明日はパン焼きの木曜日

明日は、二日の定休日が明けてパン焼きの木曜日です。

昨日の麦刈り、今日は乾燥調製(今も乾燥機が稼働中)と休日返上で働きましたが、充実した疲労感で悪い気はしません。

昨夜は、激しい雨音に何度も目を覚まされましたが、その度に「あぁ、良かった!麦は刈り終わったし・・・。」と、また眠りに落ちる私でした。

あとは、早く新麦を使ってパンを焼きたい!と、そちらに気持ちが向いています。
ライ麦は、購入品があと少しで無くなりますから、一二週間のうちには自家産のライ麦に切り替わります。
スペルト小麦は、昨年産のものがあと一回分あるかないか、新麦が間に合えば上々なのですが・・・。
その他、デュラム小麦、南部小麦、ライ小麦もありますから、目新しいパンも登場するかも知れません。

とりあえず明日は、いつも通りのパン焼きです。
お天気も少し持ち直すようです。

皆さまのご来店を、心よりお待ちしております。

麦刈り、終わりました

昨夜から本日早朝未明の頃まで、娘たちと交代で畑のわきに張り込みました。

午後10時50分、イノシシの群れが現れました。
車が止まっているのに気がついていそうなものですが、何事も無いように近づいて来ます。
ライトの明かりを向けても、動じる様子がありません。
何と図々しい!

それでもずっと照らし続けていたら、ゆっくり向きを変えて去って行きました。
しかしこれで安心は出来ません。
張り込みを解くことは出来なくなりました。
結局その後は現れませんでしたが、これを毎日続けることは出来ません。

明けて本日、何としても麦刈りをしたいのですが、お天気がスッキリしないのですね。
もっと晴れ間も覗くはずだったのでは・・・と思っていると、小雨が降り出す始末。

天を仰いで、恨み言の一つも呟いていたら、少し空が明るくなって来たではありませんか。
とにかく出来るところまでと、意を決して機械を出動させて圃場に向かいました。

まず、高野第2圃場の試験栽培区の麦を手刈りして片付け、ライ麦を刈るためにコンバインが入れるようにしました。
そしてライ麦を収穫。
その間に、またも小雨が降り出すタイミングがありましたが、すぐ止んで事なきを得ました。

前半戦を無事終了して、後半スペルト小麦の収穫のために、コンバインの分解掃除をしていたら三度雨が降り出し本降りになって来ました。

今度こそ万事休すかと諦めかけましたが、午後3時頃には止んで何とか作業が出来そうな状況になりました。

麦はしっかり乾いていた方が良いに決まっていますが、濡れていてもコンバインは支障なく収穫をこなすのですね。
もちろん、収穫後は乾燥機に入れて乾燥させなくてはなりません。

途中何度か小雨に見舞われながらも、何とか最後まで刈り終えることが出来ました。

それにしても、作業が終わって機械を片付けた直後から、土砂降りの雨です。
何という際どいタイミング!

麦は屋根の下に取り込みましたから、一先ず安心です。
もう本当に心の奥底から、「あぁ、良かった!」と胸を撫で下ろしている自分に気がついて、またもう一度「本当に良かった!」と頷いている私です。

娘たちもよく頑張ってくれました。

食工房、万歳!麦ラボ、万歳!

明日は麦刈りを

絶望的だと思っていたお天気が、明日一日だけ回復するようです。
何とか畑も乾いて、麦刈りが出来るのではないかと期待しています。

高野第2圃場のライ麦と中島第3圃場のスペルト小麦を刈り取って、今年の収穫にキリを付けたいと思っています。
うまく行けばいいのですが・・・。

と言うのは、昨日に続いて今朝も、監視カメラにイノシシの画像が記録されていました。
側のおばあちゃんの畑のじゃがいもは、わずかに残っていたものもさらに荒らされてしまいました。

で、出没の時間帯というのが曲者で、昨日の出没は4日の午前1時頃、今朝の画像は昨日4日の午後10時頃でした。
昨夜は、午後8時半過ぎ、午後10時40分頃、深夜午前1時頃、早朝未明午前3時過ぎの計4回パトロールしているのですが、1回目と2回目の間に来ていたのですね。
全く油断がなりません。

明日は残っている麦を刈る予定ですから、それをイノシシに荒らされたのではたまりません。
寝ずの番をしてでも、麦を守る決意です。

そして麦が終わったら、かぼちゃとさつまいもの圃場を電気柵で囲う予定です。

何故このように獣の害が増え続けているのか、それにはちゃんと理由があって私にはそれが見えていますが、いろいろな人がいろいろな事を言うので、口で説明するよりも先ずは状況を端的に正確にお伝えして、そこから先は皆さまにも考えていただきたいと思っています。

ちなみに、明日と明後日は、食工房は定休日休業となっております。
お間違えのございませんように。

イノシシが4頭

今日は、早朝の人足の後、お天気こそ微妙でしたが、中島第2圃場のライ麦を収穫しました。

少し湿気っぽさの残る状況でしたが、今日を逃すわけには行かないと決心し、午後から雨の予報が出ている中作業を開始しました。

昨年のように稲架を作って自然乾燥の工程を取ることはせず、いきなりコンバインで刈り取り脱穀同時に済ませました。
バインダーで刈るよりははるかに速いのですが、面積が広いことと背の高いライ麦はスピードを上げられないこともあり、午前8時半頃から初めて終わったのが午後2時前でした。

終了2時間前くらいから小雨が降り出し、穂先が濡れている状態になりましたが、そのまま続行しました。
選別や原穀の飛散など問題はあったと思いますが、ふり返る余裕はありませんでした。

それでも約350kgの収量がありました。
ライ麦に関しては、まだこの他に高野第2圃場に作付けしている分もありますので、400kgは超えるものと思われます。
やっと食工房の1年分に間に合う量になりそうです。

さて、それはそれで大変目出度かったのですが、今朝監視カメラをチェックすると、そこにはイノシシの画像と映像が記録されていました。

PCで再生して見ると、親と思われる大きなイノシシが1頭とそれよれ少し小さい子どもと思われるイノシシが3頭映っていました。
これまで、単独の個体だとばかり思っていましたので、これは意外でした。
そして、ますます油断ならない状況だと思い知った次第。
早速近所の農家さんたちにもこのことを伝えました。

話が前後しますが、監視カメラをチェックしに行った時、側の畑にいたおばあちゃんから、じゃがいもが被害に遭ったことを聞かされました。
見ると、イノシシの掘り跡が物凄く、ほとんど全滅に近い被害でした。
おばあちゃんの本当に悔しそうなお顔と訴え、心中を察するに余りあるものがありました。

我が家としては、当面スペルト小麦の収穫が終わるまで、一晩中間隔を置いてパトロールに出ることにしました。
その後は、かぼちゃ、さつまいもなどの畑の周りを電気柵で囲うつもりです。

このままでは、稲や蕎麦に甚大な被害が発生することは目に見えています。
複数の農家で力を合わせて、あるいは集落ぐるみで、対策を立てなくてはならないと思っています。

麦ラボ

ビデオカメラが捕えている視野
正面はスペルト小麦の圃場
★画像クリックで映像ファイルが開きます。

まだ大仕事が残っている

麦の収穫が順調に進んでいます。
南部小麦、デュラム小麦、ライ小麦と、少量3種はいずれも今日までに脱穀まで終わりました。

この後に控えているのが、ライ麦とスペルト小麦です。
こちら二つとも10a以上の面積がありますので、作業量も多く数日かかると思います。

その間のお天気がどうなるか、これが決して楽観出来る状況ではないのですね。
向こう一週間、ずっと雨または曇りの予報ですから。
ま、適当に外れてくれることを祈りながら、臨機応変に対応したいと思います。
さすがに疲れも溜まっております。

明日の早朝は、集落の奉仕作業(人足)も予定されています。
河川の両岸の刈り払い作業です。
怪我の無いよう、注意の上にも注意して臨みます。

デュラム小麦の脱穀

麦ラボ

高野第1圃場 デュラム小麦
昨年、スペルト小麦を作付けした跡地のため、至るところにスペルト小麦が勝手に育ってしまい、除去に大変な手間を食った。


麦ラボ

追肥が適切でなかったため、倒伏株が続出。
刈り取りには、大変な手間がかかった。


麦ラボ

スペルト小麦が雑草化して混入してしまいました。
取り除くために、大変な苦労をしなければなりません。


麦ラボ

2021年産 デュラム小麦
品質的には、上等だと思います。

この前の日曜日に、刈り取りをして稲架にかけて置いたデュラム小麦の脱穀を、今日やりました。

ただ今梅雨の最中で、とにかくお天気が不安定ですから、晴れ間があれば他のことは置いて、麦の収穫を優先しています。

そのデュラム小麦ですが、日本国内では作付けの実績はごく限られた例があるのみです。
東北では、多分例が無いと思います。
だいたいが暖地向きのデュラム小麦ですから、雪国では尚のこと難しい・・・。

しかしその常識を破って、食工房麦ラボでは、会津で7年目の栽培実績を更新中です。
今年は、3アールほどの高野第1圃場で、50kg余りの収穫が実現しました。

日本国内産のデュラム小麦は、西日本に一例「瀬戸デュール」があるのみです。
この瀬戸デュールの耐雪試験栽培を、2016~2017年にかけて食工房でも実施しています。
結果は、残念ながら降雪初期に根腐れを起こして枯死。
耐雪性を証明することは出来ませんでした。

一方で、カナダ産のライ麦原穀の中に異物として混入していた麦の一つがデュラム小麦であることが分かり、食工房でずっと試験栽培を続けて来ました。

こちらは雪の中でもたくましく越冬するので、会津で作付けが可能かも知れないと考え、近年徐々に作付けを増やし、ついに実用段階に達したというわけです。

デュラム特有の黄色の発色も申し分なく、風味も普通の小麦とは全く異なります。
水を加えて捏ねれば、早くもパスタの風味そのものです。

まずは、お約束のフォカッチャの新発売ですね。

あと、自家用に生パスタに挑戦したいと思っています。
楽しみです。

麦の話続く

食工房では、いつの頃からでしょう、多分10年以上も前からですが、鉢植えの麦を店の前に並べて皆さまにご覧いただいています。

年々種類も増えて、今では大麦、小麦、ライ麦、デュラム小麦などなど多種多様です。

ある時、近所のおばあちゃんが目を留めて、上の娘に言いました。
「ほう・・・、これは、ご飯に入れる麦だな。」「こっちは、うどんにする麦だな。」と。

自分たちも、昔は麦を作っていたのだそうです。
だから、見てすぐにそれが何であるか分かって、娘に声をかけて来たと言うわけです。

そして別な麦を指さしながら「この麦は、見たことねぇな・・・。」と。
そこで娘は、それがマカロニを作る用のデュラム小麦であることを説明してあげました。
おばあちゃんは、珍しいものを見て感心していたとか。

また別のおばあちゃんは、ライ麦も小麦も大麦も作ったことがあると言い、例えば小麦はいつまでも畑においておくものではないこと、刈り遅れると甘くなるのだと教えてくれました。

さらに、そうなると粉に粘り気が無くなり、うどんを作っても生地がべた付いてこしが無く、食べてもおいしくないとも。

ふーむ、なるほど。
小麦の刈り取り時期の重要さは、おばあちゃんも知っていたのですね。

また、ライ麦でソーメンを作って食べたものだと言うおばあちゃんもいました。
どんなものだったのか詳しく知りたいと思いましたが、お話を伺う機会を逃しています。

こんなふうに、ちよっと時代をさかのぼると、そこには麦を作って日々の食に活用していた風景があったのですね。

お年寄りたちに学べることは、実は沢山ありそうです。
元気なうちに、いろいろお話を聞いておきたいと思っています。


ライ小麦の収穫

麦ラボ

中島第5圃場 ライ小麦


麦ラボ

ライ小麦 収穫作業中


麦ラボ

ライ小麦 近影


麦ラボ

ライ小麦 近影


麦ラボ

ライ小麦 近影

昨日と今日の二日に分けて、中島第5圃場のライ小麦の収穫をしました。

このライ小麦で興味深いことは、小鳥たちがとにかくこの麦に集まることです。
否、そんなにおいしいのか・・・と思います。

ですから、私たちにとっても食味の良い麦なのだろうと考え、それまで試験栽培に止めていたものを昨年から実用レベルにまで作付けを増やしたというわけです。

実は昨年、わずかに一度だけでしたが、パンを焼いて食味テストをしています。
否それが、なかなか風味絶佳で、これはイケると思ったものですから。

今回の収穫で、多分数十キログラムは取れるものと思います。
それをパンづくりにどのように活用するか、うれしくまた楽しみな課題です。

南部小麦に関する考察

麦ラボ

2021年産 中島第4圃場の南部小麦
有機肥料のみで収穫しています。
登熟期には毎朝晩、熟度をチェックして刈り取り時期を見定めました。
刈り取り後約一週間、稲架干しして追熟させています。


麦ラボ

2016年産 町内の農家さんに作付けしてもらった南部小麦
土壌は有機質100%でしたが窒素が不足していたかも知れません。
刈り取りのタイミングも早過ぎたようです。

南部小麦という品種があります。
岩手県の奨励品種になっています。

グルテンの力は中力程度ですが、粉の粘りが強く風味も良く製麺適正に優れています。
彼の南部せんべいの原材料にもなります。

そして食工房では、この南部小麦の粉を岩手県の製粉業者から取り寄せて、主力の原材料として使用しています。

一方、地元の農家さんにライ麦や小麦の作付けをお願いしていた時の小麦の品種が、他でもないこの南部小麦でした。

全粒粉に自家製粉して、飯豊山食パンや小麦丸に使用していました。

しかし、こう言っては何ですが、農家さんたちの麦にかける熱意に物足りなさを感じていました。
当然それは品質にも現れていました。
そんな状況に私の不満が募って、結局お付き合いを止めてしまいました。

以来、自分で作付けする方向へ舵を切ったわけですが、5年の歳月を経て今年、食工房でも南部小麦を、営業用に使う量収穫することが出来ました。

実はそれ以前にも、種取り用程度に細々試験栽培をしていましたが、その間に小麦の品質に関する勉強も進んで、今回の収穫ではまずまず満足の行く品質の小麦が取れました。

以前農家さんに供給してもらっていた時の小麦の画像と今回の食工房畑の小麦の画像を比較すると、まるで別物のように見えます。

小麦のタンパク価を上げるためには、土壌に十分な窒素分が不可欠で、つまり良く肥えた圃場でなくてはなりません。
そして、刈り取り時期が最も重要で、未熟でも過熟でもタンパク価は下がります。

見た目で言えば、透明感のあるあめ色で硬い粒なら高タンパク(グルテンの含有率が高い)、白く濁っていて柔らかい粒はでんぷん質が多く低タンパク(グルテン含有率が低い)です。
小麦粉も用途に合わせてタンパク価もいろいろですが、南部小麦は本来そこそこタンパクの強い品種です。

今回収穫した南部小麦をどのように使うか思案中ですが、一つは全粒粉に挽いてパンの原材料に、もう一つは製麺所に加工依頼して小麦麺を造ろうと考えています。

今後製粉の手立てが整うようなら、食工房の主力の原材料として使うことも夢ではなくなります。

そしてこの後、デュラム小麦やライ小麦も収穫になります。
さらに続いてライ麦、最後はスペルト小麦です。
いずれも価値ある麦です。

夜間パトロール

何としても麦を守らなければなりません。
今出来る方法の一つとして、夜間パトロールをしています。

暗くなって間もない頃の時間帯、それからしばらく経った深夜の時間帯に車に乗って圃場の周りを見回ります。
パターン化しないよう、時間は適当にずらしています。

本当は、真夜中にも回りたいところですが、それでは寝る時間が無くなります。
でも、人が出て行くのが一番の抑止力になるみたいです。
そんなわけで、夜の時間帯もゆっくりしていられません。

しかしそれも麦の収穫が終わるまでの辛抱なので、何とかやり遂げたいと思っています。

電気柵も、導入することにしましたが、今年は間に合いません。
残念ながら、ネット作戦は敗北です。

それでも一つ救いだったのは、ノゲの長い麦は敬遠するらしいことが分かったことです。
イノシシの習性をよく掴めば、効果的な対処も出来るようになるものと思っています。

ここしばらくの間、ブログの更新、途切れることもあるかと思います。

農繁期

麦の作付けは、収穫期の今頃が一番の繁忙期、つまり農繁期です。

稲作だと、田植えの頃と収穫の頃の2回、麦作も秋の種まきの頃と収穫期の今頃の2回、農繁期があります。
品種の違う麦を数種類植えていますので、収穫期も少しずれます。

今年は、一番初めが南部小麦でした。
そして昨日と今日でデュラム小麦を刈りました。
いずれも稲架を作って掛け干し中です。

主力のライ麦はもう少し熟度が上がるのを待っています。
スペルト小麦はさらに後になります。
全部終わるまで、何だかんだと一ヶ月ほどかかります。

その間に、どうしても食工房の製造作業を休まなくてはならないタイミングが生じます。
何しろ、お天気に左右されますし、麦自体の登熟度も見なくてはなりません。
農作業は、何に付けても臨機応変が求められるのですね。

そこへさらに、イノシシなどによる獣害があるわけです。
今、スペルト小麦に被害が出始め、ネットだけでは防げないことも分かって来ましたので、別な方法も思案中です。

そしてもう一つ、イノシシにとっても、長いノゲはどうやら苦手と言うか、食の優先順位としては低いようです。
デュラム小麦やライ麦は、実は囲っていないところもあるのですが、今のところ被害はありません。
他に食べるものが無くなったら、その限りではないかも知れませんが。

明日も曇りまたは晴れのお天気のようなので、麦の収穫作業が続きます。
食工房の製造作業は、一時休止です。

ただ一つビールだけが、ドゥコンディショナーの中で熟成中です。
今日のチェックで、昨日より糖度が下がりアルコール感が増していることを確認しました。
あと数日で完熟、ボトリングの流れです。