特別長い禾(ノギ)がライ麦の特徴です。
陽の光を受けて、白く黄色く時に赤く、刻々と変化します。
歌っているようにも、踊っているようにも見えて・・・、麦畑はとてもにぎやかです。
下向きにしなっているのは、実が入っている証拠です。
長い禾がキラキラと光って、とてもきれいです。
風が吹くと、不規則に小刻みにゆらゆら揺れて、
ガヤガヤ騒がしい、都会の雑踏のようにも見えるのが不思議。
禾(ノギ)は、光の当たる方向によって、色が様々に変わります。
皆、気ままに踊っているように見えます。
ライ麦畑のそばに咲いていた、アザミの花です。
かわいらしい姿、品の良い赤紫の色合いに、いつも心が震えます。
今日は、沼ノ平へ麦畑の様子を見に行って来ました。
で、一つ先にご報告しておきますが、小麦の畑が猿に荒らされて台無しになり、来年用の種を確保するため、時期尚早は承知で収穫。
結局、15㎏ほどにしかならず、全量種用になる予定です。
野生とのまずい関係、早速我が事になってしまいました。
どのように対峙して行くか、農家さんとも話してみなくてはなりません。
同じ山都町内でも平地に下りれば、獣の害のない場所もありますから、そちらの農家さんにお願いする方向も考えなくてはならないかも知れません。
さて一方、ライ麦畑の方は今のところとても順調で、穂の付きも実の入りも上々です。
このあと収穫まで、熊も出て来るかも知れないし、猿が手を出して来るかも知れません。
カラスや鳩やその他の野鳥も、害になりますし・・・。
とりあえずは、無事の収穫を祈るのみです。
余談になりますが、今日の撮影はうまく行きました。
ピントの問題は、例の方法で。
しかし、風が吹いてなかなか揺れが止まらず、じっと待っているしかありませんでした。
その合い間に、野アザミを見つけましたので、一枚いただきました。
尤も、風に揺れる麦の穂を見ているのは、とてもとても味わい深い至福の時間でありました。
動画を撮っても・・・と一瞬思いましたが、とても伝わるものではないと悟り、止めておきました。
ちょうど私の肩から目のあたりの高さに穂があって、ライ麦って丈が高いのですね。
本当はもっと高くなっても不思議はないのですが、この春の少雨で伸び悩んだのでしょうか。
でもそのおかげで、倒伏しないで済んだのかも知れません。
穂先が下に向かってしなって、実の入りの方は至って上々のようです。
ちなみにライ麦は、小麦が育たない寒冷地でも、また他の作物が育たない痩せ地でも、たくましく育ちます。
ですから北欧では、小麦の代わりにライ麦を植えます。
ライ麦のパンは、小麦のパンのようにうまく膨らまないので、コチコチの固いパンです。
ドイツのプンパニッケル(食工房でも造っています。)、フィンランドの円盤状のパン(ハバンレイパというそうです。)、いずれも固いパンです。
小麦のパンの方が軟らかくて食べやすいかも知れませんが、ライ麦って何か不思議な魅力を持っていると感じるのですね。
来シーズンは、自分の畑にもライ麦を蒔いて見ようかと思っています。
たとえ一畝でも。