リズムは知的な遊び

今日は、音楽の話しでも、いかがでしょうか。
リズムの話しです。
人間は二本足で歩きますので、一番ストレートに馴染むのは二拍子です。
マーチですね。
1、2・1、2・・・、右、左・右、左・・・、というわけです。
それを二つつなげて4拍子、スクェアビートになります。
まあ一番お馴染みのリズムでしょう。
我々の世代が青春時代に一番馴染んだロックは、4拍子を2つつなげて2倍の速さで刻みます。いわゆる8ビート。
さて、リズムには、この2を基本とするリズムの他にももう一つ大きな系統があります。
それが3拍子です。
同じ速さで歩いているとすると、3拍子は、右、左、右・左、右、左・・・となり、俄然躍動感が増して来ます。
3拍子のバリエーションは、とても複雑で面白く、2つつなげてそれを2組ずつ2拍子のようにアクセントをつけて刻むと6/8、ゆっくりならブルース、早ければシャッフルと言う具合です。
また3拍子を刻む時も、アクセントをどこに置くかで印象がまるで違って来ます。
クラシックなどで演奏されるワルツは、明確に1拍目にアクセントがありますが、北欧のダンス音楽では3拍目にプレアクセントを置いて1拍目を打ちます。
もっと新しい時代の音楽では、さらにスリリングな刻み方をする例が沢山見られます。
いわゆるロックの系統は、8ビートからさらに16ビートへと刻みが細かくなり、アクセントの置き方も複雑になってスリリングなリズムが生まれましたが、それらとは一線を隠して3拍子の系統でもとても面白い例が、例えば北欧フィンランドのミュージシャンたちの演奏の中に見られます。
これからご覧いただくビデオは、アクセントの異なる刻み方の3拍子が幾通りか交互に出て来て、それぞれのパートの雰囲気の違いが面白いです。


そしてリズムの冒険は、さらに複雑怪奇な変拍子へと進むのですね。
この次にご紹介するのは、もうとても難解なリズムです。
歌の部分は、13拍子(7+6)を3回繰り返して12(6+6)拍子を1回で1回り、間奏はちょっとリズムが掴めませんが、ちゃんと全員の息が合っているので、お互いに分かるルールで刻んでいるはず・・・。
こんなのを聴かされると、頭の中がグチャグチャになりますが、一方、とても知的で素晴らしい遊びだと思います。
凄い人たちです。