の漫画「美味しんぼ」の件です。

言わせてもらいます。
まず、この漫画の一番の罪は、市民の分断を助長していることです。

一つの作品(芸術・・・と言う人もありますが)として、表現の自由の云々と言う意見があることも知っています。
しかし、「美味しんぼ」は、今現在起こっている社会問題を実名を使って表現しているのですから、ノンフィクションでありドキュメンタリーであり、ニュース解説や論説に等しいものだと私は思います。
そこに、批判や異論が出るのは当然だし、受けて立つのが筋です。

この件に関しては、私などよりももっと直接かかわりの深い、漫画「美味しんぼ」最新号に登場する、福島大・荒木田准教授と直接関わりのあった、福島市在住の友人のブログ記事に触れていただきたいと思います。
<参照>

人の住めない福島ですか。
住んではいけない福島ですか。

では、そこに暮らしている我々は、何なのでしょう・・・。
物を造って売るなんて、トンでもないですか?

「美味しんぼ」は、真実にも事実にも触れないクソ漫画です!
<こちら>も見てください。

後始末の出来ない国になった・・・

今、一番の騒ぎはというなら、例の漫画の話題でしょう。
私は見てもいないので、直接話題に触れることはしませんが、この事件、どんな顛末になって行くのでしょうね。

このところ世間を騒がせる事件の数々を見ていると、後の始末ということが出来ないまま話題から遠ざかって行きます。
否、いちいち気にしていられないくらい、次から次へと騒がしいのですから、それもいたし方ないのでしょうか。

何と言ったら良いのでしょう・・・。
いつの間にか、後始末の出来ない社会に、国になったのかな・・・、この日本は・・・と思いますね。
その最たるものが、福島第一原子力発電所・・・否、もう発電はしていませんので、この名称は正しくないかも・・・。
いわゆるフクシマですね。

一事が万事。
今回の漫画の騒動で、もうこの国はグチャグチャ、ドロドロの手が付けられない状態になりはしないかと、心配でもあり、楽しみでもあり・・・なんて言ったら不謹慎でしょうか。

でも、福島県に住んでいる私たちは、これで全員が当事者になったわけですからね。
これは、ある意味見ものと言うか、やっぱり楽しみですね。
さあ、どうしてくれるんだ!ってことで。

福島のことは、福島に来て一年間くらい住んでみて、それからものを言ってくれ!と、私は思っています。

いや、もう大変!

価格の改定をお願いしますと、昨日告知申し上げて、今日改めて読み直して、つくづく思います。
これはもう本当に大変なことなんだと。

3月のうちに・・・と、微々たる効果しかないと分かっていても、この際バターを多めに買い込んでおこうかなと思ったり、プリンターのトナーを注文したり、今日は車のガソリンを満タンにして来た私です。

皆さまも、何か対応されましたか。
でも、こんなことくらいしか出来ないというのも、もどかしいですねぇ。

この後10%になるのでしたね。
何を買っても、その場で10%分の税金を払う・・・、理不尽だと思います。

北欧では、消費税率23%の国もありますが、食料品と医療費には課税せず、逆に贅沢品には沢山課税してその平均が23%ですから。

所得の再配分、富の再分配という観点から見れば、日本は格差を助長する方向に舵を切っています。
これからますます、暮らし難い国になります。

せめて食工房は、いいものを安く売りたいと思っているのですが、意に反して値上げしなくてはなりません。
本当の話し、年収や資産に応じて違う値段で売れるのならいいのですが。

配偶者控除廃止の議論に思う

夏休み

パパと一緒に花火だよ!

安倍政権がこの度、配偶者控除を廃止の方向で検討に入ると、伝えられています。
以前からそのつもりであったことは何かの記事で知っていましたが、具体的になった今、一言申し上げておきたいのです。

配偶者控除を廃止する側の理論は、女性の活用を一番の理由に挙げています。
女性が、もっと社会に出ることを促すことが、つまり生産労働に従事させることが目的です。
そうしないと、人口減少の時代に経済の維持が出来なくなると。
そしてそれに呼応するように、少子化対策は、子どもを安心してあずけられる環境を整えようという方向です。

何かが違うと、もうずっと前から思っています。
専業主婦のどこがいけないのか。
子どもは、両親のもとで育つのが一番いいのだと思います。
そのための環境整備をしたらいいのに・・・。

昔の話しですが、ある若い夫婦がいて出産を迎えることになりました。
夫は、会社に6ヶ月の間、育児のために休職したいと申し入れましたが、それなら辞めてくれと言われて辞めました。
もちろん会社にしてみたら、6ヶ月もの間人材が不足することになりますし、その間だけ都合良く代わりの人が見つかるとは限りませんから、いっそのこと退職したもらった方がいいのは分かります。

でもね・・・何かが違うのですよ。
つまり、物事を考える目線が子どもの目線でなく、大人の、社会の目線なのですね。

つい先日のベビーシッターの事件、皆さまはどう思われましたか。

幼い子どもたちがこのような環境に置かれていること、それはそのままこの社会の未来を暗示しているように私は思います。
安倍政権が考えているような少子化対策や子育て支援の方向性では、子どもたちに明るい未来をプレゼントすることは出来ません。
これから一世代回らないうちに、私たちの社会は、もっともっと厳しい結論を突き付けられることになるでしょう。

こんな話を思い出します。
自分の皿を洗っても一円にもならないが、他人の皿を洗うとお金が稼げる。
全てがこの理屈で回って行くと、どんな世の中になって行くのか。
考えただけで薄ら寒くなります。