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ライ麦の発芽

昨夜遅く、雨が降り始め、今朝までそして今も降り続いています。
大雨にはなりませんが、そこそこまとまった雨量になりました。

今朝、合間に圃場の見回りに行ったところ、ライ麦の発芽を確認出来ました。
赤紫色の爪楊枝の先ほどの芽が、土の上に一斉に顔を出していました。

雨の中で、カメラも持って行きませんでしたから、画像をお見せすることは出来ませんが、もう何度もご紹介したことのあるあの情景に、また改めて感激を味わいました。

新しい命の芽吹き、そのか細くデリケートな一方で力強くたくましく見える姿は、何度見てもその感動が薄れることはありません。

そんな情景に、とても大きな力をもらっている私です。
明日のパン焼きも、自然と気合が入ります。

ちなみに、となりの圃場のスペルト小麦は、かたい殻に包まれているからでしょう、まだ土の中で準備をしているようです。

スペルト小麦の香り

スペルト小麦は、現在広く生産されている普通小麦の先祖に当たる麦で、古代小麦とも呼ばれます。

収穫後脱穀した時点で硬い殻に包まった状態のため、これを剥いて中身を取り出すのは物凄く大変な作業です。

今は、米用の籾摺り機で簡単に剥くことが出来ますが、昔の人はこの苦労を何とかしようと脱穀と同時に殻が飛ぶはだか麦にするために、ありとあらゆる品種改良の努力を重ねて、今の小麦を作り出したのです。

それにもかかわらず、スペルト小麦は忘れ去られることはありませんでした。
それどころか、新しい技術で簡単に殻を除去することが出来るようになると、俄然注目度が上がりました。

というのも、スペルト小麦は特別風味が良いのです。
特筆すべきはその香りで、それを言葉で表現するのはとても難しいのですが、麦芽の香りに最も特徴があることは間違いないようです。

食工房のパンだと、スペルト小麦丸がスペルト小麦全粒粉50%ですから、ほとんどストレートにその香りを感じることが出来ます。

今年産のスペルト小麦は、今まで以上にその香りが強いように感じます。
出来が良かったということでしょうか。
麦の品質が、ストレートにパンの品質に響いて来ることを、今まさに実感しています。

ところで、麦にもいろいろ種類があって、それぞれ性格の違いがありますし育て方も違います。
3年やって見て、おぼろげながらそれが分かって来ました。
来年に向けての課題として、それぞれの麦に合わせた育成法を考えて世話をして行きたいと思っています。

麦の品質が上がれば、もちろんそれを活かすために、パンの技術も向上しなくてはなりません。
ま、いつまでも終わりのない物語のように。

ライ麦とスペルト小麦の種まき完了

麦ラボ

中島第3圃場にて
スペルト小麦を播く上の娘


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中島第3圃場にて
スペルト小麦を播く下の娘


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中島第2圃場にて
ライ麦を播く私


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午前中から始めて、終わったのは午後4時半頃、早や日は傾き赤みを帯びた光線に照らされた圃場には、
作業の跡がくっきりと浮かび上がっています。

麦ラボの主力作物である、ライ麦とスペルト小麦の種まきが終わりました。

朝から一日かけての作業で、食工房の製造仕事は休みました。

しかし、この2種類の麦の種まきが終わったことで、先ずは百姓4年生に向けて大きく一段進んだことになります。

心地良い疲労感に、体中がしびれています。
デスクワークと違って、肉体労働には一種快感がありますね。

こうして動くことの出来る体の健康に、言葉では言い表せないありがたさを感じます。
疲れているのに、逆にいろいろな事への意欲が湧いて来るのですね。
不思議です。

今夜から、またIIDEの編集にとりかかります。
やる気です。

後先になりましたが、食工房は明日と明後日は定休日となっております。
お間違えのございませんように。

明日は種まきを

ライ麦とスペルト小麦の圃場の整備が終わりましたので、明日、種まきをすることにしました。

この先数日のお天気を睨んでいます。
台風が近づいて来るそうなので、そのタイミングで雨が降るでしょうから、その前に・・・という計画です。

多分ですが、台風は、こちら福島県会津地域には大きな影響はないものと思っています。
まとまった雨が一回降ってくれればちょうどいいのですが、もし大荒れでも、播いた種にはそれほどダメージはありません。

ライ麦15aスペルト小麦10aを、明日一日で播けるだろうと思っています。
そんなわけで、食工房の製造仕事は一時停止です。

クッキーなど焼き菓子の製造が思うに任せません。
品切れ続出で、ちょっと申し訳ない状況です。

否、何でそこまでして麦作りなんだ?と言われそうですが、それはもうすでに申し上げた通りです。
ある種、病気なんてすね。
自覚しております。はい。

電気柵の設置

麦ラボ

先に出来ていた囲いから分岐ざせて延長しています。


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この頃、田畑のあるところ、どこに行ってもこの風景です。

獣害対策のために電気柵の設置を進めています。

今日は、スペルト小麦の圃場とライ麦の圃場を一回りで囲いました。
イノシシ除けなので、2段張りで済ませています。

熊のこともあるのですが、とりあえず買った材料で足りる分でやっています。
来年は、地区の耕作者で団体結成して補助金を獲得をし、その時は熊への対応も考慮して3段張りでまとめてグルっと囲う計画です。

電気柵のために、電線の下1m幅くらいを徹底除草しましたので、何だか圃場周りの景色がツルッとして変な感じです。
まあこれも見慣れて来るのでしょうが。
ただ、見通しが良いのは、いいことです。

今日は、囲い終わった後、トラクターで耕耘しましたので、誰かが歩けばくっきりと足跡が残ります。
果たして、電気柵の中に入れるのは誰でしょうか。
明日の朝になれば分かります。

全員2回接種完了、後、生パスタ挑戦

今日、娘たちの2回目のワクチン接種が完了し、これで食工房の全員が2回接種完了しました。

一つの大きな安心材料と考えてはいますが、世界に今回の新型コロナウイルスが蔓延し続けている限り、基本的な感染対策は継続してまいります。

お客さまにも、マスクの着用や手指の消毒、体温測定など、ご協力をお願いいたします。

麦ラボ

左側-小麦粉 右側-デュラム小麦セモリナ粉
本当に黄色いのですね。


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卓上ミキサーを使ってこね始めたところ
この後、いくら混ぜてもまとまって来ないので、少し水を足しました。


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やっとまとまりましたが、これでは軟らかすぎるということが、後になって分かりました。


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機械でこねた後、手ごねしてきれいな球にし、ラップでくるんでしばらく寝かせます。


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押し出し式パスタマシン


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シリンダーとダイス


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寝かせておいた生地を棒状に成形
半分に切って2回に分けて製麺します。


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シリンダーに生地を充填したところ


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きれいに製麺されたのは良かったのですが、下に下ろすとすぐにくっ付いてしまいます。


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スープ仕立てだったので、何とか食べられました。
否、味は悪くありません。ただ、食感が・・・。

さて本日は、娘たちのワクチン接種で一日製造仕事を休業としましたので、食工房自家圃場産のデュラム小麦のセモリナ粉を使って生パスタづくりに挑戦しました。

で、今回、押し出し式のパスタマシンは初めての体験ということもあって、生地の硬さ加減がよく分からず、最初軟らかすぎて麺がくっついてしまいました。

急遽粉を足してこね直しましたが、今度はせっかちにすぐに製麺したため、生地のくっ付きが悪く麺が切れ切れになってしまいました。

茹でたら細切れでおかゆのような状態になり興覚めでしたが、それでも味は悪くなく、この次は生地の硬さに留意して、是非とも成功させたいと思っています。

土、サクサク

麦ラボ

中島第2圃場

ここ3日間、晴天が続いていますので、次々と圃場の耕耘を進めています。

一昨日は、ライ麦の指定席になっている中島第2圃場を耕耘、今日は中島第4、第5、第6圃場まで、一気に進みました。
第3圃場は、その前にすでに終わっています。

各圃場は、それぞれ作付けする麦の指定席になっています。
当初、何の根拠も無く連作の害を懸念していましたが、そもそも麦以外の物は作付けしませんし、同じ麦どうしで違うものを播くと、どうしても前作のこぼれ種が残っていて一緒に育ってしまい、取り除くのが大変です。

少しくらいと思ってそのまま収穫して、その一部を次年度の種として使うと、下手をすると混植状態になって手が付けられなくなります。
ですから、新たに追加される圃場がある時は、何を播くかよく考えて決めなくてはなりません。

それはそれとして、麦は土壌改良には大変効果のある作物です。
一年ごとに圃場の土質が良くなっています。

もちろん、肥料として大量の有機質を投入してはいるのですが、麦が深く根を張ることで土が耕される効果は、他の作物にはない大きな魅力です。
収穫後に残っている根株がすき込まれることで、土の中に水分や空気を留めて置ける微細なすき間が沢山出来るのですね。

で、今年で4年目を迎える中島第2圃場は、もはや水田だった時の状態を想像することが出来ないくらい、土がサクサクです。

今回、トラクターで耕耘した時、両脇に土が盛り上がって筋が出来るので、どうしたことだろうと思いましたが、すぐに原因が分かりませんでした。
昨年まではこんなことはなく、真っ平に耕せていたのです。

で、やっと最後になって、最後尾に付いている均平板を地面に押し付ける力を調節するバネが強すぎたことが原因だと分かりました。
否、そのくらい土がサクサクで軽くやわらかい状態になったということなのですね。
バネを調節して圧力を下げたところ、その後はずっときれいに耕耘出来るようになりました。

ちなみに、今年から新たに加わった元水田の中島第6圃場は、こうしたことにはなっていません。
サクサクの土はトラクターにも優しいし、麦の育ちも当然のこと良いのです。

その気持ちの良い圃場を、好き放題に掘り返して台無しにしてくれるのがイノシシだというわけで、全くこれを何とかしないことには、種まきをすることも出来ません。

戦いはなおも継続中。
もちろん電気柵は設置するのですが、一方でくくり罠を仕掛けてあって、捕まえたら肉にして喰ってやろうと待ち構えています。

小麦麺の再開に向けて

以前ご好評いただき、その後中断しているにも関わらず、度々お問い合わせやリクエストをいただいているのが、他ならぬ”小麦麺”です。

小麦の麵なら”うどん”でいいじゃないかと言われそうですが、まあまあそこは少しばかりのこだわりで、そこいらの”うどん”とは違うのだと主張したいがために”小麦麺”と称しております。

以前は、農家さんに作付けしていただいた小麦を原材料にしていましたが、今回初めて、我が食工房の麦畑にて自ら収穫した小麦を使う運びとなりました。
私的には、大変めでたくまた意義深い小麦麺です。

その加工をお願いしに、今日は、少し離れた滝根町という所にある佐藤製麺所さんに、原材料の南部小麦を持って出かけて来ました。
こちらで、精麦、製粉、製麺まで、一手に引き受けてくださるのです。

農家ご用達の大変便利で、そして今や大変貴重な加工所です。
昔は、界隈に何軒かあったと言われる製粉・製麺加工所ですが、麦を作る農家が減るに連れ、ほとんどが店じまいしてしまいました。

今回、製麺適正が良いと言われる南部小麦を持ち込みましたので、出来上がりがとても楽しみです。
また一部を製粉のままもらうようにしましたので、パンも焼いて見ることが出来ます。
こちらも、とても期待しています。

出来上がり次第、発売となりますので、皆さまもどうぞお楽しみにしていてください。

麦畑の近況

麦ラボ

中島第2圃場
一番広い圃場です。ライ麦の指定席になっています。


麦ラボ

中島第2圃場
今年で4回目の作付けになります。
元水田ですが、今では水はけも良くなり、大変良好な畑地になりました。


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中島第4圃場
元水田ですが、昨年から麦畑になり2年目の今年は、格段に土質が良くなりました。


麦ラボ

中島第4圃場
前日雨が上がったばかりですが、土は固まることなく細かくほぐれました。


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馬糞堆肥の山
中島第4、第5、そして今年から新たに追加される第6の3つの圃場合わせて、2トン車6台分を投入します。

9月末頃の種まきに向けて、着実に圃場の整備を進めています。

工程としては、まず前作の残渣の後片付けです。
今年は、どの圃場も麦わらを焼き払いました。
理由は前にも申し上げましたが、混ざり込んで来た他品種及び雑草の淘汰、病虫害の駆逐、野ネズミ等の駆逐が目的です。

その次が施肥です。
元肥として、馬糞堆肥を投入します。
今回は、収穫まで追肥無しで行くつもりなので、ある程度の量を入れます。
効き目の穏やかな有機肥料のみ、化成肥料は使用しません。
また水のたまりやすい部分に、もみ殻燻炭または灰を投入します。

それから耕耘です。
施肥直後に1回、その後雑草の出具合を見て、1回または2回、そして播種直前に1回、繰り返し耕耘します。

今日までに、面積にして半分くらいを整備完了しましたが、気がついたことがあります。
それは、作付けを繰り返す毎に圃場の土質が良くなって来ていることです。

それがよく分かるのは、トラクターで耕耘している時です。
土が軽くて、エンジンにもロータリーにも余計な負担がかかっていないのが、エンジン音を聞いて分かります。

2年目よりは3年目、3年目よりは4年目と、格段に良くなっています。
努力は確実に報われていることが分かって、とてもうれしいです。

もちろんその結果は、作柄にこそ現れていて、年々収穫された麦の品質も向上しています。

パンや商売をしながら、体と時間を二重に使っての麦作りですが、まだまだ到底止める気なんかにはなりません。
百姓4年生進級を目指して、来年の作に向けて最終工程を頑張っています。

雪室、入庫完了

本日、収穫したすべての種類の麦の雪室(低温倉庫)への入庫が完了しました。

当地区の雪室は、入出庫は火曜日と金曜日の二回のみと指定されていて、昨日のスペルト小麦の他、デュラム小麦、ライ小麦、南部小麦など合わせて17袋、総重量約450kg、先に預けたライ麦と合わせると750kgにもなる量です。

昨年とは比較にならない大量の麦、暑い夏に向かう時期ですから、一日も早く雪室に入庫する必要があるのですね。
本日の入庫完了の感激は言うまでもありません。
大きな大きな安心感です。

そして今年は、新麦への切り替えがスムーズに行きましたので、今週のパン焼きから全て新麦を使います。
ライ麦、スペルト小麦そしてデュラム小麦です。

暑さの夏のこの時期、食欲はどうしたって冷たい麺類などに向きますが、たまにはパンもお忘れなく。
工夫次第で、暑さに対抗するスタミナ食にもなります。

今度正式に発売となるフォカッチャは、ピザのご先祖とも言われていて、夏野菜やチーズそれにベーコンなどを挟み、あるいは上に乗せて、ピザのように焼いて召し上がれるのでおすすめです。

一方、本日は、試験栽培区で育てた9種類の麦の脱穀調製を終わらせました。

それぞれ機械にかけるほどの量ではありませんが、かと言って手作業では到底終わらない作業なので、コンバインをその都度分解掃除しながらやりました。

何しろ、すべて種子用ですから、他の種類と混ざるのが一番の大敵です。
機械の掃除は、念には念を入れて外せるパーツはすべて外して、一粒も残っていないことを確認しなければなりません。
これを9回やりましたが、脱穀している時間がわずか1~2分、一方掃除は一回20分はかかると言った具合でした。

それでも、足踏み脱穀機と唐箕でやるよりははるかに能率的です。

こんな大変な思いをしても、湧いてくる興味には勝てないのですね。

麦ラボは、ますます進化そして深化しています。