バタービスケット、精麦、製粉、あんづくり

今日は月曜日、定休日前最後の営業日でした。
パンは全て2割引きまたは半額で販売しました。

皆さま、月曜日は、考えようによっては大変お得な日ですので、覚えておいてくださいね。

一方工房では、バタービスケットを焼いていました。
目下、クッキー類の在庫回復に努めているところですが、バタービスケットは造る傍から捌けて行くので、先週に続けて今週も焼くことになりました。

ところで、クッキー焼きに集中したかったのですが、残りの時間は別な仕事が待っていました。
ライ麦やスペルト小麦、そして大麦の精麦作業を、それからそれを製粉する作業もしなくてはなりませんでした。

普通は、パン屋がそこまですることはないのですが、国内産で品質も追及するとなると、自分でやるしかないということになるのですね。
そこはもう食工房病ですから、不治の病です。

そして最後は、小豆を炊いてあんづくりでした。
こちらは、上の娘がバタービスケットを仕込んでいる合間に始めて、その後掛かりきりで仕上げてくれました。

食工房の自家製あんは、名目こしあんと言うことになっていますが、実はそうではありません。
世の中には、つぶあんとこしあんしか呼び名がありませんので、仕方なくこしあんと言っているのです。

本物のこしあんは、やわらかく炊いた小豆を潰して濾し袋に入れ、揉み出すように絞って皮の部分を濾し分けます。
だから、口当たりがとても滑らかだし、アクが抜けて味もあっさりしています。

対して粒あんは、小豆を丸ごと煮くずさないように炊き上げます。
使う砂糖の量も粒あんの方が多いのですね。
これはこれで、小豆の濃厚な風味を味わうことが出来ます。

で、食工房のあんはどうなんだ?と言うと、やわらかく炊いた小豆をすり潰す時に、高速のカッターミキサー(フードプロセッサーとも言います)を使います。

これが大変良く出来た機械で、時間をかけると小豆の皮の部分まで本当に細かくすり潰されて、本物のこしあんの様に滑らかになります。
しかも小豆の濃厚な風味がそっくりそのままです。

そこに砂糖を入れて練り上げて行くのですが、一部きび砂糖という名の粗製精糖も混ぜます。
白い砂糖一本より、味わいが深くなります。

そして、微量の塩が決め手になります。
味がまろやかになり、甘さも増して来るのですから、何とも不思議な効果です。

また、適量の糖分と微量の塩分のおかげで、あんこは案外腐りに難く日持ちがするのです。

このようにして、手間暇かけても自家製あんを焚くのは、この集落のおばあちゃんたちがおいしい小豆を作ってくれるからです。
それを100%生かすには自分でやるしかないと言うのが、食工房の結論です。

いやはや、こんなことばっかりやっているから、いつまでも忙しいんだ!と言うわけですが、体が動くうちは止められません。
こうした方がいいと分かっていることを、やらずに済ませることはどうしても出来ない・・・、あぁやっぱり病気だ!