雨上がって、夏の宵を楽しむ

昨夜から今朝にかけて、会津では雷を伴った豪雨に見舞われていました。
降れば豪雨の例えは、今回もまた当たってしまいました。
もはや日本全国どこでも、豪雨による災害の危険を免れ得ないのかも知れないと、思い知った次第。

しかし当地では、その雨も午前中には上がり、午後からは晴れ間も見えて来ました。
梅雨前線が南下したということで、夕方にはひんやりと涼しい風が吹きました。

夕暮れ時、外に椅子を出して涼みました。
遠くに近くに、ヒグラシの声が響いて、気持ちの良い時間を過ごしました。
尤も、蚊は少しですがいるのですけどね。

それで一つ気が付いていることがあります。 
近頃、街灯も家の明かりもLEDになって、虫が寄って来ないのですね。
何でも、LEDは紫外線を出さないので、昆虫は反応しないのだそうです。

昔は、明るくすれば必ず虫が集まって来て大変だったものですが、今は煌々と明るくても虫が飛び回っていないのです。

やがてそれが当たり前と言うことになるのでしょうが、私などには何だかとても不思議な光景です。

まあしかしそのおかげで、夏の宵は快適です。

食工房、麦ラボ(麦の研究室)

食工房の中に、いつの間にか麦の研究室が出来ていました。
上の娘が、カナダから輸入されたオーガニックライ麦の中に異物として混入していた、小麦らしき種子を鉢植えして育て、種を増やし始めて早や4年目。
最初2粒しかなかった物も、4年目の今年、2kg収穫出来たものもあります。

一方、ライ麦と南部小麦の地元産も定着して来ました。
大麦も、地元の方から入手出来るようになって、早や3年目。
今、麦がとても面白い!と感じています。

日本は、お米の国だと言われるのですが、麦だってなかなかどうして、活躍の場は米よりもむしろ多いくらいです。

大麦は、主食用にも使われますが、何と言ってもビールでしょう。
小麦は、パンやお菓子に。

そして日本の食卓に欠かせない醤油は、大豆と小麦が主原料です。
うどんやソーメンなどの麺類もありますね。

そして、デュラム小麦から造られる、スパゲッテイーやマカロニなど(パスタと総称されます。)も人気の食品です。
あと、小麦で忘れてはならないのは、ウィスキーでしょう。
スコッチは小麦から、バーボンはトウモロコシやライ麦から造られます。

とうもろこしは、別名「唐麦」のも言いますので、麦の仲間と言っても良いのですね。
コーンフラワーのマフィンは、とてもおいしいそうですよ。

食工房は、パンと焼き菓子の店が本業ですが、原材料の小麦やライ麦などに関心を深めるうちに自分でも育ててみたくなり、皆さまもご存じのようにすでに取り組んでいます。

パン屋の仕事を、商工業の立場から見るだけでは、半分しか見えないのだと思います。
農業の立場からパン屋の仕事を見れば、また全然違って見えるでしょう。

食工房は、もっともっと農業に近づきたい!きっとパンづくりにもお菓子づくりにも、貴重な示唆が得られると思っています。

麦ラボ

脱穀後の麦ガラですが、なかなかきれいです。
店に飾っておきますので、ご来店の際にご覧ください。


デュラム小麦、長いノゲを持ちとても華やかな姿をしています。


麦ラボ

品種は不明ながら、中東の品種かも・・・。


麦ラボ

ライ麦、清楚な感じです。
美しい!


麦ラボ

超大粒の小麦、色は飴色、デュラム系かあるいはライ小麦?


麦ラボ

小麦ですが、品種は不明
カナダからやって来た。


麦ラボ

小麦、ノゲが長い、硬質小麦のようです。


麦ラボ

南部小麦、穂の色が濃い茶色で、他のものとははっきり違うので見間違えることはありません。


麦ラボ

いつの間にかこんなに沢山集まってしまいました。

今年の食工房畑のライ麦

麦ラボ

足踏み式脱穀機をセットしたところ
周りに飛び跳ねるので、パネルとシートで覆いました。
これが、大変うまく行きました。


麦ラボ

2017年産、食工房畑のライ麦


麦ラボ

デュラム小麦、二年目の今年は大変良い出来でした。

昨年、刈り遅れによる穂発芽で品質を落としてしまったことに懲り、昨年の種まきの際には、上の娘が種子選別を徹底的にやりました。

そして、一昨年ばら蒔きしたのを、昨年は筋蒔きに戻し極薄蒔きして、蒔いた種がわずかに隠れる程度に覆土も施しました。

結果、発芽率が良かったことは言うまでもありませんが、発芽が完全に揃ったことや苗の生育も不揃いなくとても順調だったことに、改めて種の品質の重要さを思い知った次第。
麦踏みも2回、春には除草を兼ねて畝間を耕す中耕を実施しました。

最後の刈り取りは、倒伏と穂発芽を警戒して、少し早めの刈り取りとなったため、ハザ掛けによる天日乾燥で追熟を待ちました。

約10日間ほど経って、実の充実と乾燥を確認して、昨日の脱穀に漕ぎつけたというわけです。
その結果、2坪ほどの面積から5kgの収穫がありました。

これを1反=10a・300坪に換算すると、何と750kgにもなるのですね。
12.5俵(1俵=60kg)です。(ちなみに、昨年の収穫は1反=10a当り450kgでした。)
そして収量が多いだけでなく、品質も昨年よりずっと良いのです。

もちろん、狭い面積に集中的に手をかけていますから、大きな圃場で同じ成績が出るとは限りませんが、最大でそれくらいの可能性があるということですから、ライ麦は全く素晴らしい作物だと言えますね。
否、小麦だって大麦だって、可能性としては同じだと思いますね。

麦の研究に深入りして行きそうです。
今後、デュラム小麦(パスタ用品種)とスペルト小麦(古代小麦)の作付けを定着させたいと考えています。

草刈り人足

雨雲レーダー

雨の様子がリアルタイムで見られるなんて、すごい仕掛けです。
この時間、我が家の周辺で80mm/h以上の雨量が表示されていました。

今日は早朝5時から8時頃まで、我が集落内の道路沿いの草刈り作業でした。
毎年恒例の行事で手慣れているのではありますが、受け持った場所によっては手強い作業になることもあります。
今日は、少しばかりがんばらなくてはなりませんでした。

しかし幸いなことに、お天気は曇りで雨が降らなくて助かりました。
午後には雨の予報でしたから、時間がずれて午前中から降られたらアウトでした。

おかげさまで、道路まわりもスッキリして、気持ちよくお盆を迎えられると言うわけです。

その後もう少しお天気が持ちそうだったので、朝食の後、家の畑のライ麦の脱穀作業をやりました。
こちらも毎年の倣いで、借りて来た足踏み式脱穀機と唐箕を使いました。

この頃から空模様がかなり怪しくなり始め、気を揉みながら作業を急ぎました。
全て片づけ終わって、家の中にライ麦を運び込んで間もなく、土砂降りの雨に見舞われました。
ギリギリセーフでした。

しかし何と間がいいのでしょう。
うれしくなりますね。

その後午後になって、雨が降ったり止んだり。
降っている最中は豪雨で、これが長時間続けば滅多にないくらいの洪水になるかと思ったほどでしたが、このあたりでは事なきを得ました。

そのような激しく変わる空模様の中、ご来店のお客さまが間をおいてポツリポツリとお出でくださいました。
改めてこの場を借りまして、ご来店御礼申し上げます。

明日は、海の日で休日ですね。
お天気も回復するようです。
皆さまのご来店をお待ちしております。

ビールを差し上げています。

自ビール

ドコノビール製 ダークオークエール

7月20日から蔵出しとお知らせしていましたが、このところの暑さでボトル内のカーボネーションも進んだようですので、早めに出すことにしました。

一昨日あたりから、まず店頭にてご来店のお客さまに差し上げています。

勝手で申し訳ございませんが、1000円以上お買い上げの時に限らせていただきます。
本数に限りがありますので。

通販のお荷物の中にも、これから先出荷の方対象に、同梱いたします。

定期便のお客様の分は確保してあります。
7月下旬または8月上旬の出荷時にお届けいたします。

全部で100本少々ですので、多分あっという間に無くなってしまうと思います。
お一人一本に限らせていただきます。

ところで肝心のビールの出来ですが、今日一本開けて試飲してみたところでは、今年は少し泡立ちが弱いようです。
プライミングシュガーの量が少なかったかもしれません。
それでも炭酸は十分利いています。

味の方も、モルトとホップの香りが濃厚です。
アルコールの方も、計ったわけではありませんが、まあそこそこいい気分になれると思います。

温暖化とは、つまりこういうこと

飯豊の空の下から・・・

会津は今、水田の緑が美しい。
画像クリックで元サイズの画像を見られます。

地球温暖化が言われ出して久しいこの頃、やっぱり温暖化したのだなと思いますね。

地球上の平均気温が、わずかでも上昇すれば、大気の持つエネルギーはその分だけ大きくなります。
地表付近の空気の対流も大きく激しくなります。
対流圏と成層圏の境界も、幾分なりとも上昇するでしょう。

雨が降れば突然の豪雨、風が吹けば突風や竜巻、一方で冬はドカ雪に猛吹雪、はたまた照れば猛暑、旱魃、どれもこれも最近身近に実感することばかりです。
もうすでに地球は、例えば50年前に比べて、確実に温暖になっていますね。
間違いありません。

今後、台風などの大嵐では、最大風速が100m/sに達することも想定しなくてはならないと言われています。
今までの70m/s想定の下で設計された構造物は、根本から作り直さないと耐えられないかも知れません。
都市計画や国土計画も再考を迫られるでしょう。

本当は、地震のこともあるのですが、事温暖化に関しては、人類の対応次第で避けられるかも知れないのですから、私たちの賢明な選択こそが求められていると思います。

もっと地球を見ようよ!

待っていた雨

この一週間ほど、ずっと晴れでした。
昨日あたりから崩れて来たのですが、昨日の雨はほんのお湿り程度で、植物たちは必死に乾きに耐えている様子でした。

今日は、朝まとまった降雨があり、やっと地面が濡れました。
その後夕方にもにわか雨があり、たっぷりと水をもらった草木は、いかにも嬉しそうに見えました。

昨日のこと、降りそうで降らない雨のことを話していたら、上の娘は、「大丈夫!ちゃんと降るから。」と言うのですね。
どうして?と聞くと、いよいよになったら植物たちが雨を呼ぶのだと言います。
野菜は人間が手をかけているから、少しは水やりしてあげなくてはいけない時もあるけど・・・、野生の草木はそんな心配をすることはないのですね。
確かにそうかも知れない、と納得した私でした。

今日は、ちゃんと間に合ったようです。
本当にいいタイミングで降ってくれました。
家の畑のニンジンやナスやキュウリたちも、どれほどか喜んだことでしょう。

おかげで朝夕の水やりはする必要はありませんでしたが、上の娘は、畑の様子を見に行くことは欠かしませんでした。
うーん、これなんですね、大切なことは。
いろいろ分かるのは、よく見るからなんです。
足元の土から地球が見えるって、本当かも知れません。

麦の力

暑い日が続きます。
今朝は一時雨も降りましたが、その後は予報に反して曇り時々晴れで降雨はありませんでした。

このところの暑さ続きで、熱が溜まって来ているのが分かります。
体も慣れては行きますが、暑いことには変わりはありません。
午後のコーヒーは、ここ数日前からアイスコーヒーになりました。

さてこう暑くなると、やはりパンは売れなくなりますね。
どなたも、シコシコ噛むよりツルッと喉を通って行くものに傾きます。

でも我が家では、暑い夏でも一日二食パン食にしています。
売れ残りのパンがあるから・・・というのが正直なところですが、まあしかし、全く嫌気がしているわけではありません。

体にはいいような、体力維持と言う点でもいいように感じます。
麦の力・・・でしょうか。

明日もまたパン焼きです。
酵母君もがんばってくれています。
おいしいパンを焼いて、ご来店をお待ちしております。

汗をかくことが、どれほど体に良いことか!

今日も猛暑でした。
中の仕事(パン屋)も外の仕事(畑)も、汗をかかずには済みません。

ちょっとの動きでも、大汗をかきます。
でも、これがいいのですね。

暑い夏だからこそ、汗をかいて毒出しするのです。
各々自分自身の体力に応じて、プラスアルファの運動量でしっかり汗をかくことです。

運動によって高い体温を維持し、汗をかくことによって冷却するわけですね。
熱中症は、こうやって防ぐのが正攻法じゃないでしょうか。

今日も、一日のうちに二度下着を取り替えました。
まるで水に濡れた雑巾状態でしたから。

被っていた野球帽のつばのあたりに、汗が染みたのでしょう、白く塩が吹いていました。

当然のども乾きますから、水分補給は必須です。
でも、勢いに任せてがぶ飲みは良くないのですね。
ちゃんと必要を量って、胃腸の負担も考えなくてはいけません。

お腹が空いたら、しっかり食べてエネルギーの補給も忘れずに。
そして出すものも出して、スッキリしなくては。

そうやって健康は維持されるものだと思っています。
おかげさまで、硬いパンをしっかり噛んでおいしくいただいています。

食工房、明日と明後日は定休日です。
お間違えのございませんように。

ヒグラシ鳴く

暑かったですね。
猛暑でした。

麦刈りが進んでいるはずでしたが、農家さんの都合やら何やらで、順延また順延となり、明日になりそうです。
否、それにしても暑かった!

オーブンの電源を入れたくない・・・、と言うわけにも行きませんから、40℃超えになるのを承知でクッキーを焼いていました。

そして終わった後がまた大変。
熱くなったオーブンを冷ましておかないと、戸締りも出来ません。

夏は、いろいろな意味でパン屋泣かせです。
売り上げも落ちますし・・・。

でも!私個人的には、夏は大好きですよ!
暑いのも平気です。

そうそう!今日の夕方でしたが、今年初めて、ヒグラシの声を聴きました。
ヒグラシの声を聴くと、思い出すのは夏休みが始まる時のワクワク感です。

さあ、暑い夏よ、やって来い!

これから、自ビールの味見をします。
ではでは。

猿知恵との戦い

近年このあたりでは、熊や猿などの野生動物による農業被害が深刻です。

熊、猿のほか、カモシカ、鹿、猪もいます。
まだその他に小さいもの、穴熊やハクビシン、タヌキなどもいますが、彼らはまだしも対応が容易いので、大した問題ではありません。
大きなものはやはり脅威です。

そんな中で猿は、他の者たちとは違って、少しばかり知恵があるので、対応が難しいのですね。
また、群れで行動するので、一旦侵入を許してしまうと、沢山の個体を相手にしなくてはならなくなり、それだけでも大変です。

畑のじゃがいもの味を覚えた猿は、じゃがいもの葉が茂って来ると、すぐに引き抜いてしまいます。
下においしいイモがあると覚えているわけです。

でも、まだ早すぎてイモは出来ていません。
次々、全部引き抜いて、結局あきらめて他の場所に行ってしまいます。

しばらく待っていれば、やがてイモにありつけるということが分からない、だから猿智恵なのですね。
こうして、その場所のじゃがいもは、今年の収穫をあきらめざるを得ないことになります。

電気柵が効果があるというので、畑のまわりを囲ったところもあります。
ところが、どうやって発見したか分かりませんが、大きな板切れだか角材のようなものを持って来て柵の上に倒しかけ、その上を歩いて易々と中に入り、カボチャなどを抱えて運んで行くことがあったとか。
あるいは、柵の下を電線に触れずに潜り込める子猿に入らせて、中からかぼちゃを放り投げさせて、外にいる親猿たちが運んで行くこともあったそうです。

結局、こうした猿との攻防に敗れて、一部の圃場を耕作放棄せざるを得ない状況に追い込まれた集落があるのです。
そうなって来ると、いつまでも動物愛護だの鳥獣保護などとばかり言ってはいられません。

しかし、法律はそう簡単には変わりませんから、今の状況では、私たちは手も足も出すことが出来ず、成す術がありません。
被害届と有害獣駆除の申請を出して許可をもらって、狩猟免許を持っている猟友会の方にお願いして駆除ということになりますが、その間に畑の作物は無くなってしまいます。

否、実のところ、侵入を許してしまってからでは遅いのです。
如何にして入られないようにするか・・・、そこにこそ害獣対策のポイントがあります。

事、猿に関しては、犬を放し飼いするのが一番効果的なのだそうですが、今は放し飼いは禁止ですから、それは出来ない相談です。
特別に訓練した猿追い犬を、集落の方々の同意の下受け入れて、猿が出た時に放すという方法があるそうですが、犬の訓練や世話をする人の確保、近隣住人の同意獲得など、ハードルが高いのですね。

それより何より問題なのは、ほとんどの場合、被害が深刻になるまで本気で関心を持つ人がいないということです。
私としては、それでは拙いことが分かっている以上、何とかしたいと思っているわけで、辺りを刈り払って焚き火をしたり、時々花火を鳴らしたり、歩き回ったり、とにかく獣たちにサインを送ろうとしているわけです。
うまく伝わっているかどうか、今一つ確信はありませんが・・・。

もし家の近くや畑に猿が出没したらどうしましょう・・・?
ま、いろいろと考えてはいるのです。
熊と違って、一匹二匹くらいまでなら、戦えない相手ではないので・・・。
何はともあれ先ずは頭脳戦、猿と知恵比べです。