麦の味が分かるパン

今日のスペルト小麦食味テストバージョンのパンも、先週のライ麦同様大変良好な出来となりました。

麦の風味が分かるパンになっているということは、実は簡単そうでいて難しいのです。
パンには、いろいろ副原料が加わることが多いので、麦の味がストレートに出ることは意外にないのです。

例えば、イースト菌の臭いも小麦の風味を分かり難くしてしまいますし、油脂分も然りです。
食工房の酵母は培養基が小麦粉ですから、熟度を誤らず用いれば麦の風味が本当にストレートに表出します。
またパン生地には、一部を除いて基本的に油脂分を入れませんので、麦の風味を邪魔するものがないのです。

今日のテストでも、新穀の風味が強く感じられて、あの新米のご飯がおいしいのと同様な感激を味わうことが出来ました。
食工房では、収穫した麦を保冷倉庫に預けてあり、必要量だけ出庫して製粉しますから、いつでも新穀の味わいを得られる計らいになっています。

こうやって皆さまに気を持たせて置いて言うのも何ですが、在庫になっているライ麦と小麦の全粒粉がまだ少しあって、いくら何でもそれを捨てるわけには行きませんから、新麦のパンはもうしばらく先までお預けです。
申し訳ありませんが、ご了承ください。

ちなみに、来週は件のライ小麦の食味テストを予定しています。
私たちも初めて味わうライ小麦(正確には、・・・かも知れない麦)、とてもとても楽しみです。
皆さまもどうぞご期待ください。


獣害対策マップ、次々更新

明日は、スペルト小麦食味テスト

麦ラボ

ライ小麦ではないかと思われる特長を持つ麦です。
葉は幅広で全体に大型の体形で穂も特別大きい。

明日は、2020年産スペルト小麦の食味テストバージョンのパンを焼きます。

先週のうちに精麦製粉してシーズニングしておいた全粒粉を使います。
先ず以て、全粒粉から立ち上がって来る香りは、全く申し分ありません。

明日は、飯豊山食パン、小麦丸、みのりのパンの三品目が対象です。
粉の状態からして、おいしいパンになることは間違いありません。
酵母の調整も、念を入れています。

ところで今年は、もう一つ食工房にとって画期的なテストが実施されます。
ある種類の小麦の食味テストです。

話は、今から6年ほど前のこと、輸入品のライ麦原穀の中に異物として混ざっていた穀粒を鉢植え試験栽培していた頃に始まります。

その中のたった一粒しかなかった大粒の麦が、福島会津の気候によく合って旺盛に育ち、数年後には圃場に播くほどになりました。
旺盛な生育、見栄えの良い大きな穂、そして特別大粒の実、収量も上がりそうです。

これが、節の数などから小麦であることは分かりましたが、穂の付け根の部分にライ麦の特長もあり、ひょっとしてこれが文献などに出て来る「ライ小麦」なのでは・・・と、疑問のままその後もずっと試験栽培を続けていました。

そしてやっと今年は、わずかに1kg足らずですが食味テストに回せる量を確保しました。
それを今日、精麦製粉したというわけです。

一週間ほどシーズニングして、来週末8月1日(土)のパン焼きで、小麦丸スタイルのパンを焼いてみることにしました。

たった一粒から増やした麦ですから、恐らく日本国内では初めてのことになるのじゃないでしょうか。
感無量です。

尤も、食味が良くなかったらガッカリですが、全粒粉の状態では良い香りがしていますし、口に入れてみた感覚では、ほんのり甘みがあってやわらかく温かみのある味わいでした。

麦ラボの大きな成果の一つになるかも知れません。
楽しみです。

汗のご利益

ここ数日、毎日大汗をかいています。
気温の高い真昼間に外で体を使って作業するものですから、夕方は部屋に入る前に風呂場に直行して着替えをしないと、うっかり椅子にも座れません。
そのくらい汗でベタベタ。

ですから、水もよく飲みます。
そうやってどんどん水分が代謝するのと一緒に、体の老廃物も出て行ってくれるようで、おかげさまで体の調子はいいのです。

ただし年齢相応と言うか、あちこち筋肉痛だったり、関節痛だったりは少しはありますが、それはもうしかたがありません。
柔軟体操とか、準備体操などしてから作業にかかれば尚いいのでしょうが、なかなかそれをしている暇がありません。

しかし、夜はもうすぐに爆睡です。
寝つきが悪いなんてことはあり得ませんね。

熱中症対策ですか・・・?
小まめに水分補給、木陰で風にあたりながら休憩、昼食はゆっくりと時間をかけて取り、食後もゆっくり休んでから午後の作業に・・・。

おかげさまで、暑さにやられる心配はなさそうです。
何より、耐えて動ける体の健康がありがたいと思っています。

食工房のパンとコーヒーのおかげ!と、自画自賛しておきます。

草刈り、草刈り、また草刈り

雨続きだったここ一ヶ月近い期間、その間に草刈りが出来ず、畑や畑の周り、家の周り、農道などは、伸びたい放題に伸びた草がどんどん茎立ちしています。
早く刈り払わないと大変なことになる・・・と思っていたところ、4日前くらいから晴れ間が覗くようになりました。

このチャンスを逃してなるものか!と、いつもの食工房の仕事をこなしながら、午後から夕方にかけての時間を草刈り作業に充てていました。
外で汗をかくのは気分が良いものですが、一日が終わる頃には体力も限界です。
でもおかげさまで、今日までに全体の半分くらいは終わらせることが出来ました。
まだ明日も晴天が続きそうですから、多少残ってしまうかも知れませんが、いいところまで終わらせることが出来そうです。

ま、何だかんだと言いながら、辛うじて間に合って行っているようですから、自分を信じ、天地の計らいを信じて、いやにならずにがんばることが出来ると思っています。
何と言ったって、雪室にライ麦とスペルト小麦合わせて300kg余を預けてある、その充実感は、他のことでは味わえません。
そして麦のことをよく分かっているパン屋になることも出来たわけですから、ありがたい、ありがたい、本当にありがたい人生だと感謝しています。

明日も食工房の仕事をこなして、それからまた汗を流します。

それからあと一つ今日の天の神さまのサプライズ、この晴れ間にやっと、最近話題のネオワイズ彗星を見ることが出来ました。
そしてまたここから見ると、ちょうど飯豊山の真上くらいの位置、何だかすごい配置です。
地球は、ドラマチック!

新ライ麦の食味テスト、優

本日の新ライ麦の食味テストで焼いた3品目のパン、ライ麦入り角食パン、堅焼き黒パン、プンパニッケルは、いずれも素晴らしい風味を醸し出してくれました。
酵母の調子も良かったことが幸いしたのも確かですが、それとは別に麦芽の香りが素晴らしかったですね。
新穀ならではのものと感心しました。

さてこれで、来週のスペルト小麦の食味テストが、なお一層楽しみになって来ました。
掛け値なしにうれしいです。
心の底から。

新ライ麦の食味テスト

明日のパン焼きで、今年度産のライ麦の食味テストを行います。
ライ麦入り角食パン、堅焼き黒パン、プンパニッケルの3品目を予定しています。

いつもの定番品ですが、明日は今年度産のライ麦全粒粉を用います。
テストですが、いつも通りの品質の製品になりますので、従来通りの価格にて販売いたします。
明日のみの限定となっております。

なお、通販にご注文いただいている分も、この仕様の製品が出荷されます。
どうぞお楽しみに。

さらに来週は、スペルト小麦も食味テストを行う予定です。
ご期待ください。

相変わらず梅雨空の毎日ですが、明日もおいしいパンを焼いて、皆さまのお越しをお待ちいたしております。


獣害対策マップ、次々更新

本日は朝から、辰ヶ原地区に猿がやって来ました。
昨日、東向地区で追い立てられた群れが移動して来たものと思われます。
畑に侵入される直前に対応出来ましたので、効果的だったと思います。
多分、いつものコースで川隅地区へと移動して行くはずです。
なお油断せず警戒します。


「紙版・飯豊の空の下から・・・」No.62 2020年7月号
をご覧いただけます。

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紙版・飯豊の空の下から・・・

本日、「紙版・飯豊の空の下から・・・ 」の新しい号(7月)の編集を終え、pdfファイルを公開いたしました。
多くの方にご覧いただきたく、ご案内申し上げます。
いつもどおり、記事末尾のバナーリンクをクリックしてファイルを開いてご覧ください。

さて本日は、昨日とは打って変わって雨の一日でした。
ここ一ヶ月近くの間、ほとんど晴れの日は無く雨ばかりというのは、統計上もすでに結果が出ていて、ここ一ヶ月の間の日照時間は平年の30%ほどに止まり、逆に雨量は150~200%にもなっているとのこと、農作物にも深刻な影響が出始めています。

否それにしても、よくぞ麦刈りを終えることが出来たものだと、またまた改めてこの間の際どい判断を振り返る私です。

ところで、この雨続きの空の下、猿たちが続けて出没しています。
もういつでも畑のあるところの至近距離に隠れていて、人の気配が去るとすぐに侵入して来ます。

今日も雨の中、追い払い作業をしていました。
もはや猿たちは数が増えて、群れも複数になったのではないかと思われます。
とても広範囲に、同時に出没していますから。

で、そこで影響を受けるのが、実は鳥たちです。
猿は、皆さまご存知の通りとても達者に木に上ります。

一方鳥たちは、木の上に巣をかけます。
猿たちは、卵やヒナをとって食べてしまうこともありますし、そもそも木に上って枝を揺すったりしますから、鳥たちは安心して営巣活動が出来ません。

その影響でしょうか、人家の近くに小鳥たちが集まっています。
カラスくらいの大きな鳥にとっても、猿は大きな脅威です。
猿がいると、上空でカラスたちが大騒ぎしますから、注意していれば猿たちの動向が分かります。

植物にも少なからぬ影響があり、猿の好物でもあるヤマユリは、花はもちろん球根も掘り出して食べてしまうので、このあたりではすっかり見かけなくなりました。
こんな風に、特定の野生動物(猿、猪、鹿など)の動向で、生態系が破壊されて行くのを目の当たりにしています。

この際人間もまた自然界の一員として、こうしたことに十二分に関心を払い、ただただ人為を遠ざけることのみが自然保護ではないことを知り、適切に介入すべきと考えます。

そのためにも、自分たちの繁栄は他の自然界の仲間たちの繁栄と共にあるということを忘れず、果たせる役割があるということを知らなくてはなりません。
人類の知恵は、そこにこそ発揮されるべきだと思っています。

獣害対策マップ、ご覧いただければ幸いです。

スペルト小麦、籾摺り作業

麦ラボ

籾摺り作業開始


麦ラボ

ジェットファン式籾摺り機 イセキ MGJ-3M3


麦ラボ

籾摺り機稼働中


麦ラボ

未精製原穀投入口


麦ラボ

籾摺り機からグレーダー(選別機)に直結
自動計量で袋詰め出来る


麦ラボ

テント張りのスペースの中に麦殻を排出


麦ラボ

2020年産スペルト小麦
籾摺り、選別済み原穀


麦ラボ

スペルト小麦、麦殻


麦ラボ

排出された麦殻を集めると、体積は中身が入っていた時と全く同じです。

本日は貴重な晴天の一日となりました。

予報で分かっていましたから、スペルト小麦の精製(籾摺り)作業をやりました。
何しろこの作業を早く終わらせたかった・・・。
そうしないと、倉庫の中がいつまでも片付かなかったので。

本日は、段取りから後片付けまで含めて、朝から大方一日かかりました。
籾摺り工程自体は、一時間少々で終わっています。

件のジェットファン式籾摺り機は、期待通りの性能を発揮してくれました。
脱っぷは完全ですし、穀物の傷みはほとんどありません。

それでも、一工程では若干麦殻が混ざっていましたので、再度工程を繰り返して二行程かけたところ、完璧な原穀が得られました。
選別機でふるい落とされた選別下は、10%より少し多いくらいで、まあまあ出来は良かったのではないでしょうか。

ただ、収量は思ったほどなく、全体で130kg程度でした。
それでも昨年よりは多くなりましたので、こちらは何とか一年分間に合うのじゃないでしょうか。

これでライ麦とスペルト小麦ともに収穫が確定し、本年の麦の収穫作業は無事終わりました。
今回、なかなか緊張感が高く、思えば冷や汗ものの収穫期でしたが、今は心の底から安堵しています。

これから一部を製粉してパンを焼き、食味テストをしたいと思っています。
食味テストのスケジュールは、後日発表いたします。
★2021年の籾摺りの時の記事もご覧ください。<こちら>

思いもかけぬ原因で土砂崩れが

藤沢行政区

旧山都第二小学校(現在は養護老人施設)の運動場裏手の土手が崩れました。


藤沢行政区

ここの土手の法面が延長約80mにわたって崩れていました。


藤沢行政区
藤沢行政区
藤沢行政区
藤沢行政区

一抱えのお大きさの石も何個か落ちていました。

本日は予定通り早朝より人足が実施され、集落内の生活道路沿いの草刈りなどをしました。

それで、一箇所土砂崩れが発生している箇所がありました。
旧山都第二小学校(現在は、介護老人施設)の運動場の裏手の土手です。
上り口から運動場入口までの道路沿いの法面が、延長80mわたって崩落していました。

昨日までの雨で崩れたことは間違いありませんが、その前から、このあたりに出没している猪が掘り返して大きな穴が無数に開いていたことが原因となったようです。

彼らが地面を掘り返す様子は、まるで荒っぽい土木工事そのもので、草や木の根は皆剥き出しになってしまいます。
土を掘って何をするのかと言えば、ある時はミミズがお目当て、ある時はヤマユリなどの球根、山芋と、食料探しということもあれば、体の表面についた虫を落とすために土(泥)浴びということもあります。
いずれにせよ、あたりの地面はもう酷いことになります。

今日のその現場を見て、頭に浮かんだこと、それは山崩れの中のいくつかは、こうした猪の出没が原因になっているかも知れないと言うことでした。

否、実際のところ、これは猪の例ではありませんが、高知県から徳島県にまたがって広がる剣山系の山々では、鹿の食害によって高山植物が喰い荒らされて一面のはげ山になってしまったところがあります。

それだけならまだしも、植生が失われた地表はやがて雨に侵食されて流れ出し、美しい峡谷を土砂で埋めてしまうという悲劇的な結果をもたらしています。
もし、こうした野生動物による影響が、土砂崩れなどの災害の遠因になるとしたら、一面的な動物愛護の考え方は環境保護と矛盾することになってしまいます。

今日の現場などは、そのまま放置しておいてよいわけはありません。
何らかの手を打たなければ、本当に大きな災害が起こるかも知れませんから。

そして何らかの手とは、つまり猪の数をコントロールするということです。
それ以外ないでしょう。

このあたりでは、近年猪の数が止まることを知らず増え続けています。
もちろん、猿も、ひょっとすると熊も。

IIDEの編集をしています

IIDE「紙版・飯豊の空の下から・・・」の新しい号の編集をしています。

先月の中ごろにはすでに取りかかっていたのですが、麦刈りが間に入って中断していました。
今また思いなおして再開です。
ずっと雨が降って外仕事は出来ませんので、食工房の製造仕事とこの編集作業を並行してやっているところです。

最新情報を手っ取り早く伝えるにはネットを使うのが一番でしょうが、紙版は見て読んでくださる方との絆が深まるような気がしますね。
もう一回初心に帰って見ようと思った次第。
そしてまた、忙しい、忙しいと言いつつも、こうして意欲を失わないでいられることが健康の証かも知れないと思いながら続けています。

明日は、この集落の労働奉仕作業「人足」に招集がかかっています。
生活道路沿いの草刈り、支障木の伐採など、早朝5時から作業開始です。

朝のうちにそれが終わって、あとは食工房で仕事です。
ご来店、お待ちしております。