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クマ対策に柿の木を伐るの件について

飯豊の空の下から

小鳥たちは、雪の合間に隠れて柿の実を啄みます。

クマによる人身被害が相次いでいます。
そんな中、人里にクマを引き寄せてしまうとの理由から、柿の木の伐採を奨励する動きが出ています。

ちょっと待ってください!

クマの数を減らすことが先決だと思うのですが、クマを減らすのは何故ダメなんでしょうか?

ナチュラリストの皆さま、もう少し広い視野で周りを眺めて見てください。

あたりをすっかり雪に覆われた真冬の大地、柿の木に残っているオレンジ色の実がとても美しく印象的です。
そしてそれだけではなく、この柿で命を繋いでいる小さな生き物たちが沢山いるのです。

そうです、鳥たちですね。
大きいのはカラス、小さいのはシジュウカラに至るまで、彼らの貴重な冬の食糧となっています。

降雪地帯では、冬の間地面にアクセス出来ないので、樹上が専ら食料探しの場となります。
そこに熟した甘い柿があれば、どれほど大きな救いになることでしょう。

シジュウカラが自分の体より大きい柿の実にとまって啄ばんでいる姿は、見ていてとても愛おしい気持ちになります。
一個で何日も生きられます。

熟した柿は、ほとんど雪が融ける頃まで木の上に残っていて、彼らの命を支えます。
そして雪が融ける頃、一斉に地面に落ちて土に帰って行きます。

ですから、クマ対策だけのためにあっさり伐ってしまって、そこから先の影響は無視して良いとは思えません。

自然界は、もちろん人間だけのためのものではありませんが、クマだけのためのものでもありません。

そこは見失わないようにしたいものです。

またしてもクマ出没

獣害対策

目撃情報 2023.11.14 6:50


獣害対策

詳細図の表示範囲を示しています。

もう冬眠の動きになっているので、餌になるものが無いところには出没しないだろうと思っていましたが、とんでもないところに出て来ました。

今朝6時50分頃、藤沢集落の中心とも言える国道459号線の曲がり角の付近、介護老人施設「ハッピーランドあいかわ」の進入路入口に1頭のクマがいるのを、住民が目撃しました。

その時、道路を車2台が通過して行ったとのことですので、車の運転者も目撃したかも知れませんが不明です。

かなり大きな個体だったそうで、一旦老人施設の方向に坂道を上りかけて引き返し、プール跡の柵沿いに裏手の山に向かって移動し、藪の中に見えなくなったとのことでした。

クマの立ち去った方向めがけて追い払い用の爆音煙火を発射したそうで、その音がわが家まで聴こえました。

図面を見て分かると思いますが、集落の往来のど真ん中に出て来たわけで、こんなところに何をしに来たのか、いろいろ推測していますが今一つ謎です。
そして目撃された箇所に、どこからどこを通って移動して来たのか、それも想像の域を出ません。

娘たちが、朝方カラスが騒ぐ声を聴いたと言いますので、その位置にクマがいたのだと思いますが、まだ寝床にいましたので詳細な位置は不明です。

出没箇所の周辺のどこかにトレイルカメラを仕掛けようかと思いますが、今一つ設置場所を絞り込むことが出来ません。
何とかして動きをキャッチしたいものです。

ちなみに、川を渡ったこちら側の我が中島地区は、今日もトレイルカメラ3ヶ所ともノーヒットでした。
イノシシもクマも、何の痕跡も見つかりません。

続・何故、誰も「戦え!」と言わないのか

一昨日からの続きです。

では、今後どうすれば良いのか・・・、まず結論から申し上げましょう。
それは、動物たちとの間に、適切な緊張関係を維持することです。

何だ、そんなことか!と言わないでくださいね。
では、少し違う所から話を進めましょう。

先日、クマ出没に関するニュースを漁っていたら、岩手県の雫石町の肉牛飼育農家の牛舎に、8頭ものクマが同時に侵入して牛の飼料を食っている映像が流れていました。

この農家さんは、最初は侵入を防ぐために扉に鍵をかけて締め切りましたが、次々何度も破られて修理するのもキリがないと諦め、クマが侵入するままに任せ気が済むまで餌を食べさせることにしました。
「餌を食って大人しく帰ってもらう方が、かえって安上がりだ・・・」と言っていました。

さらに行政の担当者も、現状人身被害の報告も無いので、積極的な駆除は考えていないと言っていました。

この情報に接して、私は、もう呆れてものが言えない、また憤慨に堪えない気持ちになりました。

違うでしょう!

クマに餌を食わせて、それも一度に8頭もの個体が同時に居合わせるなんてことは、自然界ではあり得ない恐ろしく異常な事です。
その状況下で、クマがどのような学習をすることになるのか、考えてみてください。

また、豊富な食料にありついて栄養状態が良くなり、繁殖率も上がるでしょう。
確実に数が増えますね。
そしてこの状況が、他の畜産農家へと波及して行くことは必至です。

本当は、どんなことがあっても、人間の用意したものを一欠けらだってクマに食わせてはなりません。
厳しく追い払い防御すべきであり、悪い学習をしてしまった個体は、すべて駆除すべきです。

それを、今のところ人身被害が無いので駆除しないとは、一体どういう考えなのでしょうか。
最初の犠牲者が出るのを待ってから、でしょうか。

私には、いずれ犠牲者が出ることは必至と思えるのですが。

ところで、クマなど野生動物の習性を語る時、多くの人が動物たちは本能的に人を恐れているとか、本来臆病な性格だとか言います。
申し上げておきますが、それは全くの間違いです。

そういう意味での本能と言う概念は、存在しません。
動物たちは、人間の私たちと同様に、時々刻々、新たな状況を学習し適応しようとしています。

近年、狩猟者が減り続け、また多くの市民が野生動物は皆、保護されるべきものと思い込んでいる現状では、動物たちが人を恐れる理由は無くなってしまっています。
ここしばらくそうした状況が続いているのですから、これから先は人を恐れないどころか、積極的に人を狙って攻撃して来る事態が頻発することになります。

ここまで申し上げれば、皆さま、もうお分かりでしょう。
戦うしかありません。

かつて動物たちが人を恐れたのは、人が卓越した腕前の狩猟者であり、度々その脅威にさらされたからです。

しかし人類も最初から卓越した狩猟者だったわけではありません。
恐らく・・・、そうなるまでに、一体どれほどの仲間が命を落としたことでしょう。
強い動物たちの食事メニューの中から「人」の名を消すのにどれほど多くの犠牲と時間を要したかは、想像に難くありません。

そうした幾万年を経て得た人類の自然界における地位も、失う時はあっという間だということを知らなくてはなりません。

今日はここまで。
さらに続けます。

何故、誰も、「戦え!」と言わないのか

自然界の成り立ちを、共存と共生だけで語ろうとする人が多くいます。
しかし、自然界には、競争と闘争による淘汰の力が働く側面が半分あるいうことを無視しては、真の自然界の姿は見えて来ません。

今、野生動物の脅威が社会問題になりつつあります。
シカ、サル、イノシシ、そしてクマはその筆頭でしょう。

皆さんご存じのとおり、農作物への被害はもちろんのこと、怪我や死亡に至る人的被害も頻発するようになりました。

そして、それらの解決策として、多くの人が、共存、共生への道を模索することが最善の策と考えているのですね。

また、動物愛護や自然環境保護を語る人たちの多くは、野生動物が増えれば増えるほど、自然は豊かになると考えているふしがあります。

本当にそうでしょうか?

実はそうではないことが、もうすでにあちこちで証明されています。
シカが増えたことにより、山の生態系が崩壊し、土壌流出によって麓の渓谷が土砂に埋まってしまった事例やイノシシによって掘り返された斜面が保水力を失って崖崩れを起こした事例、サルの群れによって絶滅してしまったヒメサユリやヤマユリの群生、そうした事例が沢山あります。

また、木に上るサルやクマは、小鳥たちにとっては深刻な脅威であり、生息には大きな抑制要因です。

その上に、農地への侵入による農作物被害が加わっています。
そしてさらに、人そのものに対する攻撃も常態化しつつあります。

彼らの歯止めのない増殖を、単に自然の営みの一角だと捉えて放置しておけば良いのでしょうか。
私は違うと思います。
少なくとも、私たちの生存に直接影響が及ぶ局面においては、きっぱりと対決すべきだと考えます。

数を減らす・・・、このことに何としても強い抵抗を感じる人が少なくありませんが、いずれそうせざるを得ない時がやって来ることは間違いありません。

人類の歴史を振り返れば、狩猟と採取の時代がほとんどを占めるくらい長かったのであり、その間に人類は、その知恵を駆使して自然界における優位を確立して来ました。

ある時には共存によって相手を生かす道を選び、別な時には対決闘争によって相手を倒すことを選び、それは一つの戦いでもありました。
そこに展開されている戦略や戦術は、動物たちを恐れさせ、また時には畏敬の念さえ抱かせる局面もあったにちがいありません。

野生動物たちとの関係も、そのような中で築き上げられたものでした。

しかし、やがて農耕が始まり安定して食糧が確保出来るようになるにつれ、人類は狩猟と採取を手放して行くことになります。
そしてそれに合わせるように、野生動物たちの行動も変化して行ったはずです。

近年に至り、野生動物に対し何も手出しをしない状況が続いている現状の下、動物たちが人に対して大胆な行動をとるようになったのは、当然の結果だと思っています。

さて今後どうすれば良いのでしょう。
今日は時間切れです。
また次に続けます。

気を取り直してまいります

いやいや全く、連日のクマ被害の報道に驚いています。
と言うのは、以前私が予想して恐れていた通りの状況になっているからです。
この先まだまだ続きます。
来年はもっと酷いかも知れません。

ま、それはそれとして、各地域にはそれぞれに事情がありますから、我が藤沢集落は藤沢集落の状況に見合った対応をして行かなくてはなりません。

そのためには、まず自分たちの目で確かめ自分たちで考えることから始めなくてはなりません。
そしてそれは、もうすでに始まっています。

ですから、厳しい状況でも悲観はしていません。
必ず状況を好転させられると思っています。
改めて、気を取り直して取り組んでまいります。

もちろん、本業のことも忘れてはおりません!

明日は定休日明けの木曜日、パン焼きの日です。

明日あたりから気温も下がり、冬の気配も漂うようです。
山の上は雪でしょうか。

一方、食べるものはおいしく、体も動かしやすい良い季節です。

皆さまのご来店、心よりお待ちしております。

年々深刻になる状況

また、クマの話です。

このブログでクマのことに触れた記事が、実は沢山あります。
その数は、数十に止まりません。
正確には数え切れないくらい・・・。

その記事を読みながら記憶を辿ると、クマの出没にかかわる状況は、年々深刻さを増していると感じます。

こちらとしては、一生懸命対策して防御になると思うことを実践しているのですが、今年も至近距離に出て来られてしまい、遠ざけることが出来ていません。

今では、隣家との境界に沿ってわが住居の周囲を電気柵で囲っているのですから、笑い話のようなこの状況を笑ってはいられません。

このことは、私たちのクマに対する認識や理解が、まだまだ浅いということを証明しています。
尤も、年々少しずつでも勉強し、また経験も積んで理解が深まって来ているとは思います。

メディアの報道に出て来るような人身被害はまだありませんし、日中の目撃も限定的ですから、まだ一線を越えられたわけではないと思っていますが、真実どうでしょうか?

現在、とりあえず休戦状態にあると思っています。
このまま冬眠に入ってくれれば、来春まで休戦です。
その間にどのような手が打てるか、頭を捻らなくてはなりません。

ちゃんと手を打った個所と何も出来なかった箇所では、明らかに状況が違っています。
この9月10月中に頻繁に出没したクマの、およその侵入ルートも掴んでいます。

そこはやはり、昨年あたりから耕作放棄だったり、周囲の刈り払いが出来ていなかったりの状況があり、クマには好都合な隠れ場所や通り道になっていました。

その場所にある空き家が、来年解体になるそうなので、更地になった宅地の周辺を徹底的に刈り払いしたいと考えています。

もちろん、地主さんや周囲の方の了解が得られるよう、まずは話をして見ましょう。

ありがたいことに、私のやっていることに対する反応は概して好意的です。

そしていつか必ず、どこかしらから状況好転の糸口をつかめるのではないかと思っている私です。

結局、クマは対応が手薄なところに出没する

かれこれ二週間余り、我が中島地区では熊の出没を確認していません。
トレイルカメラは、全箇所ノーヒットです。

一方、山都町全体で見ると、一昨日、昨日、そして今日と、3日続けてJR山都駅周辺の街中あるいは集落の中にクマが出没しています。

街中とか集落の人家の周りでは、いろいろと対応が難しい局面があり、クマから見ると対して圧力を感じないでいられる場所になってしまっています。
この頃では、人は、クマを見れば逃げるの一択ですから、恐れる必要などないことをとっくに学習済みでしょう。
このように、これと言って何もしない(出来ない)でいることが、クマの人に対する警戒心を弱める一番の原因です。

私はよく言うのですが、昼日中の明るい時に人の目に触れるような状況で出没するのは、もはや手遅れの状態です。
そこから、クマに圧力をかけて遠ざけることは、とてもとても困難であると言わざるを得ません。

今後の展開がどうなるのか注目していますが、このまま大人しく山に帰るわけはなく、結局罠で捕獲し駆除することになるでしょう。
一方、少し前まで我が集落をうろついていたクマが今どこにいるのか、とても気になります。
私の見立てでは、恐らく山の中です。

今年の夏の猛暑のせいで秋の実りが遅くなっており、アケビが割れるのが一ヶ月以上遅れました。
今頃、山の中では木の実が沢山落ちているのだと思います。

この周辺でも、リスがせわしなく走り回って、木の実を集めている様子を目撃しています。

このまま冬眠に移行してくれればありがたいのですが・・・。

上映会、無事終了

本日、トレイルカメラの映像の上映会を、予定通り開催しました。

事前に回覧板で告知しましたが、直前のお知らせだったにも関わらず、18名の参加者にお出でいただきました。

私の解説を交えながら約一時間半、沢山の画像や映像を上映しました。

総じて言えば、当然のことながら関心の高い、あるいは危機感のある方がお出でになったわけで、皆さんの集中力を肌で感じることが出来ました。

そして話は、では今後我々はどうすれば良いのかというところに向かい、大変有意義な会になりました。
まだまだ初めの一歩に過ぎませんが、住民ぐるみの獣害対策に結び付けけて行きたいと思っています。

理想を言わせていただくとすれば、例えば各世帯に狩猟免許を持った人が一人以上いて、訓練された猟犬あるいは獣害対策犬を飼育しているなどの状況があれば最高ですね。
あとは、法律の改正などの制度面の対応があれば完璧でしょう。

現行の動物愛護法や鳥獣保護法は、全く現状に合っていませんし、そもそも間違った解釈に基づいていると私は思っています。

これからまたいろいろと持論を開示して行きますが、私は、市民生活の安全保障という観点で運動を起こしたいと考えています。

それでもクマは増えている!

10/29にクマのことをとりあげて記事を書きました。
その中で、繁殖期のクマの特徴的な行動について触れました。<参照>

実際その通りなのだとすれば、クマの子が無事に成長出来るのはとても貴重な例ということになります。
クマはそんなにやたらに増えないはず・・・と思うのですが、それでもクマはどんどん数を増しているという実感があります。

専門家も含めた多くの人の認識は、ひょっとしたら違っているのではないかと、私は大いに疑っています。
だって、監視カメラに映るクマの様子からも、捕獲された個体の実例を見ても、痩せているクマなんか一頭もいませんでした。

猟友会の人も不思議がるくらい、夏だというのにタポタポと脂がのった肉付きでしたから・・・。
「いったい、何喰ってこんなに太ってんだ?」と口を揃えていました。

そして、役場の担当の方も猟友会の方も、捕っても捕っても一向に出没が止まらないと言っています。
山の中には、ちゃんと主のような強い大クマがいるらしいことも分かっています。
「いったい、どれだけいるんだ!?」というのが、私たちの正直な感想です。

山の中に食うものが無くて、仕方なく人里に出て来るといった解説がまかり通っていますが、それは絶対に違います!

否、富山の例では、捕獲したクマはガリガリに痩せていた!と説明されていますが、その訳は多分こうです。

付近の山の中では、環境が良好で順調にクマが数を増やした結果生息域が広がり、そして餌を奪い合うほどになり、環境の良くない所にはじき出された個体が、人里の農作物を狙って侵入を繰り返すようになったのだと思います。

人が山を荒らしたから、杉ばかり植林したから、皆人間が悪くて、クマは被害者だともっともらしい説明をする人たちが少なくありませんが、それもまた大きな誤解です。

むしろ山を荒らすのはクマの方です。
木の実を食べるために、木に上り枝ごとバキバキ折ってクマ棚をこしらえることはよく知られていますが、クマがいることで環境は大きな負荷を受けています。

木も草も、地面も、大きな負担を強いられるのです。
樹上に巣をつくる鳥たちや、木の実を集めるリスたち、サルもまたクマには迷惑しています。

クマは、環境が支えられる容量から見れば、そんなに沢山生息出来る生き物ではありません。
それがどんどん増えているのですから、どこか歯車が外れています。

これは私の見解ですが、本当は人がクマの天敵になるのが役割なのではないかと思っています。
人もまた、この自然界の中の一員としての位置づけがあり、当然役割もあると思う私です。

保護ばかりでなく!
※本当は保護なんて、どれだけ傲慢な考え方か、それも訴えたい!

ゆっくりまったりの秋

麦ラボ

中島第2圃場 ライ麦

少し前は、如何にも急に季節が進んでいる実感がありましたが、ここ数日はやっぱり暖かく、植物たちもこの先の暖冬傾向を予感しているかのような、未だ緊張感の薄い雰囲気を漂わせています。

麦畑は、伸び盛りの子どもみたいに青々と勢い良く育っています。
それをぺったんこに踏み付けるのが「麦踏み」です。

今日は大方一日畑にいて、終わった作物の後片付けをしたりもみ殻燻炭を作ったり、そして麦踏みをしていました。

何度も汗をかいて、休憩の度に、体が冷えるといけませんので3回も下着を取り替えました。

夜はずっと、YouTubeで”Boogie Woogie”なんか漁っていたのであっという間にこんな時間に・・・。

ではでは。