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石拾い

麦ラボ

中島第4圃場
一度荒起こしをしています。
すでに馬糞堆肥も搬入してあります。


麦ラボ

今日の作業で、一輪車に10台分くらい拾いました。

今日は定休日にて休業のため、朝から圃場に出て作業をしていました。
それでまた一つはまりそうな作業が・・・。

それが石拾いです。

今年から借り受けて麦ラボの中島第4圃場となった畑、面積は大方10aほど。
坪数にすると300坪ですから、けっこうな広さになります。
尤も、圃場の規模としては極小規模です。

この秋に種まきをするために、ただ今土壌改良中です。
大昔には河川敷だった土地ですから、地面のちょっと下は全面礫(れき=石ころ)です。

中にはかなり大きなものも混ざっていて、トラクターで耕す時にロータリーの爪に当たると、機械が壊れてしまうこともあります。
小石はあっても差し支えないと言うか、むしろあった方が良いと、私はそう考えていますが、握りこぶしより大きなものは拾い出すのが上策です。

昔から、畑の石拾いは草取り同様なすべき仕事の筆頭でした。
トラクターを壊したのでは詰まりませんから、ことある毎に石は拾っています。

しかし今日は、わざわざそのためだけに時間を割いて、圃場の中を一輪車を押しながら歩き回って、石を拾いました。
良かったのは、こうしたことをするおかげで、圃場をよく見ることになるということです。

生えている雑草の様子や、土の様子、転がっている石にもいろいろと種類があることなど、圃場の中は一様ではないのです。
石の中にも、簡単に砕けてしまう軟らかい堆積岩もあり、こういうものはやがて細かくなって、土壌にミネラルを供給してくれるので、大き過ぎない限り拾わずに置いたりします。
逆に、硬い玄武岩のようなものは、小さくても拾います。

このような土壌には、もみ殻やバークのようなガサの張る腐植し難いものを沢山入れて緩衝材の役割を持たせます。
一方、肥料分の多い有機物も沢山入れて耕うんします。
何度か繰り返すうちに、重い石ころは下になり、軽い有機土壌が上を覆って、サクサクの水はけのよい土壌になります。
ここが近い将来良好な圃場となることを想像しながら、コツコツと石を拾って歩くのは、どちらかと言えば楽しい仕事です。

単純で退屈な作業・・・?とんでもありません。
石を拾いながら、圃場を隈なく細かい所まで観察しながらの作業ですから、いろいろなことが分かる楽しみがあります。

隣の田んぼでは、ここ数日来、朝から夕方までずっと四つん這いになって田に入り、草取りをしているおばあちゃんがいます。
一度入ったら、昼時に一度上がって来る以外、夕方までずっと出て来ません。

私には、このおばあちゃんの気持ちが分かるような気がします。
多分、石拾いも同じなんじゃないかと。

今日も汗をかきました

麦ラボ

単管パイプで作った稲架
ライ麦用に、高さを高くしています。

定休日の今日、午前中歯医者に行って治療を受けて来ました。
そして気持ちの良い晴天となった午後、麦畑に行って収穫直後に必要となる掛け干しをするためのハザ(稲架)を作りました。

食工房の畑は、今後ずっと麦専用ですから、畑の周囲の法面に常設するつもりです。
ちょうど具合のいいことに、前の地主さんが残してくれた足場用単管パイプが沢山ありますので、それを利用して作っています。

総延長で100メートルくらいは必要になる予定なので、収穫までに間に合うでしょうか。
今日までに、35メートル分出来ました。
ひょっとすると材料が足りなくなるかも知れません。

このはざ(稲架)は、まずライ麦用です。
ライ麦は脱粒しやすいので、完熟一歩手前で刈り取って掛け干しし、長い麦藁に残っている養分を種実に移行させ完熟します。
収量も品質も上がりますから、手間はかかりますが外したくない作業です。

そしてこんなことも、小規模だからこそ出来る行程です。
どうせやるなら、世界一のライ麦パンを造りたいですからね。

何と言ったら良いのでしょう、こういうことに手間暇かけるのは、何一つ苦になりません。
楽しくてしょうがないと言うのが正直な気持ちです。

あと一ヶ月ほどで、麦の収穫が始まります。

「結束結び」を覚える

今日は、朝から晴天でカラッと乾いた一日になりそうでした。
予定していた食工房の作業をキャンセルして明日に振り替え、デュラム小麦の刈り取りをすることに。

今回は量が多いので、バインダー(自動結束付き刈り取り機)を借りてやるつもりでしたが、娘が言うにはバインダーで刈ったら茎に折れ目が付いてしまいそうだと。
「一度折れたものは、乾いてもまっすぐにはならないよ!」と言われ、それもそうだ・・・、やっぱり折らないように注意しながら手刈りするしかないという結論になりました。

手で刈るのはいいのですが、問題は束ねる時です。
如何に素早く束ねられるか、結束方法が課題でした。

昔なら稲わらなどを使ってやっていたのですが、そんな方法を習い覚えたことはありませんし、すぐに手に入るのはホームセンターなどで売っている「PPひも」と呼ばれるものです。
実は、ひもを使った上手い縛り方があることは知っていましたが、やり方を覚える機会がなく、昨年などは普通の堅結びか蝶結びでやりました。
時間はかかるし手は痛くなるし、それに慣れてもそんなに素早くは出来ません。

何とかしてその結び方を覚えたいものだと、ネット上を検索するのですが、その名称が分かりません。
いろいろ検索語彙を変えて試しましたが、なかなかこれだというものに辿り着きませんでした。

しかし何度か試しているうちに、偶然見つけたのがこれ<参照>、「結束結び」という動画でした。
ありました!これでした。

その昔、父が務めていた製材所で、おじさんたちが慣れた手つきで、わら縄を使って製品を結束している様子があまりに素早くて手品のようにカッコよかったのを思い出しました。

今朝は、娘たちも一緒にこの結び方を練習しました。
その甲斐あって、今日は、手刈りがそれほど苦になりませんでした。

そして分かったこと・・・、観賞用に収穫する時は、とにかく見た目が重要ですから、乱暴な扱いは出来ません。
折らないように、刈る時も束ねる時も、乾燥させるために吊るす時も、とにかく細心の注意を払わねばなりません。

機械での収穫は、そもそも無理なのですね。
それ専用のものがあるならどうか知りませんが。

というわけで、麦の穂のドライフラワーがいかに美しくて商品価値があるとしても、大量生産は難しい・・・。
この後、乾燥したら、見た目の悪いものなどを選別し、穂先を揃えて茎の長さをほどほどに切り詰め、形を整えます。
楽して儲かる仕事はありません、というわけですね。

それに娘が言いました。
「実を収穫するのと違って、何か喜びがない・・・。」と。
うーん・・・、そうかも知れません。

デュラム小麦の穂

麦ラボ

高野第二圃場のデュラム小麦
今年は、半分くらいはドライフラワー用に収穫します。


麦ラボ

高野第一圃場のスペルト小麦
穂が出始めました。


食工房

満開の白いツツジがお出迎えいたします。

寒冷地では無理と言われるデュラム小麦を、もうかれこれ5~6年育てています。
種はもちろん自家採種で更新しています。
多分、東北で育つデュラム小麦は、食工房が初例だと思います。

で、このデュラム小麦の見た目がすごくいいので、観賞用に出荷出来ないものかと考えています。
緑色のフレッシュはもちろんいいのですが、水が切れるとすぐに萎れてしまうので、逆にドライフラワーにしてきれいな金色に仕上げれば商品価値も上がると思っています。

昨年、ほんの少しだけ試作したものがとても良かったので、今年は作付けを増やしています。
観賞用は、実が入る前の今ごろが刈り時なので、この次お天気が良い時に刈り取りしようと予定しています。

日頃食工房をご愛顧くださっている皆さまには、少しずつでも無料で差し上げようと思っていますので、どうぞお楽しみにしていてください。
販売用も確保出来る予定です。

食工房、明日もまたパンを焼いて、皆さまのご来店をお待ちしております。
ただ今、入口の白いツツジも見頃になっています。

ライ麦って、日本で出来るんですか!?

「ライ麦って、日本で出来るんですか!?」
こんな質問をされたことが、何度もあります。

「ええ、出来ますとも!」
詳しく説明して差し上げると、何もかも知らなかったことの連続に驚かれます。

否、無理もありません。
今時、身の回りで麦が育っている風景なんて、ましてやライ麦が育っているところなんか、先ず以て見かけることなどありませんから。
仮にあったとしても、それがライ麦だとお分かりにならないということもあるでしょう。

事程左様に、麦は、この日本では、いつの間にか私たちの前から姿を消しているのです。
お米がどうやって出来るのか、大人でも子どもでも皆知っているのに、麦のことは誰も何も知らないのです。
ですからパンだって、外国から小麦を輸入しないことにはつくれないと思っている方も少なくありません。

さてさて、そんな状況ですから、農家さんだって麦を育てるノウハウなんかとっくに失くしてしまっているのです。
北海道などのごく一部の農家が今でも麦を作り続けていますが、陽の目を見るまでには至りません。

本当は、私たちの食生活に多方面で貢献している麦なのですが、国内自給率は10%台です。
パン、焼き菓子、うどん、その他麺類、しょうゆ、ビール、ウィスキーなど、主食から調味料そして酒に至るまで、お米以上に欠かせない食糧資源なのです。
自給率が上がったらいいのに、と思いませんか。

とは言え、なかなか手を挙げる人がいない中、そんな状況に居ても立っても居られない思いで、とうとう麦を作り始めた私です。

パンの仕込み量が増えています

麦ラボ

中島第二圃場のライ麦
畔に立っているポールは、フクロウの止まり木です。(ネズミ対策用)


麦ラボ

麦踏みしたのが10月9日でしたから、今日で9日目です。


麦ラボ

時期を追って、同じアングルで撮影たものがありますので、過去記事を辿って見てください。

食欲の秋も本番ですね。
パンの売れ行きも良好になりつつあります。

特に、食工房の麦畑の麦を使うパンへのご注文が多くなっています。
明日のパン焼きの仕込み量が、ここ数ヶ月では最大量になりました。

量が増えて注意しなくてはならないのが、仕事の質を落とさないことですね。
今日の酵母のメンテナンスから、しっかり気合を入れています。

それにしてもうれしいのは、圃場の様子です。
麦踏みの時にも書きましたが、今日の画像を見てお分かりのとおりです。
これが来年の今頃、パンになっているのですから、それを想像するだけでうれしい私です。

もちろん最後の最後まで油断はしません。
毎日見に行きます。
必要な時は、手を尽くします。

と言うことは、明日は、去年麦踏みした麦がパンになるってことなのですね。

こうして一年かかって出来上がったパンたちが、皆さまのご来店をお待ちしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

麦踏み

麦ラボ

9/28に発芽していますから、今日で11日目。
すごくたくましく成長しています。


麦ラボ

今までは、こうして横向きになって両足で一列を踏んでいました。
丁寧に踏めるのはいいのですが、ちょっと効率が悪かった。


麦ラボ

両足で一列ずつ、同時に二列踏みながら前進する方法でも十分踏めることを確認。


麦ラボ

早速、同時二列踏みがスタンダードになりました。


麦ラボ

中島第二圃場のライ麦を踏み終わりました。

麦踏みが始まりました。

これもまたいつでもいいと言う作業ではなく、成長の初期の適切なタイミングがあるのです。
そして、晴れて圃場が乾いていなくてはなりません。

今日は、この後の台風絡みの天候を考えると、ちょうど良いタイミングでした。
高野第一圃場のスペルト小麦と中島第二圃場のライ麦を踏み終わりました。
明日も好天のようですから、パン焼きが終わってから中島第三圃場のスペルト小麦を踏みます。

この麦踏み作業も、何と言うかいいものです。
何がいいかと言えば、麦踏み出来るまでに育ってくれた喜び、それを踏み付けて一旦弱らせるのですが、すぐに倍旧の勢いで盛り返して来るのが分かっている安心感、それが来年の稔りに繋がっているという確かさ・・・、どれもこれも経験しているからこそ味わえるものです。

いい仕事をさせてもらっています。
ありがたいです。

そして明日は、また木曜日のパン焼き。

このところ、ライ麦のパンのご注文が多くなっています。
注目は、堅焼き黒パンの特大です。

正直、うれしいです。
でも、この調子だと、ライ麦の在庫がいつまで持つか、心配になって来ました。

麦畑を広げなくてはいけませんね。

がんばります。

何にしても忙しかった、百姓一年生

圃場への麦の作付けが始まったのが、ちょうど一年前の今頃でした。

それまでの試験的な栽培ではなく、食工房で原材料に使用するための本番ですから、一つ一つの行程はどれも皆初めての取り組みでした。
トラクターに始まり収穫時のコンバインまで、農業機械の使いこなしも覚えなくてはなりませんでした。

一年一作ですから、何をやるにも失敗は許されません。
失敗すれば、また来年!と言うことになりますから。

その緊張感は、今までの仕事には無かったものです。
そのせいもあって、何しろ忙しかったと言うか、余裕がありませんでした。
まあ、当然と言えば当然ですよね。

で、この秋から二年目が回り始め、百姓二年生ということになりました。
一言で申し上げて、どれほどか気持ちが楽になりました。

農業は、経験を積む以外学習の方法がありません。
机の上で勉強すれば知識は増えるかも知れませんが、実際の圃場で次から次へと起こる多様な出来事に対応するには、経験こそがその時々の判断の基礎になるのであり、また次なる学習へのきっかけにもなります。
そうやって手足を動かしながら頭を働かせながら獲得して行く喜びと楽しみは、尽きることがないと思っています。

たった一サイクル回っただけですが、多分この実感はそんなに外れていないと妙な自信があります。
来年の今頃、百姓三年生になる時にどんなことを呟いているのか、今の気持ちをしっかり記憶に留めておくことにいたします。

今シーズン最後の種まき

麦ラボ

試験栽培区(中島第一圃場)の種まき終了
計8種類の麦を播いています。
すべて、来年に向けての採種穂になります。


麦ラボ

量が少ないものは種まき機が使えないので、こうして手で播きます。


麦ラボ

少ししかない種を確実に実らせるためには、恐ろしく手間がかかりますが、こうして一粒一粒手で播くのが一番です。


麦ラボ

人力(手押し)式種まき機・GONBEI
これでも、鍬一本の手作業に比べれば10倍早い。


麦ラボ

南部小麦も自前で確保することにしました。
来年の作付けに向けて、種を増やします。


麦ラボ

中島第一圃場の1/3くらいの面積を試験栽培区としました。
残りは来年の春から、じゃがいも、かぼちゃ、さつまいもを順次作付けの予定です。
うしろの第二圃場のライ麦が、緑色に見えるようになりました。

台風が過ぎ去った後の束の間の晴れ間でした。
この後また雨だと言うので、急遽、残っていた試験栽培区の麦の種を播きました。

で、今年から試験栽培区を、中島第一圃場に移しました。
高野圃場は、少し距離があるので目が届かず、管理がし難いからです。
わずかの距離ではありますが、すぐそこに見えているのとそうでないのとでは、ずい分違うのです。

その試験栽培区で、今年は計8種類の麦を播きました。
すべて、来年に向けて種を増やすための採種穂になります。

その中には、以前近隣の農家さんに作付けしてもらったことのある南部小麦も含まれています。
今度は、食工房が自前で収穫して自給する計画です。
小麦麺用に、パン用に、風味と腰のある小麦です。

中島第一圃場は、これでもまだ半分以上空きがありますので、あとは来春からじゃがいも、かぼちゃ、さつまいもを順次作付けの予定です。
こちらなら、まだしも猿の被害を防ぎやすいと思っています。

一方、すぐ隣の第二圃場と第三圃場に、それぞれ先に播いたライ麦やスペルト小麦は、もう早や青々としています。
来年は、このあたりの風景がまた一つ変わります。
楽しみです。

さてこれで麦仕事も一段落しました。
麦踏みは、比べれば楽な仕事で空いた時間にやればいいので、シュトレンづくりで忙しくなるまでのわずかの隙に、ビールを仕込もうかなと思っています。
初夏の頃にと思っていて、ついに手が出せませんでしたからね。
もう絶対やらなくては・・・。
酵母がいい調子なんですから、きっとうまいビールが出来るでしょうから・・・。

恵みの雨降る

麦ラボ

中島第二圃場のライ麦
今シーズンは、ライ麦はこの圃場だけです。
それでも、昨シーズンよりも増収の見込みです。


麦ラボ

ライ麦の発芽3日目近影


麦ラボ

横から見るとまばらに見えますが、収穫の頃には隣の列が見えない状態になります。

稲刈りをしている方にはまことにお気の毒としか言いようがありませんが、麦を播いた私にとっては昨日の雨は恵みの雨となりました。

一昨日芽を出したばかりのライ麦は、今日にはもう緑色が差して丈も5cmを超えていました。
発芽の様子からして、ライ麦の生命力の強さを実感する情景を見せてくれています。

隣の圃場のスペルト小麦も、順調に発芽して葉を伸ばし始めているようです。
ここ当分は見守るだけで、特にすべきこともありませんが、毎日カメラを持って見回りにだけは行きます。
それが重要なんですよね。

周りの方も、うちの麦畑の様子をよく見ていらっしゃるようです。
自分がしていないことをしていると、どうしても観察の目が行くと言うのが農家の習いなんですね。
私も同じです。
そうやってお互い勉強しているのです。
そのうち麦を作ってみたいと言う方が現れたりしたらうれしいですね。

さて、食工房の営業の一週間がまた終わりました。
今週も、ご来店、ご注文、ありがとうございました。

明日と明後日は定休日です。
また木曜日から、よろしくお願いいたします。