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圃場の整備

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青空の下、サクサク耕せるのは、至福の時かも。


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写真を撮ってくれている娘に向かって、思わず手を振りたくなる気分、分かってください。

今日は午前中は食工房でクッキー焼きの仕事を、午後は圃場の整備に時間を充てました。
お天気が良いのは今日と明日の前半くらいまでとの予報でしたから、土の乾き具合もそこそこ良くなっていましたし、明日になってお天気の変化が早くて雨が降り出すようだと重要な機会を逃すことになります。

トラクターで耕すのは簡単ですが、どんな条件でも可能というわけには行きません。
麦を植える圃場ですから、それに合った土壌を作るために必要な条件が整っていなくてはなりません。

収穫の後、実はいろいろな作業工程がありました。
麦藁の片づけ、雑草の刈り払い、有機肥料の施肥作業などに、多くの時間と手間をかけています。
そうして一回目の耕うんをしたのが8月14日、今日は雑草が出て来たのを淘汰するためと肥やしをよく混ぜ込むために2回目の耕うんをしたというわけ。

沢山ある農作業の工程の中で、トラクターを運転して圃場を耕すのは気分が良いものですが、そのためには事前の地味な作業が沢山伴っているということなのですね。
それらの作業の延々とした時間の長さに比べれば、ほんの一瞬で終わってしまう工程です。

思えば一年前の今頃、同じような作業をしていました。
あの時は、もっとずっと大変でした。
いろいろ試行錯誤の部分もありましたので。
今年は、はるかに楽に順調に進んでいます。

作業の後、「ああ、やっとこれで一年回ったのだな・・・」と、感慨に浸る私でした。

さて食工房は、明日と明後日の二日間定休日休業となっております。
お間違えのございませんように。

新麦の製粉

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ライ麦全粒粉


スペルト小麦全粒粉


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左がライ麦全粒粉、右がスペルト小麦全粒粉

自前の圃場で収穫したライ麦とスペルト小麦の全粒粉が揃いました。

あとまだデュラム小麦もあるのですが、こちらはまだしばらく先の予定です。

食工房の定番のパン各種に自家生産の麦を配合して、それを皆さまに提供出来ると思うと、今まで汗を流して来て良かったと感慨も新たな私です。

この次のパン焼きで、とりあえず一回テストをします。
8月8日(木)のパン焼きです。
試食分を考慮して、少し多めに焼きますので、お味見してみたい方は木曜日以降週末にかけてご来店ください。

ちなみに新麦は二つとも、残留放射能検査済みです。
検査成績表も手元にありますが、画像を用意するのが間に合わなかったので、あとで追加更新いたします。

なお、本格的に自家生産の麦に切り替わるのは、9月からになる予定です。

一方、圃場の方は、来年に向けて整備しています。
麦藁の片づけ、青草の刈り払い、有機肥料の投入、耕転、そして最後に種まきという段取りです。

すべて一年先を想定しながら作業を進めます。
農業は、材料を買っていた頃には想像することすら出来なかった、細かい配慮やノウハウが必要な世界です。

さて、明日と明後日、食工房は定休日となっております。
明日は一日圃場にいて、作業していると思います。
すべては、おいしいパンのために。

麦は、一旦雪室へ

我が山都町には、その名も「雪室」という農産物低温貯蔵施設があります。
その名の通り、降雪期に500トンに及ぶ雪を貯蔵して、それが融けるまでの間冷媒として使います。
夏の間はさすがに間に合いませんので、電力によって冷却します。

町の農家は、ここを積極的に活用して、米やそばなどの品質維持を図っています。
私も、収穫した麦を雪室にあずけることにしました。

何しろ収穫直後に暑い夏が来るのですから、虫による食害やカビの発生、そうでなくても品質は劣化しやすいのです。
そこで、10月を過ぎて気温が十分下がって来るまで雪室に置いて、必要な量だけその時々に出庫することにしました。

利用料は、米を30kg入れるクラフト紙の袋単位で1袋3円/日(6月1日~10月31日)です。
そんなに高くもなく、品質保持のためなら納得出来るコストです。

今日は、ライ麦8袋とスペルト小麦11袋を入庫して来ました。
その他手元に少し残してありますので、こちらは食味テストをするために使う予定です。

そしてこの夏を過ぎる頃から、食工房自家生産の麦を使ったパンが、定番品としてラインアップされることになります。
どうぞお楽しみにお待ちください。

さてそれはそれとして、明日もまたパンを焼きます。
幾人かの方から、ご注文もいただいています。

お天気はあいにくの雨のようですが、皆さまのご来店をお待ちしています。

お天気が味方に

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1人で20人分の仕事をするコンバイン。
ものすごい埃が舞うので、マスクは必須。
藁を切り刻んで排出するカッターが付いていましたが、スペルト小麦の藁は特別硬くしかも少し湿っていたため、刻むことが出来ませんでした。

今日は、曇り空の一日になるとの予報でしたが、午前中は晴れ間があり日差しもありました。
気温も上がり、麦畑は昨日に比べて格段に乾燥していました。

明日以降また不安定でその先はしばらく雨がち、しかも台風の影響もありそうとのこと、今日を逃したらスペルト小麦を刈るチャンスはもう無いということで、午後から刈り取り作業にかかりました。

実のところ午前中は、機械(コンバイン)の掃除に手を焼いていました。

昨日までライ麦の脱穀作業でしたから、機械の中はライ麦のノゲや空になった穂や茎などがギッチリ詰まっていました。
マニュアルを見ながら外せるパーツはすべて外して、空気圧で詰まったゴミを吹き飛ばしました。

これを徹底的にやらないと、機械の調子も悪くなりますし、残っているライ麦粒が後に作業するスペルト小麦に混ざってしまいます。
種類の違う穀物を幾つも作るのは、実は見えないところで大変な手間がかかるのです。

たいていの米農家さんはそれが嫌で、モチ米でさえ敬遠するほどです。
麦なんかとんでもない!のですね。

うちは米は作りませんので麦だけですが、種類の違う麦を3種類以上作付けしていますから、手間のかかる機械の清掃を最低3回やらなくてはならないというわけです。
でも、手で刈って足踏み脱穀機で脱穀して唐箕で選別していた昔のことを思えば、はるかに楽で効率的なのですから、掃除に時間がかかるくらいで文句を言っていたらどうにもなりません。

それに、そうやって頻繁に機械の中を開けるので、不具合があればすぐに発見することも出来ます。
結果的には、調子良く動いてしかも寿命も延びることになります。

さて、整備も終わったコンバインを圃場に移動して作業開始しました。
刈りながら同時に脱穀もしてしまうコンバインという機械は、まったく凄いですね。

その作業の速さに感激しましたが、ふと見ると取り込んでいるはずの麦粒が大量にこぼれています。
コンバインが走行した後ろには、まるでわざわざ種まきしたように麦がバラまかれているではありませんか!
驚くやらガッカリするやらで、頭を抱えてしまいました。

ところが、上の娘の「まるで底が抜けているみたいだね~」の一言に、我に返りました。
そう言えば・・・、下回りを点検して目が点になりました。
清掃のために開けた蓋が、二箇所閉まっていないではありませんか!

実はこれを閉める前に昼食に呼ばれて、あとに回したのがいけませんでした。
忘れちゃうんですよ。
これが・・・、歳なんですね。

その蓋をしっかり閉めて作業再開。
あとは問題なくあっという間に、圃場に残っていた麦は一本残らず無くなりました。

そして後片付けも終わった夕方になって雨が降り出すという、全く際どいタイミングでした。
でも終わっていて良かった!
今日は、お天気が味方してくれました。

明日と明後日は、定休日です

食工房の営業の一週間がまた終わりました。
今週も、多くの皆さまのご来店とご愛顧に、改めて感謝を申し上げます。

毎度申し上げておりますが、明日と明後日は定休日となっております。
お間違えのございませんよう、よろしくお願いいたします。

本日は、畑に残っていたライ麦の脱穀が終わり、乾燥機に入れることが出来ました。
中島第一圃場のライ麦は、第二圃場に比べてずっと状態が良く、これは主に土壌の違いによるものですが、収量も面積割にすれば2倍近くにもなっていそうです。

来年の種用のライ麦は、第一圃場のものからさらに状態の良いものを選別して使うことにしました。
種子用は機械乾燥にかけず、天日に当てて自然乾燥させた後、目視で一粒一粒選別します。

選別が終わったら、虫が付いたりしないよう、またエネルギーの消耗を少なくするため、冷蔵庫にて保存します。
重量にして5kgもあれば足りますが、一応10kgくらい用意します。

今日はその分を取り分けて、あとは乾燥機に入れました。
正確に計量していませんが、120kgは下らないと思います。
面積は第二圃場より少なくても、収量は逆に多いくらいです。

これでもうあとはスペルト小麦だけになりました。
明日、コンバインを稼働させて刈り取り脱穀を一気に終わらせる予定です。

ライ麦100kgの喜び

先日脱穀した中島第二圃場のライ麦、本日乾燥機にて水分量12%まで乾燥させ、これでやっと保存と使用に堪える原穀に仕上がりました。

混ざっていたゴミやほこりが取り除かれ、きれいになったライ麦が米30kg用の紙袋に4つ半。
ライ麦の場合1袋に25kgしか入りませんので、合計100kgと少々。

しかし今日はそれを見て、本当に心の底からうれしかったですね。
何だか、胸の奥に込み上げて来るものを、そうです・・・大きな喜びを感じました。

さあ、あとはパン屋の仕事です。
近いうちに精麦、製粉と進めて、試食のパンを焼くことになります。
実際に自家生産のライ麦に切り替わるのは、手持ちのライ麦全粒粉を使い切るまで、もう少し先になります。

ちなみに中島第一圃場のライ麦が、まだ畑で脱穀を待っています。
こちらも100kg近くあると思いますので、すべて仕上がった暁には、200kgのライ麦が確保されることになります。

一年間の使用量には、まだ足りないかも知れません。
でも、これはもう掛け値なしにうれしい!

来年は一年間に足りる量を・・・、もう今から計画を練っています。

大麦コーヒー、オンラインストア でも販売開始

大麦コーヒー

大麦コーヒー 200g(コーヒーカップ40杯分) 1200円

試飲販売ですっかりご好評をいただいている大麦コーヒー、いよいよ満を持してオンラインストア でも販売を開始いたしました。
焙煎度合いの細かい所を詰めて、ほど良い苦みと濃厚な風味を求めていましたが、納得の行くラインが決まりました。

私、かれこれ一ヶ月以上、毎日2回のコーヒータイムのうちの1回をこの大麦コーヒーにしていますが、もうすっかり大麦コーヒーがお気に入りです。
コーヒーのイミテーションなんかじゃなく、これはもう別の嗜好品として私の中では地位を獲得しています。
そして健康的で滋養成分豊富な飲み物なのですから、もう手離せません。

皆さまにも、ぜひお試しいただきたいと思っています。
よりお手軽にご購入いただけるよう、オンラインストア でも販売を開始いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

ライ麦の脱穀、出来ました

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コンバインの刈り取り機能は使用せず、脱穀機部分のみを動かしました。
自走するので、作業する場所の間近まで寄せながら進められます。


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2019年産中島第二圃場のライ麦です。
この後、乾燥機に入れて水分調節しながら、ゴミも飛ばします。
それから精麦機にかけてクリーニングしてから製粉です。

やりました!
早朝3時からお昼までパン焼き仕事をして、昼食の後、速攻で圃場に機械を移動して脱穀作業にかかりました。

いつ雨が降り出すかもしれない空模様の下、先に刈り取りをした第二圃場の分のライ麦は、脱穀作業が終わりました。

今年は、やはり雨のせいで品質が良いとは言えない収穫になったのが、ちょっと残念と言うか悔しいところです。
土壌も準備不足で、質的に十分ではありませんでしたから、この結果はその割にしたらまあまあではないかと思います。
来シーズンは、もっとずっと良い出来にしたいと意気込んでいます。

それにしても、一粒の麦の種からパンになってお皿の上に乗るまでの道のりの遠さを、改めて思い知りますね。
もう本当に、霞がかかって見えないほど遠い・・・。
これが機械力も何もない昔のことなら、その苦労は如何ばかりか・・・。

今日、疲れ切った体でそのことを考えていたら、頭の中にありありと想い浮かぶのですね。
昔の人は、命を養う食べ物を手に入れるために、逆に命をすり減らす毎日だったのだろうと。
だから、長生きなんか出来なかった・・・。
でもその代わり、中身の濃い日々だったろうとも。

ちなみに、今日のパンも良かったんですよ。
心の底から、皆さんに食べていただきたい!と、そう思っています。

そして今日の、この中身の濃い一日を過ごせたことに、沸々と感謝の気持ちが湧いて来る私です。
今夜は、多分死んだように眠れるでしょう。

本日もクタクタです

麦ラボ

ここは北海道ではありません。
東北でも、ライ麦は出来ます。


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中島第一圃場のライ麦、収穫作業終了

今日も一日麦刈りで終わりました。
一昨日からやっている、中島第一圃場のライ麦です。

機械を使えないと、こんなに時間がかかるんだ・・・と、半ば落胆しつつ一方で「やっていれば、必ず終わるから。」と言い聞かせつつ、心の中では妙に「これがいいんだよな・・・」と納得してました。

娘たちも作業に加わってくれましたが、それでも一昨日の午後から今日の日没まで二日半かかりました。
でもその甲斐あって、圃場をきれいに刈り払いするところまで出来ました。
こうしておくと、来年に向けての除草対策になるのです。

さてこれでどれほどの収量になるのでしょう。
脱穀してみれば分かるのですが、楽しみなような、少し怖いような、この一年の苦労の結果は如何に?
何しろ、食工房のパンの品質に関わることですから。

これであと圃場に残っているのは、中島第二圃場のスペルト小麦だけになりました。

ちなみに、手作業のおかげで麦の一株一株一本一本をよく見ることが出来た結果、茎が紫色の個体を発見しました。
膨大な本数の中からわずかに数十本ですが、ひょっとすると興味深い特質を持っているかも知れませんので、来シーズンは、隔離された区画で試験栽培してみようと思っています。

今日のパンが、特別良かったです。

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一昨日7月2日、中島第二圃場のライ麦刈り取り終了


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ライ麦のドライフラワーが仕上がって来ました。

今日のパンは、自分でもおもわずニヤッとするくらいいい出来でした。
つまり酵母の調整が、ピッタリ的の中心に当たったということです。

否今日は、眠かったし疲れていたし、私のコンディションは最悪だったかも知れません。
それでもしくじらなかったということは、酵母の動きを見る勘だけは曇っていなかったのですね。

もう昨夜の段階で、動きが早くなりそうなことが分かっていましたから、夜番の上の娘に低めの温度設定を指示しておきました。
いつもより2~3度の範囲ですが、それでこの違いが出るのですね。
まだまだ奥は深そうですが、やっと酵母のデリカシーに付き合えるようになったと言うことでしょうか。

一方、刈り終えてハザにかけてあるライ麦が昨夜の雨でどうなったか、昨夜は気になって眠れませんでした。
何しろ丈の長いライ麦は、穂先が地面すれすれの状態で下がっているのです。
雨水がはねて濡れるだろうな・・・などと考えだすと、もういけません。

しかし夜が明けてから見に行くと、思っていたほど悪い事にはなっていませんでした。
その後日中の日差しで、ずい分乾燥も進んだようです。
明日からしばらくの間雨も降らないようですから、良い流れに乗っていると思えて少し安心しました。

しかしそれにしても、一日一日が、中身が濃いなー・・・と思う毎日です。