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圃場整備、順調に

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定点観測 20220822
中島第2圃場は、辛うじて耕作可能。
中島第3圃場は、現状耕作不可能です。
手前の小豆のおばあちゃんの畑も、耕作不可能です。


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中島第2圃場 ライ麦の指定席
手前側半分は耕耘出来ましたが、奥の残り半分はまだ土が軟らかく耕耘出来ませんでした。


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中島第4圃場 南部小麦指定席
特に問題も無く、今年の作付けが出来そうです。


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中島第5圃場 試験栽培区
ここも浸水したもののある程度乾いて来ましたので、耕耘出来ました。


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中島第6圃場
今年初めて、ライ麦を収穫した圃場です。
麦わらと青草を全て細かく刻んで投入したので、すごくいい土壌になりました。


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今年から新たに麦ラボの圃場となった、中島第8圃場(約5アール)
スペルト小麦を播く予定です。


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新たに耕作放棄地を圃場整備しました。
先ずは、秋野菜を植えます。大根、白菜、キャベツ

貴重な二日目の晴天を逃す手は無いと、午後から圃場整備にかかりました。
もちろん午前中は、早朝より食工房の仕事です。

で、第1圃場、第3圃場は現状耕作不可能で、今年の作付けは断念することに決めました。
残る圃場のうち、水はけの悪い第7圃場は対策次第で作付け出来るかどうかというところ。
それ以外は、何とかなりそうです。

ただ、今年は例年のように馬糞堆肥を投入する時間的余裕がありません。
青草を生やして麦わらなどと一緒にすき込みますが、それだけでは心もとないので、場所によって化学肥料も併用することになります。
施肥量の加減が難しいのですが、これもまたいい勉強になると思います。

今日のところは、麦の圃場は荒起こしに止めています。
土はまだまだ乾いていません。
第2圃場の半分ほどが、まだ泥濘状態で耕耘出来ませんでした。
乾燥を待って再度挑戦します。

唯一、新規整備した耕作放棄地は乾いていましたので、仕上げまでやりました。
サクサクとしてとてもいい状態の圃場です。

美味しい野菜が採れると思います。
先ずは今年の秋野菜を植えて収穫し、来年は、そこにかぼちゃとさつまいもなどを植える予定です。

今回の水害によって、浸水した圃場には細かい粒子の有機質を多く含む砂又は粘土質の泥が入りました。
厚みは、多いところで30cm、少ないところで10cm内外というところ。
考えようによっては、客土してもらったとも言えます。

流木が混ざっていてはアウトですが、それがうまいことに第1圃場と第3圃場以外は、流木が入っていません。
洪水の時の水位や流れの方向などが幸いしたものと思えます。

尤も、この泥が吉と出るか凶と出るか、現状試す以外に選択肢がありませんが、今日の作業で分かったことは、全くと言って良いくらい、ロータリーが石に当たることが無かったことです。
ある意味、これは素晴らしい!
種蒔きまであと一ヶ月、お天気に恵まれることを祈っています。

さて、申し遅れましたが、明日と明後日は、食工房は定休日となっております。
お間違えのございませんよう、よろしくお願いいたします。

あれは何だったんだろう

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ライ麦原穀
左から順に、正常粒、穂発芽粒、穂発芽直前粒、麦角菌汚染粒、正常粒

2014年7月に「麦拾い」というタイトルの記事を書いています。<参照>
状態の悪いライ麦原穀の目視手選別に辟易しているという内容の記事なのですが、自ら麦を作付け収穫するようになった今、改めて当時を思い出しながら、あれは何だったんだろうと複雑な感慨の念に囚われる私です。

当時、食工房が入手先としていたのは、オーガニックの製パン製菓用の素材を輸入販売している有名な専門業者でした。
ドライフルーツなどは、市販品とは一線を隔す秀逸な品質を認めていました。
オーガニックのライ麦原穀を入手出来るのは、そこ以外知りませんでしたし、食工房はその業者さんに全幅の信頼を置いていました。

それが、件の記事にあるように、全く酷い状態の原穀が提供されたわけです。
では、それ以前は問題が無かったのか?と言えば、そうでもありませんでした。

しかし当時は、オーガニックは何物にも勝る最善の計らいだと信じていましたから、とにかく無農薬、有機栽培で出来たものが最高であり、多少の虫食い跡や病害痕、カビの発生などは、それが自然の産物である証拠だと好意的にさえ受け取っていました。
ですから当初は、何でもそのまま丸ごと全体をいただくのが自然食の本義だと、疑うことなく製粉機にかけていました。

それが、件の状態の悪い原穀を目にした時、さすがにそのまま製粉機にはかけられないと、初めて疑いを持ちました。
その結果、麦拾いに至ったわけです。

今だから言えますが、あんなことをしなければならないものを出して来るなど、認識のある業者のすることではありません。
そもそも、廃棄すべき品質のものでした。
要するに、自分も無知であったことを証明しているだけのことでした。

そしてその後、麦角菌汚染のことを詳しく調べ始めると、穀物に生じるカビ類の中には強い毒性を持つものが少なくないことも分かりました。
実際に麦を作付け出荷している農家さんなら承知していることですが、例えば赤カビ発生粒が混入した場合は、その圃場から収穫された麦は全量廃棄と規定されています。
麦角菌汚染粒が発見されるなど論外です。

そうした被害を出さないために、入念な種子選別や種子消毒が必要です。
栽培中も必要に応じて、1回または2回の農薬散布も求められます。

否、そんなことも何も知らずに先に麦作りを始めてしまった私ですが、幸いにも収穫された原穀の状態は今のところ至って良好です。

しかし、年々会を重ねるに連れ、何時病害が侵入するかも知れず、これからはそうしたことにも注意を払って行こうと思っています。

4回目の収穫も終わり、これから5回目の作付けに向けて圃場の整備に取りかかります。
病虫害対策も視野に入れなくてはなりません。
また収穫された原穀のカビ毒検査を受けることも検討中です。(何しろ高額の費用がかかりますので。)

こうして見ると、農業は、毎年一年生と言っても過言ではないような・・・。
否、プのロ仕事は何でもそうなのかも・・・。
がんばります!

籾摺り終わって一区切り

予定通り籾摺りを終わらせることが出来ました。

尤も、初めから終わりまでトントンとスムーズに運んだわけではありませんでした。

先ず、籾摺り機の中にネズミが侵入して酷いことになっていました。
それの掃除とメンテナンスでかなりの時間を費やしました。

そして始まったと思ったら、今度は雨が降り出す始末。
もはや中止も出来ないので、シートをかけて凌ぎました。
小雨だったので、何とか続行しているうちに雨は止みました。

その後はまあまあのコンディションで、1回目の脱ぷ工程が終わったのがお昼前でした。

2回目を通す必要がありましたので、午後からもう一度脱ぷ工程を繰り返しました。
これが終わったのが午後3時頃。
それから後片付けに3時間ほどかかりました。

一昨年、昨年のように写真を撮れば良かったのですが、まあそんな余裕はありませんでした。

で、今年のスペルト小麦は、収量が232.7kgで、種子用として別に20kg確保していますが、昨年よりは減収でした。
肥料が足りなかったかもしれません。

それでも、原穀の状態は決して悪くなく、選別下は20kg以下でした。
刈り取り時の状態が良かったことが幸いしたと思っています。

明日は、これを雪室に入庫します。
それで、今年の収穫が確定となります。

ま、ここで一安心というところですが、頭の中では、来年に向けての作戦を練っています。
まだまだ向上出来る余地があります。
否、それだから楽しい!

それにしても、疲れました。

食工房、明日と明後日は定休日です。

どこが違う?ライ麦の品質

ライ麦をパンづくりに取り入れるようになってから30年にもなります。
これまでに使用したライ麦の出所は、カナダ産オーガニックのものを手始めに、地元の複数の農家さんに作付けしてもらったもの数種類、北海道産のもの山形県の農家さんのもの、また全粒粉としては、アメリカ産のものオーストラリア産のものドイツ産のものなど、沢山のライ麦を試しています。

そして、最終的に自家産に落ち着いたわけですが、その理由は、一にも二にも品質です。
品質の中で最重要なのは、何と言ってもパンに焼いた時の味です。
これがどういうわけでしょうか?今自家生産しているライ麦に勝るものが無いのです。

地元の農家さんに作ってもらったものも、決して悪くはありませんでしたが、比べると分かる違いがありました。

外国産のものは、オーガニックの原穀を自家製粉したものでも、それしかない時はそれが一番でしたが、自家生産するようになった今となっては、比較にはなりません。

見た目はほとんど同じに見えるライ麦の原穀ですが、どこが違うのでしょう、パンに焼いた時の味は明らかに違うのです。
この違いを知ってしまった以上、自家生産を止めるわけに行かなくなりました。
実際にライ麦原穀のどこが違うのか、納得の行く理由が見つかるまで研究を続けなくてはなりませんね。

今年のライ麦は、昨年と同じ出来のように見えましたが、実際にパンを焼いて見るまで本当のところは分かりません。
近々試すことになる予定です。

ちなみに、今年は480㎏の原穀を得ることが出来ました。
今日までに、すべて雪室に入庫しました。

あとは、スペルト小麦の籾摺り工程が残っています。
この次お天気が回復してそれが終われば、スペルト小麦の収量も確定します。
相当な豊作であることは、ほぼ確実です。

食工房

夕方、南東の空に虹がかかりました。
食工房の後ろに輝く虹、どうかよいことがありますように。

麦刈り終わる

とにかく今日のうちに刈り終えると決心して、朝一番から動きました。
明日の天気が分からない、最早最高のコンディションで熟しているお宝のスペルト小麦を、もしも雨に濡らすようなことになったら、悔やんでも悔やみきれませんから。

娘二人にも頑張ってもらいました。
日中の暑さが厳しくて、何度も休憩を取りながら水分補給しながら、一方で時間と競争しつつ空を見上げながら、何とか最後までやり切りました。

これでもう畑に植わっている麦は無くなりました。
疲れと安心感で、完全に脱力です。

麦刈り日和が続く中

今年の麦の収穫は、お天気に恵まれています。
最初に南部小麦を刈り取った後、ライ麦を刈る前に一雨ありましたが、その後は晴れまたは曇りで経過しています。
麦もよく乾いて、機械で作業するのにも条件が良くなります。

先日に続いて、今日は残っていた中島第6圃場のライ麦を収穫しました。

ここは、水はけの悪い圃場のため、また初年度で肥料を沢山投入したことも効いて、丈が徒長して早い時期から倒伏していました。
刈り取りは難儀をすることになるゾ!と覚悟していました。

しかし、麦刈り日和が続いてくれたおかげで、思ったよりは順調に捗りました。
今日の午後いっぱいかかって、約150kgを収穫しました。
ただ今、乾燥機で乾燥中です。

それで今日また一つ貴重な経験となったことが一つ、今日の麦刈りは若干刈り遅れかも知れないと懸念していたのですが、意外にも驚くほど品質が良く、やはりギリギリ完熟を待つのもありだなと思った次第。

ただし、お天気次第で大後悔する羽目になる可能性もありますから、毎年毎年その判断が難しいということです。
ライ麦は、ハードルの高い作物だと言うことを、改めて認識したところです。
しかし、おかげさまでライ麦に関してはこれで一年分に十分間に合う収穫となりました。

明日は、デュラム小麦を。
首尾が良ければさらにスペルト小麦も収穫の予定です。
麦刈り日和も、明日までのようです。

中島第2圃場のライ麦収穫

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中島第2圃場ライ麦の収穫作業


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クラス最小型ですが、こんな機械でも全く素晴らしい働きをしてくれます。
機械力無しでは、現代の農業、特に穀物生産はほとんど不可能です。

若干早いか・・・?とも思われましたが、すでに熟したものもありバラつきの範囲を判断して、本日収穫と決定しました。
いろいろ準備をして、圃場も乾いて来るお昼前頃から刈り始めました。

今年は、一部肥料が多過ぎて倒れた箇所があり、コンバイン作業が難渋する場面もありました。
また、機械の故障と言うかトラブルがあって、途中で止めて大修理をすることにもなりました。

しかし、結局それもうまく行って調子良く動くようになり。日も暮れかかる午後7時半過ぎまでかかって、終了することが出来ました。

午後は雷雨の予報もあったのですが、一時雲行きが怪しくなったものの降雨は無く、その後晴れて西日が照りつける空の下で作業が続きました。

ただ今、乾燥機の中で乾燥中です。

そして暗くなった空を見上げると、満天の星空でした。
天頂よりやや西の空高く、うしかい座のアルクトゥルス、別名「麦刈り星」がオレンジ色の光を放っていました。
それよりはるか南の方向には、おとめ座のスピカ(麦の穂)も。

麦刈りが無事に終わった日の夜の満天の星空は、私たちのために祝宴を上げてくれているように見えました。

ライ麦、まだ早い

すっかり枯れ色になって気も焦るライ麦の様子でしたが、改めてよく観察して見ればまだまだ粒が軟らかく、収穫作業には早過ぎるとの結論に達しました。

このところの晴天続きで強い日差しに焼かれ、表面だけが日焼けして色付いたということのようです。

茎はまだ水分を吸い上げており、活動を停止していない様子です。
これでは実も硬くなることが出来ません。
と言うか、まだ仕上がっていないと言うことなのですね。

この後雨が降ることが分かっていましたから、今日がチャンスと気が逸りましたが、そうは問屋が卸しませんでした。
台風もやって来ることですし、もう一度雨風に晒されることは避けられなくなりましたが、ここは腹を括って時を待つことにしました。

それにしても、麦作りに限らず農作業は、毎年毎年違う状況に対応しなければならないことを思い知らされますね。
そしてその経験の一部始終を記憶記録して決して忘れず、どんな状況にも対応出来るように備えて行く賢さが是非とも必要です。

そんなわけで、雨の予報も出ている明日は、食工房の製造仕事にしっかり打ち込むことになりました。

南部小麦の刈り取り終了

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中島第4圃場 南部小麦の収穫作業中


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中島第4圃場 南部小麦刈り取り終了


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中島第5圃場(試験栽培区) デュラム系古代小麦の種の保存更新中


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中島第5圃場(試験栽培区)にて種の保存更新中
デュラム系古代小麦(古代ペルシャ由来と言われる)

一昨日の夜半から昨日一日、そして今日の早朝未明の頃まで、断続的ではありましたがずっと大雨でした。
否もう、麦にとっては最悪と言えるこの時期の豪雨の襲来に、成す術もなくため息の時間が過ぎました。

しかし今日になって朝から晴れ上がった空の下、意外にも麦たちは持ち堪えていました。
南部小麦は、降雨の最中は圃場に水が溜まるほど浸水しましたが、今朝には水が引いていました。
水はけを良くするための土壌改良の効果が、それなりにあったようです。

しかし、こんな雨がまた襲って来ないとも限りませんから、定休日の今日、刈り取り作業を決行しました。

穂は、完熟までにはまだ時間があるようでしたから、刈り取った麦はバザにかけて追熟自然乾燥の工程を取ることにしました。

実は、この方が理想的です。
この後、頃合いを見て脱穀します。

刈り取り作業中から分かりましたが、昨年に比べて株や穂の密度が断然濃く、当然重量もありました。
まず豊作は間違いありません。
品質も、良いものが得られると思っています。

そこで今年は、この南部小麦を小麦麺にするだけでなく、半分くらいは粉の状態で受け取って、地粉角食パンなどパンづくりに活用するつもりです。

100%自家産の小麦で食パンを焼いて販売するのが、私の長年の夢でしたから、それが今年は限定数ではありますが叶うことになりそうです。
どうぞご期待ください。


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古代小麦麺(スペルト小麦のうどん)
長時間ゆでても煮くずれることなく、モチモチとした食感が心地良い。
もちろん、風味絶佳です。

さて本日のもう一つのトピックは、古代小麦麺です。
今日こそはと、写真を撮りました。

このスペルト小麦100%のうどん、名付けて「古代小麦麺」は、いくつかの優れた特徴があります。

まず、食感です。
長時間ゆでても煮くずれませんから、わざわざ時間をかけて軟らかめにゆで上げます。

すると他の麺には無い、モチモチとした食感が得られます。
十分なコシがあってしかも滑らか、そしてモチモチなのです。

もちろん、スペルト小麦ならではの風味の良さも生きています。
何と言っても、味わいがいい!のです。

こうまで申し上げるからには、早く売り出さなくてはいけませんね。
着々と準備しています。
近日中に発売となります。

一日二回、麦を見に行く

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中島第4圃場 南部小麦
今年は、ここが一番乗りで刈り取りとなりそうです。


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南部小麦
一日二回、穂から外して観察します。
毎日、刻々と状態が変化して行きます。
最適な刈り取りのタイミングを掴むために欠かせない重要な観察です。


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となりの水田の稲の新緑とのコントラストが印象的です。
まわりの山も、燃えるような新緑に覆われています。
麦畑だけが、秋を迎えたような情景を見せてくれます。
曰く「麦秋」です。


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定点観測220626
ライ麦は、すっかり色が変わりました。
スペルト小麦も、少し色が変化し始めています。

雨の予報はないのですが、突然予報になかった雨が降ります。

麦畑(中島第4圃場の南部小麦)の様子を見に、朝夕一日二回必ず行きます。
麦の粒を数粒、穂から外して掌にのせて観察します。

また、家に持ち帰って、カッターナイフで切って断面を出し、内部の充実度を見ます。
この観察により、タンパク質の定着の度合いも分かります。
刈り取りまで、あと少しです。

バインダーで刈ってハザがけして追熟+天日乾燥するか、ギリギリのタイミングまで追い込んでコンバインで収穫するか、判断が分かれる局面です。

コンバインで収穫する方がはるかに手間が省けますが、もしもお天気に恵まれなくて刈り遅れることにでもなれば最悪ですから、毎日毎時、インターネットで気象情報を見ています。

今は、リアルタイム雨雲レーダ画像を見られるので、一時間後の雨を正確に予測することが可能です。

明日か、明後日か・・・、食工房の仕事をしながら、ジリジリとした気分を味わう昨日今日です。