食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

明日のパン焼き

明日はまたパン焼きの日です。
件の自粉食パンに沢山のご注文をいただき、明日は少しがんばらなくてはなりません。

それからもう一つ、スペルト小麦の精製粉を使って食パンをテストします。

この粉は、家で収穫したスペルト小麦を、いつもご紹介している製麺所にお願いして、製麺せずに粉の状態で納品してもらいました。

すでに南部小麦でも同じことをやっていて、これは自粉食パンの材料になっています。
今度はスペルト小麦でも試そうというわけです。

どんな仕上がりになるのか、大いに期待してはいるのですが、とにかく一度焼いて見ないことには分かりません。

スペルト小麦は、殻を剥くのが手間がかかりますが、それさえクリア出来れば普通小麦より作りやすい一面もあります。
何しろ風味は抜群ですから、スペルト小麦の粉を食工房の主力の原材料に出来ないものかと思案中です。

明日の結果が楽しみです。

スパイス、香料の恐ろしい高騰

食工房にとって、欠かすことの出来ない原材料の一つと言うか複数ですが、それがスパイスと香料です。
香料はバニラオイル一つだけですが、スパイスは30種類以上にもなります。

ここ数年の間のことですが、これらの仕入れ価格が徐々に上昇していましたが、この一年くらいの間にさらに急上昇しました。
バニラオイルを例に取ると、業務用1㎏瓶が数年前は4000円台だったものが、一年前に8,000円に、そして今は10,000円超となりました。
スパイスも1.5~2倍を超える価格となっています。

他の材料に比べ大量に使用するものではありませんので、製品価格への影響はこれまで反映させずに済まして来ました。

ただし、カリーマサラのようにスパイスそのものが製品となっているものはそうも行かず、ただ今品切れ中ですが、再販時には大幅な値上げも止むを得ないかも知れません。

そしてその他の製品についても、これまでのように無視するわけにも行かず、原材料全般の値上がりも考慮した上で、来年には商品価格の値上げ改定をお願いすることになります。

どの程度の値上げになるかは、これから詳細を検討の上、最低限に止めたい所存ですので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。

シュトレン、お届けしています

先月下旬から、お約束通りシュトレンを出荷しています。
すでにお手元に届き、召し上がった方からのご感想もいただいています。

何と言っても、お子さまもご一緒に安心して召し上がれるシュトレンですから、それがうれしくありがたいとのお声も頂戴しています。

そして一番多いのは、おいしい!の一言です。
つくり手としては、この言葉を聞くのが本望です。

これまで全く存じ上げない方からの突然のご注文もあり、そんな時もこのシュトレンならきっとご期待に応えられるはずと、自身と誇りを持ってお届けしています。

発売以来18年間、レシピの基本を変えることなく、プラスアルファの品質向上を目指して来た成果だと思っています。
今年は、たまたま国産のバターが品不足となったため、ニュージーランド産のグラスフェッドバターに切り替えました。

※牧草だけを飼料に用いて飼育された乳牛のミルクからつくられたバター

ミルクの香りも濃厚なバターです。
シュトレンの味わいにも、プラスになっています。

これからお受け取りになる方も、どうぞお楽しみに。

初雪

天気予報

2023.11.30 の天気予報
大方一日、雪模様になるようです。

風に乗って雪が舞う程度はこれまでにもありましたが、今日は一時的ではありましたが積雪を見ました。
ま、これが初雪と言える降雪でした。

途中から雨に変わり、地面、路面はビシャビシャのシャーベット状になりましたが、この後夜間に気温が下がれば再び雪に変わり、地面も凍って明日の朝にはそこそこの積雪になっていることと思います。

駐車スペースの除雪が必要になるかも知れません。
これでもう冬体制も固まることになります。

ご来店のお客さまには、雪の日ポイント2倍プレゼントが適用となります。
これは、その日朝の時点で降雪を見た時は、その日にご来店くださったお客さまのお買い上げ金額に応じて差し上げているポイントカードの点数を2倍付与するサービスです。
雪の中をご来店くださるのですから、何か一つくらい特典を差し上げたいと、食工房の感謝の気持ちです。

明日は、寒い一日かと思いますが、皆さまのご来店をお待ちしております。
なお、全ての品目が焼き上がるのは午後になります。
かぼちゃあんぱんやカネリプッラ、堅焼き黒パンなどをお求めの方は、午後からゆっくりとお出でになった方が確実です。

どうぞよろしくお願いいたします。

明日と明後日は定休日です

食工房の営業の一週間がまた終わりました。
今週も、多くのご利用いただきまして、ありがとうございました。

明日11/28(火)と11/29(水)の2日間、定休日となっております。
店はお休みとなっておりますので、お間違えのございませんよう、よろしくお願いいたします。

この週は、連日閉店時間を過ぎてなお残業する日が続きました。
シュトレン製造に並行してクッキーやケーキなどの製造も進めました。

今日は、コーヒークッキーとジンジャークッキーでしたが、クッキーの食感を良くするには、品目ごとに違った工夫を凝らしています。

コーヒークッキーは、生地を冷凍して固まらせて置き、それを細かく刻んで天板に並べて焼きます。
ジンジャークッキーは、硬めにこねた生地をローラーで延ばして拡げ、型抜きしたり包丁で切ったりして天板に並べて焼きます。

火力の使い方は最も難しいところで、食工房では、長い焼き時間を取っています。
短いものでも30分、長いものは50分くらいかけています。
ま、その間の詳細については、企業秘密です。

そして、昨日申し上げたスパイスの使い方も、一品一品異なります。
パウダーで使うことが多いですが、ホウルのものをミルで粗挽きして入れることもあります。

種類もいろいろ、ジンジャークッキーだってジンジャーだけってことはありません。
もう一つくらい、違うスパイスが入っています。

コーヒークッキーも2種類の香りを入れています。
そんな工夫が楽しく、皆さまにも喜んでいただけて、とてもいい仕事です。

さて明日は、製麺屋さんに出かけて来ます。
スペルト小麦を古代小麦麺に加工してもらいます。

仕事と言えばこれも仕事ですが、久しぶりに長距離ドライブで目先が変わっていいのです。
お昼も外食にして、気分を変えます。

忙しい合間の、ちょっとしたお楽しみです。
ではでは。

シュトレンから見えるスパイスの効用

今日もシュトレンを焼きました。

午前中に焼き上げたシュトレンは、夕方までかけて完全に冷却した後、とかしバターをつけてグラニュー糖を振りかけ固めます。

それを明日の朝まで置いて落ち着かせ、それから粉砂糖をまぶして仕上げます。
この表面処理は、長期保存のための重要な工程です。

一方それとは別に、中身自体にも防腐剤としての役割を果たすものが調合されています。
それは、シュトレンスパイスと呼ばれる数種類のスパイスを調合したものです。
これが、あのシュトレンの素晴らしい香りの元であると同時に、防腐剤の働きもしてくれるのですね。

食工房では、過去にシュトレンの長期保存テストを何度もしており、一度は賞味期限を一ヶ月以上過ぎた4月に開封試食して全く異常が無かったことをご報告しています。<参照>

それでまた思い出すのですが、チャイをつくる時に使った鍋を洗わずに一日置いてしまったことがありました。
真夏でしたし、牛乳が残っている鍋でしたから、酷いことになっているだろうと覚悟して確かめたところ、嫌な臭いはなくスパイスの良い香りがしていたということがありました。
さすがに口に入れて確かめるまではしませんでしたが、全く支障は無いかに思われました。
この時、スパイスの働きってすごい!と、改めて目を剥いたものです。

胡椒が防腐の効果を持つ貴重なスパイスとして、ヨーロッパで珍重されたことはよく知られていますが、それ以外のスパイスにも、防腐作用だけでなく様々な効能があることが知られています。

食工房は、このスパイスをシュトレンだけでなく、その他の焼き菓子などにも使いこなしています。

この次召し上がる機会がありましたら、少しスパイスのことを気にしてお口に入れてみてください。
どんな香りがするか、そして何が調合されているかご想像ください。

明日はシュトレンを焼きます

年末の稼ぎ頭シュトレンですから、どうしても最優先の仕事になります。
1個3,700円は、決して安いものではありませんが、複雑なレシピと完成までの手数の多さを考えれば、この価格にむしろ誇りを持って仕事をしています。
多くの皆さまにご支持をいただいています。

話は変わって、ここ数年、特に今年は、獣害が深刻で対応に追われています。
電気柵の設置と維持管理、トレイルカメラの設置と日々のチェックなどなど、ただでさえ忙しい毎日の中で貴重な時間を割かなければなりません。

一方、こんなことも一市民として誰が義務を負うものでもありませんが、被害を受けるとしたら自分たちですから、自宅周辺や生業としている圃場を護るために、出来ることはやるしかありません。

しかしその時間を割くために、食工房の仕事が疎かになるというジレンマを抱えてしまいます。

このところずっと、クッキーなど焼き菓子の在庫は全品目揃ったことが無く、いつも何かが品切れの状態が続いています。
また、食工房の看板であり広告塔でもある通信「飯豊の空の下から・・・ 」を発行するための時間も捻出出来ていません。
売り上げにも当然影響が出ます。

とは言え、獣害対策はいつでも最重要課題です。
これでは、まるで戦時下でパン屋をやっているようなものです。
確かにそうに違いない一面があります。

今やっとクマが冬眠に入ったであろう状況となり、一番の強敵と一時休戦となりましたから、これでもうずい分食工房の仕事に集中することが出来ます。
否、これが本来でしょう。

と言うわけで、明日はシュトレンを焼いています。
店の内外に、いい匂いが漂うことと思います。

シュトレンの試食もご用意して、皆さまのご来店をお待ちしております。

明日の朝は、白くなっているかも

雪の予報が出ています。
今夜遅くに一瞬らしいですが、多分明日の朝は、まわりは白くなっていることでしょう。

もうそういう季節になっているのですから、いつ降っても不思議はありません。
ただ、夏以降いつまでも暖かかったので、ここに来て急に真冬の寒さになるのは、衝撃が大きいですね。

これでもう、クマも穴に入ったでしょうか。
一時休戦です。
ただし、イノシシとサルは冬眠しませんので、戦いは続きます。
今のところまだ出没しませんが、ニホンジカもいるので、警戒しています。

さてさて、獣たちに振り回されながらも、本業は疎かにしていません。
明日は、パン焼きです。

収穫の恵みパンセットのご注文をいただいていますので、それに組み込むパンの仕込みが多くなっています。
おいしいパンを焼いてお届けまたお渡ししたいと思います。

お天気は優れないようですが、明日のご来店を心よりお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

寒くなりそうです

やっと先週あたりから気温が下がって来ました。
今夜は、冷たい風が吹き雨が降っています。
みぞれに変わるかも知れません。
来週後半は、いよいよ降雪もありそうです。

そしてこの寒さの到来で、やっとシュトレンの製造も始まりました。
実は、先週の月曜日に今シーズン初の製造をしています。
明日は2回目のシュトレン焼きの予定です。

一方で、最近まで暖かかったせいで、冬支度が進んでいません。
雪囲いもまだまだ完成してないし、電気柵の撤去もまだです。

と言うか、電気柵に関しては、降雪後は稼働させられませんが、本当は撤去までしなくてもいいのです。
ただ、道路沿いだけは、除雪車の通行の邪魔になりますので、撤去するしかありません。
それがまだなのですね。
気が揉めますが、致し方ありません。

明日はまた、当集落の収穫祭イベントがあり、私一人ですが、仕事の合間に参加して来ます。
旨い手打ちそばが食べられるのです。

差し入れに、スコーンを50個用意しました。
バザーで売ってもらって、売り上げを寄付します。

そんなわけで、明日も思いっ切り忙しい一日になりそうです。
早朝4時から、シュトレンの仕込み作業です。

バチルス菌対策を考えています

食工房

2023年度食品検査結果
画像クリックで拡大表示します。

スコーンの糸引き現象の原因が分かったのをきっかけに、製造環境全体の衛生管理を見直すことにしました。

まず、パンや焼き菓子は、庫内温度が200℃に達するオーブンで焼いた時点で完全に滅菌されるはずと思いがちですが、実はそうではないのですね。

水分のある生地を焼くのですから、水分が無くなるまで焼くのでなければ、表面はともかく内部は100℃を超えることはありません。
たいていは80℃くらいに止まるようです。

これでは、バチルス菌の淘汰など望むべくもないことですから、何か別な方法を考えなくてはなりません。

※バチルス菌は、150℃ 30分間でも完全には死滅しない。

防腐剤あるいはpH調整剤などの添加物に頼る方法が先ず一つです。
これに関しては、重曹+りんご酢の件で説明した通り、化学反応によって酢酸ナトリウムが発生するので、ある程度の殺菌効果が期待出来ます。

それから、ヨーグルトなどの乳酸発酵製品を原材料の一部として使用することで、バチルス菌を抑制する効果があるそうです。
このあたりをもっと詳細に化学的に検証して、確実な殺菌効果を発揮出来てしかも風味に響かない配合を編み出せないか、研究して見たいと思っています。

あと一つは、製造環境のクリーニングの意味で、オゾン発生器による環境除菌を検討中です。
あるいは、次亜塩素酸水の活用も可能ではないかと、そちらも検討しています。

尤も、酵母菌や乳酸菌も一緒に淘汰されたのでは元も子もなくなりますから、使用する場面や使用方法などは、細かく検討する必要がありそうです。

ちなみに、本年の食品検査では、スコーンを検体として提出しました。

※年一回以上、製品の生物化学的検査が義務付けられています。

結果は、一般生菌数 10未満/g 大腸菌群 陰性 /0.1g 黄色ブドウ球菌 陰性 /0.01g でした。

これなら、糸引き現象が発生する懸念はないものと思います。