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デュラム小麦の穂

麦ラボ

高野第二圃場のデュラム小麦
今年は、半分くらいはドライフラワー用に収穫します。


麦ラボ

高野第一圃場のスペルト小麦
穂が出始めました。


食工房

満開の白いツツジがお出迎えいたします。

寒冷地では無理と言われるデュラム小麦を、もうかれこれ5~6年育てています。
種はもちろん自家採種で更新しています。
多分、東北で育つデュラム小麦は、食工房が初例だと思います。

で、このデュラム小麦の見た目がすごくいいので、観賞用に出荷出来ないものかと考えています。
緑色のフレッシュはもちろんいいのですが、水が切れるとすぐに萎れてしまうので、逆にドライフラワーにしてきれいな金色に仕上げれば商品価値も上がると思っています。

昨年、ほんの少しだけ試作したものがとても良かったので、今年は作付けを増やしています。
観賞用は、実が入る前の今ごろが刈り時なので、この次お天気が良い時に刈り取りしようと予定しています。

日頃食工房をご愛顧くださっている皆さまには、少しずつでも無料で差し上げようと思っていますので、どうぞお楽しみにしていてください。
販売用も確保出来る予定です。

食工房、明日もまたパンを焼いて、皆さまのご来店をお待ちしております。
ただ今、入口の白いツツジも見頃になっています。

ライ麦って、日本で出来るんですか!?

「ライ麦って、日本で出来るんですか!?」
こんな質問をされたことが、何度もあります。

「ええ、出来ますとも!」
詳しく説明して差し上げると、何もかも知らなかったことの連続に驚かれます。

否、無理もありません。
今時、身の回りで麦が育っている風景なんて、ましてやライ麦が育っているところなんか、先ず以て見かけることなどありませんから。
仮にあったとしても、それがライ麦だとお分かりにならないということもあるでしょう。

事程左様に、麦は、この日本では、いつの間にか私たちの前から姿を消しているのです。
お米がどうやって出来るのか、大人でも子どもでも皆知っているのに、麦のことは誰も何も知らないのです。
ですからパンだって、外国から小麦を輸入しないことにはつくれないと思っている方も少なくありません。

さてさて、そんな状況ですから、農家さんだって麦を育てるノウハウなんかとっくに失くしてしまっているのです。
北海道などのごく一部の農家が今でも麦を作り続けていますが、陽の目を見るまでには至りません。

本当は、私たちの食生活に多方面で貢献している麦なのですが、国内自給率は10%台です。
パン、焼き菓子、うどん、その他麺類、しょうゆ、ビール、ウィスキーなど、主食から調味料そして酒に至るまで、お米以上に欠かせない食糧資源なのです。
自給率が上がったらいいのに、と思いませんか。

とは言え、なかなか手を挙げる人がいない中、そんな状況に居ても立っても居られない思いで、とうとう麦を作り始めた私です。

パンの仕込み量が増えています

麦ラボ

中島第二圃場のライ麦
畔に立っているポールは、フクロウの止まり木です。(ネズミ対策用)


麦ラボ

麦踏みしたのが10月9日でしたから、今日で9日目です。


麦ラボ

時期を追って、同じアングルで撮影たものがありますので、過去記事を辿って見てください。

食欲の秋も本番ですね。
パンの売れ行きも良好になりつつあります。

特に、食工房の麦畑の麦を使うパンへのご注文が多くなっています。
明日のパン焼きの仕込み量が、ここ数ヶ月では最大量になりました。

量が増えて注意しなくてはならないのが、仕事の質を落とさないことですね。
今日の酵母のメンテナンスから、しっかり気合を入れています。

それにしてもうれしいのは、圃場の様子です。
麦踏みの時にも書きましたが、今日の画像を見てお分かりのとおりです。
これが来年の今頃、パンになっているのですから、それを想像するだけでうれしい私です。

もちろん最後の最後まで油断はしません。
毎日見に行きます。
必要な時は、手を尽くします。

と言うことは、明日は、去年麦踏みした麦がパンになるってことなのですね。

こうして一年かかって出来上がったパンたちが、皆さまのご来店をお待ちしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

麦踏み

麦ラボ

9/28に発芽していますから、今日で11日目。
すごくたくましく成長しています。


麦ラボ

今までは、こうして横向きになって両足で一列を踏んでいました。
丁寧に踏めるのはいいのですが、ちょっと効率が悪かった。


麦ラボ

両足で一列ずつ、同時に二列踏みながら前進する方法でも十分踏めることを確認。


麦ラボ

早速、同時二列踏みがスタンダードになりました。


麦ラボ

中島第二圃場のライ麦を踏み終わりました。

麦踏みが始まりました。

これもまたいつでもいいと言う作業ではなく、成長の初期の適切なタイミングがあるのです。
そして、晴れて圃場が乾いていなくてはなりません。

今日は、この後の台風絡みの天候を考えると、ちょうど良いタイミングでした。
高野第一圃場のスペルト小麦と中島第二圃場のライ麦を踏み終わりました。
明日も好天のようですから、パン焼きが終わってから中島第三圃場のスペルト小麦を踏みます。

この麦踏み作業も、何と言うかいいものです。
何がいいかと言えば、麦踏み出来るまでに育ってくれた喜び、それを踏み付けて一旦弱らせるのですが、すぐに倍旧の勢いで盛り返して来るのが分かっている安心感、それが来年の稔りに繋がっているという確かさ・・・、どれもこれも経験しているからこそ味わえるものです。

いい仕事をさせてもらっています。
ありがたいです。

そして明日は、また木曜日のパン焼き。

このところ、ライ麦のパンのご注文が多くなっています。
注目は、堅焼き黒パンの特大です。

正直、うれしいです。
でも、この調子だと、ライ麦の在庫がいつまで持つか、心配になって来ました。

麦畑を広げなくてはいけませんね。

がんばります。

何にしても忙しかった、百姓一年生

圃場への麦の作付けが始まったのが、ちょうど一年前の今頃でした。

それまでの試験的な栽培ではなく、食工房で原材料に使用するための本番ですから、一つ一つの行程はどれも皆初めての取り組みでした。
トラクターに始まり収穫時のコンバインまで、農業機械の使いこなしも覚えなくてはなりませんでした。

一年一作ですから、何をやるにも失敗は許されません。
失敗すれば、また来年!と言うことになりますから。

その緊張感は、今までの仕事には無かったものです。
そのせいもあって、何しろ忙しかったと言うか、余裕がありませんでした。
まあ、当然と言えば当然ですよね。

で、この秋から二年目が回り始め、百姓二年生ということになりました。
一言で申し上げて、どれほどか気持ちが楽になりました。

農業は、経験を積む以外学習の方法がありません。
机の上で勉強すれば知識は増えるかも知れませんが、実際の圃場で次から次へと起こる多様な出来事に対応するには、経験こそがその時々の判断の基礎になるのであり、また次なる学習へのきっかけにもなります。
そうやって手足を動かしながら頭を働かせながら獲得して行く喜びと楽しみは、尽きることがないと思っています。

たった一サイクル回っただけですが、多分この実感はそんなに外れていないと妙な自信があります。
来年の今頃、百姓三年生になる時にどんなことを呟いているのか、今の気持ちをしっかり記憶に留めておくことにいたします。

今シーズン最後の種まき

麦ラボ

試験栽培区(中島第一圃場)の種まき終了
計8種類の麦を播いています。
すべて、来年に向けての採種穂になります。


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量が少ないものは種まき機が使えないので、こうして手で播きます。


麦ラボ

少ししかない種を確実に実らせるためには、恐ろしく手間がかかりますが、こうして一粒一粒手で播くのが一番です。


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人力(手押し)式種まき機・GONBEI
これでも、鍬一本の手作業に比べれば10倍早い。


麦ラボ

南部小麦も自前で確保することにしました。
来年の作付けに向けて、種を増やします。


麦ラボ

中島第一圃場の1/3くらいの面積を試験栽培区としました。
残りは来年の春から、じゃがいも、かぼちゃ、さつまいもを順次作付けの予定です。
うしろの第二圃場のライ麦が、緑色に見えるようになりました。

台風が過ぎ去った後の束の間の晴れ間でした。
この後また雨だと言うので、急遽、残っていた試験栽培区の麦の種を播きました。

で、今年から試験栽培区を、中島第一圃場に移しました。
高野圃場は、少し距離があるので目が届かず、管理がし難いからです。
わずかの距離ではありますが、すぐそこに見えているのとそうでないのとでは、ずい分違うのです。

その試験栽培区で、今年は計8種類の麦を播きました。
すべて、来年に向けて種を増やすための採種穂になります。

その中には、以前近隣の農家さんに作付けしてもらったことのある南部小麦も含まれています。
今度は、食工房が自前で収穫して自給する計画です。
小麦麺用に、パン用に、風味と腰のある小麦です。

中島第一圃場は、これでもまだ半分以上空きがありますので、あとは来春からじゃがいも、かぼちゃ、さつまいもを順次作付けの予定です。
こちらなら、まだしも猿の被害を防ぎやすいと思っています。

一方、すぐ隣の第二圃場と第三圃場に、それぞれ先に播いたライ麦やスペルト小麦は、もう早や青々としています。
来年は、このあたりの風景がまた一つ変わります。
楽しみです。

さてこれで麦仕事も一段落しました。
麦踏みは、比べれば楽な仕事で空いた時間にやればいいので、シュトレンづくりで忙しくなるまでのわずかの隙に、ビールを仕込もうかなと思っています。
初夏の頃にと思っていて、ついに手が出せませんでしたからね。
もう絶対やらなくては・・・。
酵母がいい調子なんですから、きっとうまいビールが出来るでしょうから・・・。

恵みの雨降る

麦ラボ

中島第二圃場のライ麦
今シーズンは、ライ麦はこの圃場だけです。
それでも、昨シーズンよりも増収の見込みです。


麦ラボ

ライ麦の発芽3日目近影


麦ラボ

横から見るとまばらに見えますが、収穫の頃には隣の列が見えない状態になります。

稲刈りをしている方にはまことにお気の毒としか言いようがありませんが、麦を播いた私にとっては昨日の雨は恵みの雨となりました。

一昨日芽を出したばかりのライ麦は、今日にはもう緑色が差して丈も5cmを超えていました。
発芽の様子からして、ライ麦の生命力の強さを実感する情景を見せてくれています。

隣の圃場のスペルト小麦も、順調に発芽して葉を伸ばし始めているようです。
ここ当分は見守るだけで、特にすべきこともありませんが、毎日カメラを持って見回りにだけは行きます。
それが重要なんですよね。

周りの方も、うちの麦畑の様子をよく見ていらっしゃるようです。
自分がしていないことをしていると、どうしても観察の目が行くと言うのが農家の習いなんですね。
私も同じです。
そうやってお互い勉強しているのです。
そのうち麦を作ってみたいと言う方が現れたりしたらうれしいですね。

さて、食工房の営業の一週間がまた終わりました。
今週も、ご来店、ご注文、ありがとうございました。

明日と明後日は定休日です。
また木曜日から、よろしくお願いいたします。

麦が変わって、パンがおいしくなった

食工房の自前の圃場で収穫した麦(ライ麦、スペルト小麦)を使うようになってから、パンがおいしくなったと、沢山の方から評価を頂戴しています。

私が自分で言うのも何ですが、確かにおいしくなったと実感しています。

それにも増して大きな変化は、香りの良さです。
今回のようなライ麦やスペルト小麦の麦芽の香ばしい香りは、これまでに味わったことがありません。

また麦そのものの味わい深さも、今までには無かったものがあります。
これはもう、自然界からの素晴らしいプレゼントです。

ずっと以前、カナダから直輸入されたオーガニックのライ麦原穀を自家製粉して使っていましたが、この時だって今回のような満足の行く品質に出会ったことはありませんでした。

また最近使用していた製パン材料として市販されているライ麦全粒粉も、全く納得の行く品質ではありませんでした。

そこで、これほどまでに大きな違いが出た理由を考えてみました。

まずライ麦ですが、収穫時にしっかりと登熟を待ってから脱穀したことが一番の理由だと思っています。

私がライ麦を初めて見たのは、カナダ産のオーガニックのライ麦原穀でしたが、その時の印象はライ麦って緑色っぽい灰色をしているな・・・というものでした。
小麦は、いわゆる小麦色と言われる日焼けした肌の色をしていますが、ライ麦はそれに比べればほとんど緑色に見えます。

しかし自分で栽培するようになって気づいたのは、登熟を待てばライ麦も小麦ほどではありませんが、茶っぽい色合いになって来ることでした。
それまで見ていたライ麦に比べて、粒も大きくなりましたし、つまりこれは未熟なうちに収穫しているのだなと気が付きました。

ではどうして未熟なうちに収穫するのでしょうか。
考えられるのは、ライ麦は背が高く穂が重くなってくると茎が折れたり倒れたりしやすい事、また穂は殻に包まっていなくて剥き出しの状態で、刈り遅れるとカビが付いたり脱粒してしまうリスクもあることなどのため、若干早刈りすることでリスクを避けているのだろうと思われます。

実際、今年の中島第一圃場では、強い風のせいもあってめちゃくちゃに折れたり倒れたりして機械での収穫が出来ず、すべて手刈りしてハザにかけ。天日乾燥してから脱穀しました。

しかし後になって分かりましたが、第二圃場のライ麦に比べてもここのライ麦が一番品質が良かったです。

一方スペルト小麦は、それ自体の素性の良さもありますし、風味が良いのは当然だろうと思っています。
それより、栽培に関しては経験も浅くノウハウもありませんでしたから、決して会心の出来というわけではありません。
むしろ反省点が多いくらいなので、いくら風味が良いとは言えこれに満足せず、さらに上を目指したいと思っています。
以上、自前で麦を作付けして一年目から、早くも多くを学ぶことが出来ています。

さてここから後は、この収穫の喜びと満足を如何にパンづくりに還元して行くかです。
この麦の良さを生かし切るパンづくりのため、日々研鑽怠りなく磨きをかけたいと思います。

中島第二圃場、ライ麦発芽

麦ラボ

中島第二圃場
ライ麦が発芽しました。


麦ラボ

中島第二圃場
ライ麦の発芽近影


麦ラボ

中島第三圃場
スペルト小麦が発芽しました。


麦ラボ

中島第三圃場
スペルト小麦発芽近影

ここ数日雨が降っていないのですが、中島第二圃場のライ麦がいっせいに発芽しました。

一体、どこから水分を得たのでしょうか。

考えられるのは、種まきする時に少し覆土を厚くしておいたことが良かったのかなと考えています。
発芽の様子を見ると、地面の下の深いところから伸びて来たような姿をしています。
まあしかし、きれいに揃って発芽してくれましたので、正解だったのではないでしょうか。

スペルト小麦の方は、発芽は不揃いですが、これは固い殻を破って出て来るまでに個体差があるためではないかと思います。
でも、長い成長の間に、その差も縮まって問題はなくなると思っています。

いずれにしても、蒔いた種はどれも無事発芽してくれたようですから、一先ず安心しているところです。
ここ当分の間、静かに成長を見守るのみです。
次は麦踏みの様子をご紹介することになると思います。

この後雨も降って来るようなので、まことに良いタイミングだと思います。

ちなみに本日は、私の誕生日でした。
今日の発芽の風景は、これはもう最上の天からのお祝いの贈り物でした。

秋晴れの空の下

麦ラボ

高野第一圃場
スペルト小麦が発芽しました。


麦ラボ

高野第一圃場
スペルト小麦の発芽近景

今日は、ほぼ一日快晴の秋空でした。
風は微風、少々汗ばむくらいの陽気となりましたが、最高の秋の一日でした。

昨日発芽を確認していたスペルト小麦の写真を撮りに、朝一番に高野第一圃場に行きました。

何度見てもうれしく感動的な情景です。
これが来年の夏には、豊かな実りになるのですから、自然の計らいはまことに素晴らしいものです。

飯豊の空の下から・・・

いつもの撮影スポットから、秋の風景の中の飯豊山

一方配達に出かけた折、いつもの飯豊山を望む撮影スポットに立ち寄ってみました。
ちょうど稲刈りが始まったところで、一面の黄金色の稲穂の海の向こう、快晴の空に飯豊山が浮かんでいました。

さあ、明日も元気を出してパンを焼きましょう。
お天気は微妙のようですが、皆さまのご来店をお待ちしております。