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どこが違う?ライ麦の品質

ライ麦をパンづくりに取り入れるようになってから30年にもなります。
これまでに使用したライ麦の出所は、カナダ産オーガニックのものを手始めに、地元の複数の農家さんに作付けしてもらったもの数種類、北海道産のもの山形県の農家さんのもの、また全粒粉としては、アメリカ産のものオーストラリア産のものドイツ産のものなど、沢山のライ麦を試しています。

そして、最終的に自家産に落ち着いたわけですが、その理由は、一にも二にも品質です。
品質の中で最重要なのは、何と言ってもパンに焼いた時の味です。
これがどういうわけでしょうか?今自家生産しているライ麦に勝るものが無いのです。

地元の農家さんに作ってもらったものも、決して悪くはありませんでしたが、比べると分かる違いがありました。

外国産のものは、オーガニックの原穀を自家製粉したものでも、それしかない時はそれが一番でしたが、自家生産するようになった今となっては、比較にはなりません。

見た目はほとんど同じに見えるライ麦の原穀ですが、どこが違うのでしょう、パンに焼いた時の味は明らかに違うのです。
この違いを知ってしまった以上、自家生産を止めるわけに行かなくなりました。
実際にライ麦原穀のどこが違うのか、納得の行く理由が見つかるまで研究を続けなくてはなりませんね。

今年のライ麦は、昨年と同じ出来のように見えましたが、実際にパンを焼いて見るまで本当のところは分かりません。
近々試すことになる予定です。

ちなみに、今年は480㎏の原穀を得ることが出来ました。
今日までに、すべて雪室に入庫しました。

あとは、スペルト小麦の籾摺り工程が残っています。
この次お天気が回復してそれが終われば、スペルト小麦の収量も確定します。
相当な豊作であることは、ほぼ確実です。

食工房

夕方、南東の空に虹がかかりました。
食工房の後ろに輝く虹、どうかよいことがありますように。

麦刈り終わる

とにかく今日のうちに刈り終えると決心して、朝一番から動きました。
明日の天気が分からない、最早最高のコンディションで熟しているお宝のスペルト小麦を、もしも雨に濡らすようなことになったら、悔やんでも悔やみきれませんから。

娘二人にも頑張ってもらいました。
日中の暑さが厳しくて、何度も休憩を取りながら水分補給しながら、一方で時間と競争しつつ空を見上げながら、何とか最後までやり切りました。

これでもう畑に植わっている麦は無くなりました。
疲れと安心感で、完全に脱力です。

麦刈り日和が続く中

今年の麦の収穫は、お天気に恵まれています。
最初に南部小麦を刈り取った後、ライ麦を刈る前に一雨ありましたが、その後は晴れまたは曇りで経過しています。
麦もよく乾いて、機械で作業するのにも条件が良くなります。

先日に続いて、今日は残っていた中島第6圃場のライ麦を収穫しました。

ここは、水はけの悪い圃場のため、また初年度で肥料を沢山投入したことも効いて、丈が徒長して早い時期から倒伏していました。
刈り取りは難儀をすることになるゾ!と覚悟していました。

しかし、麦刈り日和が続いてくれたおかげで、思ったよりは順調に捗りました。
今日の午後いっぱいかかって、約150kgを収穫しました。
ただ今、乾燥機で乾燥中です。

それで今日また一つ貴重な経験となったことが一つ、今日の麦刈りは若干刈り遅れかも知れないと懸念していたのですが、意外にも驚くほど品質が良く、やはりギリギリ完熟を待つのもありだなと思った次第。

ただし、お天気次第で大後悔する羽目になる可能性もありますから、毎年毎年その判断が難しいということです。
ライ麦は、ハードルの高い作物だと言うことを、改めて認識したところです。
しかし、おかげさまでライ麦に関してはこれで一年分に十分間に合う収穫となりました。

明日は、デュラム小麦を。
首尾が良ければさらにスペルト小麦も収穫の予定です。
麦刈り日和も、明日までのようです。

中島第2圃場のライ麦収穫

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中島第2圃場ライ麦の収穫作業


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クラス最小型ですが、こんな機械でも全く素晴らしい働きをしてくれます。
機械力無しでは、現代の農業、特に穀物生産はほとんど不可能です。

若干早いか・・・?とも思われましたが、すでに熟したものもありバラつきの範囲を判断して、本日収穫と決定しました。
いろいろ準備をして、圃場も乾いて来るお昼前頃から刈り始めました。

今年は、一部肥料が多過ぎて倒れた箇所があり、コンバイン作業が難渋する場面もありました。
また、機械の故障と言うかトラブルがあって、途中で止めて大修理をすることにもなりました。

しかし、結局それもうまく行って調子良く動くようになり。日も暮れかかる午後7時半過ぎまでかかって、終了することが出来ました。

午後は雷雨の予報もあったのですが、一時雲行きが怪しくなったものの降雨は無く、その後晴れて西日が照りつける空の下で作業が続きました。

ただ今、乾燥機の中で乾燥中です。

そして暗くなった空を見上げると、満天の星空でした。
天頂よりやや西の空高く、うしかい座のアルクトゥルス、別名「麦刈り星」がオレンジ色の光を放っていました。
それよりはるか南の方向には、おとめ座のスピカ(麦の穂)も。

麦刈りが無事に終わった日の夜の満天の星空は、私たちのために祝宴を上げてくれているように見えました。

ライ麦、まだ早い

すっかり枯れ色になって気も焦るライ麦の様子でしたが、改めてよく観察して見ればまだまだ粒が軟らかく、収穫作業には早過ぎるとの結論に達しました。

このところの晴天続きで強い日差しに焼かれ、表面だけが日焼けして色付いたということのようです。

茎はまだ水分を吸い上げており、活動を停止していない様子です。
これでは実も硬くなることが出来ません。
と言うか、まだ仕上がっていないと言うことなのですね。

この後雨が降ることが分かっていましたから、今日がチャンスと気が逸りましたが、そうは問屋が卸しませんでした。
台風もやって来ることですし、もう一度雨風に晒されることは避けられなくなりましたが、ここは腹を括って時を待つことにしました。

それにしても、麦作りに限らず農作業は、毎年毎年違う状況に対応しなければならないことを思い知らされますね。
そしてその経験の一部始終を記憶記録して決して忘れず、どんな状況にも対応出来るように備えて行く賢さが是非とも必要です。

そんなわけで、雨の予報も出ている明日は、食工房の製造仕事にしっかり打ち込むことになりました。

南部小麦の刈り取り終了

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中島第4圃場 南部小麦の収穫作業中


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中島第4圃場 南部小麦刈り取り終了


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中島第5圃場(試験栽培区) デュラム系古代小麦の種の保存更新中


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中島第5圃場(試験栽培区)にて種の保存更新中
デュラム系古代小麦(古代ペルシャ由来と言われる)

一昨日の夜半から昨日一日、そして今日の早朝未明の頃まで、断続的ではありましたがずっと大雨でした。
否もう、麦にとっては最悪と言えるこの時期の豪雨の襲来に、成す術もなくため息の時間が過ぎました。

しかし今日になって朝から晴れ上がった空の下、意外にも麦たちは持ち堪えていました。
南部小麦は、降雨の最中は圃場に水が溜まるほど浸水しましたが、今朝には水が引いていました。
水はけを良くするための土壌改良の効果が、それなりにあったようです。

しかし、こんな雨がまた襲って来ないとも限りませんから、定休日の今日、刈り取り作業を決行しました。

穂は、完熟までにはまだ時間があるようでしたから、刈り取った麦はバザにかけて追熟自然乾燥の工程を取ることにしました。

実は、この方が理想的です。
この後、頃合いを見て脱穀します。

刈り取り作業中から分かりましたが、昨年に比べて株や穂の密度が断然濃く、当然重量もありました。
まず豊作は間違いありません。
品質も、良いものが得られると思っています。

そこで今年は、この南部小麦を小麦麺にするだけでなく、半分くらいは粉の状態で受け取って、地粉角食パンなどパンづくりに活用するつもりです。

100%自家産の小麦で食パンを焼いて販売するのが、私の長年の夢でしたから、それが今年は限定数ではありますが叶うことになりそうです。
どうぞご期待ください。


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古代小麦麺(スペルト小麦のうどん)
長時間ゆでても煮くずれることなく、モチモチとした食感が心地良い。
もちろん、風味絶佳です。

さて本日のもう一つのトピックは、古代小麦麺です。
今日こそはと、写真を撮りました。

このスペルト小麦100%のうどん、名付けて「古代小麦麺」は、いくつかの優れた特徴があります。

まず、食感です。
長時間ゆでても煮くずれませんから、わざわざ時間をかけて軟らかめにゆで上げます。

すると他の麺には無い、モチモチとした食感が得られます。
十分なコシがあってしかも滑らか、そしてモチモチなのです。

もちろん、スペルト小麦ならではの風味の良さも生きています。
何と言っても、味わいがいい!のです。

こうまで申し上げるからには、早く売り出さなくてはいけませんね。
着々と準備しています。
近日中に発売となります。

一日二回、麦を見に行く

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中島第4圃場 南部小麦
今年は、ここが一番乗りで刈り取りとなりそうです。


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南部小麦
一日二回、穂から外して観察します。
毎日、刻々と状態が変化して行きます。
最適な刈り取りのタイミングを掴むために欠かせない重要な観察です。


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となりの水田の稲の新緑とのコントラストが印象的です。
まわりの山も、燃えるような新緑に覆われています。
麦畑だけが、秋を迎えたような情景を見せてくれます。
曰く「麦秋」です。


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定点観測220626
ライ麦は、すっかり色が変わりました。
スペルト小麦も、少し色が変化し始めています。

雨の予報はないのですが、突然予報になかった雨が降ります。

麦畑(中島第4圃場の南部小麦)の様子を見に、朝夕一日二回必ず行きます。
麦の粒を数粒、穂から外して掌にのせて観察します。

また、家に持ち帰って、カッターナイフで切って断面を出し、内部の充実度を見ます。
この観察により、タンパク質の定着の度合いも分かります。
刈り取りまで、あと少しです。

バインダーで刈ってハザがけして追熟+天日乾燥するか、ギリギリのタイミングまで追い込んでコンバインで収穫するか、判断が分かれる局面です。

コンバインで収穫する方がはるかに手間が省けますが、もしもお天気に恵まれなくて刈り遅れることにでもなれば最悪ですから、毎日毎時、インターネットで気象情報を見ています。

今は、リアルタイム雨雲レーダ画像を見られるので、一時間後の雨を正確に予測することが可能です。

明日か、明後日か・・・、食工房の仕事をしながら、ジリジリとした気分を味わう昨日今日です。

古代小麦麺

先日製麺屋さんに加工依頼しておいたスペルト小麦ですが、今日、乾麺になって届きました。

スペルト小麦も、見た目は普通の小麦とそんなに変わっているわけではありませんから、出来上がった乾麺も南部小麦の乾麺と比べて、若干色が濃いかなという程度の違いです。

ところが、ゆで上げて食べてみると、まずモチモチとした食感に驚かされました。
今までに味わったことの無い食感です。
これがまた悪くありません。

そして風味は、小麦の風味が大変濃厚です。
パンの時とはちがいますが、これがスペルト小麦の香りかな?と思える風味も味わえます。

全く期待を裏切らない良い出来だと、大いに気に入りました。
早速、売り出しに向けて準備したいと思います。

スペルト小麦麺、名付けて古代小麦麺。
乞うご期待!

本日の麦畑

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定点観測 220604
風が強かったので、麦は揺れて波打っていました。
よく見ると、樹々の葉も風に吹かれて裏返っていたりするのが見て取れます。


※画像クリックで拡大表示されます。

左側ライ麦、右側スペルト小麦です。
近影撮ってませんけど、スペルト小麦も穂が出始めました。

ご覧になられた方は、どなたも一様に感激されるようです。
特に今日みたいな、強い風に揺られて波打つライ麦畑の様子は、あっという間にどこか別世界に連れていかれそうな気にさえなりますから。

収穫まで約一ヶ月、これからどんどん様子が変わります。

麦たちが実を膨らませています

夏至が近づくこの頃、たっぷりと日差しを浴びて、またある時は雨に打たれ、風に揉まれながらも、穂先は次第に重みを増しています。

収穫まで、あと一ヶ月くらいでしょうか。
あるいはもっと早いかも知れません。

毎年のことになりましたが、麦刈りする時のお天気がいつも気がかりです。
初めの頃は、夜も眠れない程のこともありました。
でも、大抵何とか無事に収穫を終えてはいるのですが。

今年は、どんな様子でしょうか。
今回で4度目の収穫です。
それもあって、その日が来るまでは気を揉まないでいられるようになりました。
その代わり、「よし、明日だ!」となれば、即断即決で動きます。

麦は、収穫のタイミングが一番重要なのです。
そういうことも、麦を見て判断出来るようになりしたから、百姓4年生も伊達ではないぞ!と少しは自信もついて来ました。

電柵のおかげで、イノシシの被害にも遭わなくて済みそうですし、近所の農家さんが「年々、良くなってるナ!(麦のことです)」と言う通り、品質も上がって来ていると思っています。

8月には、新麦のパンを召し上がっていただけるでしょう。
どうぞお楽しみに。