食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

自家産南部小麦の食パン

麦ラボ

2024年産の南部小麦の粉で焼いた3斤食パンとバタール
食工房定番のミックス粉の地粉角食パンより生地の伸びが良く、焼き色が断然きれい!


麦ラボ

南部小麦の食パンの切り口を見ています。
きめの感じが強力粉の膨らみとは違いますが、規定量の生地で型いっぱいに膨らみました。

一昨日、かなりがっかりさせられた南部小麦でしたが、実は計量ミスがあった模様です。

道理でうまく行かなかったわけで、今日は最初から生地の様子が全く違っていました。
吸水量も期待通りで生地の弾力も十分、そして実際に焼き上がって見ると、思っていた以上に伸びが良くおまけに焼き色がとてもきれいでおいしそうです。

この小麦がある間は、定番の地粉角食パンはお休みして、食工房自家産南部小麦角食パンにしようかなと思っているところです。

価格が少し高め改定になると思いますが、内容の良さに免じてお許しいただきたいと思います。
来月初めに収穫の恵みパンセットを発売しますので、それに合わせて切り替えます。

ちなみに、今日試作した食パンをスライスして、1枚ずつ試食用に差し上げています。
まだ何切れか残っています。
明日ご来店のお客さまに、先着順に何名かの方に差し上げられると思います。

明日も、皆さまのご来店をお待ちしております。

自家産南部小麦、レビュー

本日のテストの結果とレビューを報告しておきます。

まず結果から申し上げると、生地の粘りと弾力に関しては期待したほどではなく、グルテン度はあまり高くありませんでした。
従って、生地の伸びや膨らみは、今一つ。
食パン型に入れて焼いたものは、規定量で型いっぱいになりませんでした。

天板に並べて焼いたものも、横に広がって盛り上がりに欠ける形になり、食感も重く食べ応えあり過ぎという感じ。
ただし、風味の方は良かったので、強力粉とミックスするなどして使えば、いいかも知れません。

それから、この小麦粉の製粉の特徴として、大手の製粉会社のものと違って、見た目では分かりませんが粒度が大きく、その分給水に時間がかかるようです。
捏ね上げ時はベタベタで始末にならない状態でしたが、1時間半くらい発酵後はずい分締まって扱いやすくなりました。

むしろお菓子作りなら問題なく、風味も生かせるのではないかという気がします。

昨年は、この小麦粉でプレミアムスコーンを焼いていたのを覚えている方もいらっしゃると思います。
これもまたやって見たいと思います。

明後日のパン焼きで、少しレシピを調製してもう一度試作して見ます。

自家産南部小麦、テスト

明日のパン焼きで、自家産南部小麦のテストをやります。

まず定量1㎏の粉で生地をこねます。
この時水分量をどのくらいまで入れられるか、こねあがった生地の腰の強さや伸び具合いで、粉の性質が分かります。
醗酵完了時まで生地の弾力が維持出来るかどうかも重要です。

そして、焼き上げた時の焼き色、香り、手に持った時の重量感(よく膨らんでいれば軽く感じられる。)、それから実際に食べてみて風味はどうかなど、いくつかの項目を評価します。

どんな結果になるのか、ある程度は予想出来ますが、細かい所までは分かりません。
楽しみです。

明日ご来店の方には、試食をしていただけると思います。
お昼までには焼き上がっている予定です。

明日も、皆さまのご来店をお待ちしております。

自家産南部小麦の小麦粉

いつも利用している滝根町の佐藤製麺さんに、今回は自家産南部小麦の製粉のみをお願いしてありました。
今日、出来上がったその小麦粉を引き取って来ました。

まだ一見しただけですが、何だかとても良さそうです。
一昨年、昨年と、実績を積み上げて来ていますので、今年の出来の良さはある程度予想出来たことではありました。

今回、用意した原穀が60kg、出来上がった小麦粉が41kgでしたから、歩留まりが68%を超えました。
それでもフスマ混入の少ないきれいな白い粉に仕上がっていますから、それだけ原穀の粒張りが良好だったということになります。

あとは、実際に水分を加えて生地をこねて見ないと分かりません。
今週のパン焼きで、まず一回試してみます。

多分、風味の良い、また膨らみも悪くない、おいしいパンが焼けることと思います。
楽しみです。

そこでコストの話になるのですが、何度か申し上げましたが、この小麦粉は1kgあたり最低500円が実原価(営業利益は考慮していない)です。
食パンを焼けば、営業利益も考慮すれば一斤1,000円という計算になります。

これでは買う人がいませんから、価値が認められるまでは、利益は度外視することになります。
それでも、いいと思っています。

結局、自分でやるしかなかった・・・、その経過はすでに何度か語っています。
「おいしいものは、まずは畑から。」この信念が私を支えています。

ちなみに、明日9/17と明後日9/18は、食工房は定休日となっております。
お間違えのございませんよう、ご注意ください。
よろしくお願いいたします。

かぼちゃあんぱんまであと何日?

今年は、かぼちゃがよく取れています。
ツルは雑草の海の中で、上に下にはいずり回って、それはそれはたくましい様子です。

晴れのお天気が続いているのが幸いしていると思います。
草の海の中から、収穫期に達したものを探し出しては、持ち帰っています。

これは、上の娘が専属で担当してくれています。
専属でないと、どこにかぼちゃが成っているのか見つけられませんから。

今年は、結構沢山の収穫が見込まれます。
かぼちゃあんぱんをたっぷりお楽しみいただけると思います。

今もうすでに手元にかぼちゃがありますので、あん加工すればいつでもかぼちゃあんぱんを焼くことが出来ますが、麦の種まきの準備など他にも作業がありますので、だいたい今月中に再開出来れば上首尾と思っています。
今しばらくお待たせしますが、どうぞお楽しみに。

明日は、定休日明けパン焼きの木曜日です。
今日も、たった今仕込みを終わらせたところです。

明日も、皆さまのご来店、お待ちしております。

圃場整備、ラストスパート

ここしばらく晴天が続くようです。
すでにここ一週間ほど雨を見ていません。

圃場もよく乾いて来ていますので、耕耘するなら今がチャンスです。
秋分の日を過ぎたら、いよいよ麦の種まきが始まります。
今年から作付け面積が増えて作業量も多くなりますから、しっかり計画を立てて臨みます。

一方で食工房の製造仕事が疎かにならないよう、注力のバランスを考えなくてはなりません。
体が幾つあっても足りない感じですが、焦らず着実に、使える機械力を有効に活用して、何とか間に合わせたいと思っています。

無事にそれが完了したら、百姓進級を祝って「収穫の恵みパンセット」を発売します。
今年は、開業20周年のお祝いと合わせて、特別な内容になります。

内容発表は、もう少し先になります。
どうぞお楽しみに。

先ずは明日のパン焼きに注力です。
お天気も良いようです。
皆さまのご来店を、心よりお待ちしております。

季節の変化を感じます

残暑が厳しいとの予報が出ていましたが、9月になったばかりの昨日今日は朝夕はとても涼しくなりました。
日中は、まだかなり気温が上がって暑さも感じますが、日差しの角度が変わってきているからでしょうか、8月の頃と比べるともはや耐えられる感じになって来ています。
夕暮れも早くなり、外仕事は午後6時半頃までしか出来ません。

そんな季節の変化を一番敏感に反映するのが、酵母種の醗酵です。
環境温度もそうですが、水道水の水温も変化しています。
小麦粉やその他の材料の温度も、環境温度の影響を受けて、それぞれ変わります。

もちろんドゥコンディショナーで定温管理するわけですが、最初にセットする時の温度が管理温度とほぼ一致していないと、初発の数時間は狙った温度になりません。

このあたりはとてもデリケートで、ドゥコンディショナーに入れる直前の仕上がり温度は、±2℃以内にしなければなりません。
そうでないと、時間工程が狂ってしまいます。

で、どちらかというと、真夏の暑さは害の方が多く、涼しくなって来た今頃から先しばらくの間が、コンディションとしては良好な季節です。
パンの風味も良くなります。
食欲も増して来る季節ですから、おいしく召し上がっていただけると思います。

さて、ここしばらくは晴天に恵まれるようです。
お出かけの気分も上がると思います。

おいしいお蕎麦と温泉の山都町、食工房のパンもお忘れなく。

明日も、皆さまのご来店をお待ちしております。

値上げ要因相次ぐも、価格転嫁の難しさ

近年、物価の上昇が顕著となり、食工房でも原材料、光熱費、包装資材費、運賃など、すべてのカテゴリーでコストが上昇しています。

2年前、一大決心して商品価格の値上げ改定を行ったのですが、もうとっくにコスト上昇に追い付かれてしまっています。
今すぐにでも商品の値上げに踏み切りたいところですが、それが難しいのですね。

今この時点で合理的な価格決定をしたとしても、いつまでそれを維持出来るか見当が付かないからです。
前回の値上げでも、実際のところこれではすぐにまた値上げすることになるかも知れないと思っていましたが、そこまで見越して値上げするわけにも行きませんでした。

しかし、もうとうに限界を超えています。
いずれ近い将来、商品価格の値上げ改定をお願いすることになりますが、値上げの巾について今一つ先が見通せませんので、実施もいつになるか分かりません。

ただ・・・、例えば食パン1斤500円超えの事態となると、パン食から離れる人も出るでしょう。
そう言いつつ、以前私が申し上げたように、国産小麦の粉で焼く食パンの合理的な価格は1斤1,000円なのですから、それでは食べる人がいないという矛盾を最初から抱えているのです。
★食パン1斤、1000円の時代はもう来ている

ま、そのようなわけで、当分の間、瘦せ我慢をしながらがんばります。

わらいごま、バタービスケット

今日のお題は、サワードゥビスケットです。

サワードゥビスケットというのは、分かりやすく申し上げるなら、パン生地をベースに具材を加えてビスケット(小片の意)状に成型して焼いたものです。
食工房では、細い棒状に成形しています。

今日焼いたのは、わらいごまとバタービスケット。
わらいごまは、具材としていりごまを加え、油脂分もごま油にしてゴマの風味を生かすようにしています。
そこに少しだけスパイスを加えて、変化を持たせています。

バタービスケットは、その名のとおり油脂分はバターのみとし、水分も牛乳を使用しています。
こちらは、スパイスは加えず軽い塩味だけにしています。
具材も入っていませんので、まるまるパン生地そのものです。

二つとも軽い塩味ですので、日本の煎餅に近い感覚で召し上がれます。
ビールのおつまみにも活けると思います。
際立った味がするわけではないのに、妙に後を引くと多くの方の評価をいただいています。

そして、両者ともに表面の焦げ味の香ばしさと、カリカリ食感がポイントです。

ここは、ひとえに焼き方にかかっています。
如何に水分を抜くかということと、それがほど良い焦げ加減になるタイミングと合うように火加減を調製します。

生地は、パンよりは幾分硬めにしていますが、水分量は決して少なくないので、上手に焼かないと芯の部分がパンのような食感になってしまいます。

ここでも、釜入れ前の霧吹き、焼き上げ途中でヒーターを切って蒸らすなどしながら45分以上もかけて焼きます。

そして包装は、やはりガスバリア袋に乾燥剤と脱酸素剤を入れています。

さて、食工房のサワードゥビスケットにはあと二種類、くるみびすけっとと森のパン屋のビスケットがあります。

こちらもまた焼いた時にご紹介します。

ジンジャークッキー、どろんこクッキー

今日の食工房は、ジンジャークッキーとどろんこクッキーを焼いていました。
この二つは、昨日の食品添加物の件に関して言えば、無添加で製造しています。

膨張剤も使用していないので、食感は如何に?ということになりますが、ちよっと硬めではありますが、少し強く噛めば簡単に崩れます。
そして一旦崩れれば、口解けは案外良好です。

卵も使っていないですから、どうやって食感を良くするかは、一つは使っている砂糖に秘密があります。
もう一つは焼き方です。

砂糖は、粗いグラニュー状の粗製精糖を使用します。
これが焼けて行く過程で、膨張しながらまわりに溶けて行き、あとに空隙を残します。
原材料で食感に貢献しているのは、この砂糖の性質です。

もう一つの焼き方に関しては、例えば、釜入れ前にたっぷり霧吹きしてから入れるとか、焼成時間の大方は通気口を閉じて蒸し焼き状態にするとか、普通に考えて、出来るだけ水分を抜きたいクッキー焼きなのに蒸らすというのは逆方向のように思えますが、家はこれでうまく行っています。

さて、焼き上げたクッキーを出来るだけ日持ちさせたいわけですが、無添加なので先ずは油脂分の酸化が大敵です。
砂糖の量もどちらかというと控えめですから、防腐効果上でも不利になります。

以前は乾燥剤のみ封入してOPPパートコート袋で包装していましたが、品質劣化が思いの外速く、今はガスバリア機能を持つ包材に乾燥剤と脱酸素剤の両方を封入しています。

これは、狙った通りの効果を発揮し、良好な品質保持が実現しています。
それでも、つくりたての風味と食感を損なわない範囲として、最長でも2ヶ月程度の賞味期間を設定しています。

食工房のクッキー、ビスケットの類でこのカテゴリーに入るのは、あとはコーヒークッキーとナッツクッキーです。
4つともそれぞれに個性ある風味と食感をお楽しみいただけます。